緑の調律日誌

白馬岳登山

2010/07/28

ハクバ村にあるシロウマ岳。

いわゆる登山を始めたのは信州大に入ってからですが、25歳の今、白馬岳は信州に来てから毎年登っていて今回で8年目10回目の登山になります。

今までは、植物調査目的で登っていたもので山小屋泊でしたが、今回は単独で日帰りをやってみようと思って登ったものです。

朝5時に猿倉に到着し登山開始。写真は大雪渓手前の白馬尻ですが、最高の天気です!

ところで、偶然にもここで、園内のイベント時には合唱をやって頂いているハーモニー白馬のメンバー方に出会いました!登山をして、山頂付近にてみなさんで歌うとのことで・・・。とても楽しそうでした。

大雪渓を登ります。どうやら、下は雲海につつまれており、頂上に着くまでに曇ってしまったらどうしようかと気になります。

大雪渓は落石が多い場所で多くの方が無くなっている場所でもあります。

ラクあれば苦あり・・・。ひたすら上を目指します。

雪が多かった影響か、以前にこの時期に登ったときよりも植物がやや早い気がしました。

それでもハクサンイチゲなどはみな新鮮な花で数多くあり、良いタイミングでした。

クルマユリやハクサンフウロなども多くみられます。

白馬五竜高山植物園には、「白馬連峰高山植物生態園」と名付けられたロックガーデンがあります。

白馬連峰の植物を自生に近い形、植物群落で観察出来るものを目指したものですが、再現すべき自然が目の前にあるわけで、それらを写真、数値、メモを交えながら、自身の経験として積み重ね、用いるべき資料としていきます。

辿り着く結論は、誰もが注目する華やかな花はもちろんのこと、誰もハナから注目しない花も入れなければならないこと。

クルマユリという主役を引き立たせ、健全に育てるには、ヨモギ、セリ科、タデ科、イネ科、スゲ類といった地味な植物も交える必要があります。自然に見せるためには、100本のユリで埋め尽くすよりも、95本の雑草が5本のユリを引き立てる構成にすべく。

登り進めていくと、ハクサンイチゲと並ぶこの時期の花、シナノキンバイも増えてきます。

この時期の「お花畑」はやはり良いものです。

変わったイワギキョウを見つけました。

左の方は、花が2つくっついてしまったのでしょうか?右の形が正常ですが、こういった奇形や色違いなどを見つけだすのも面白いものです。

信州大の頃は、植生復元活動、その調査にて白馬岳に登っていました。

踏みつけ等により植生が荒廃した場所にネットを張り、その効果を毎年記録するというもの。

今では、一連の活動は一通り終了していますが、果たして今はどうなっているのか。

毎年それを見に行くために登っています。ウルップソウの実生が多く育っていました。

大雨や強風であっても高山で調査をするという技術や心構え。それらは間違いなくこの場所で身に付けたもの。かつての仲間との苦楽を思い出しながら、私はこれからも毎年この場所を訪れます。

やっぱり山頂は良いものです。富山県側から周辺の山々のほとんどを見渡す晴天でした。

しかし、眼下にある大雪渓は雲に包まれており、今登っている人は何も見えていない状況でしょう。

ちなみに、この後下山中は太陽が隠れ、車に乗ると雨が降りました。運が良かった。

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人によって山に登る理由やスタイルは様々です。

ピークハンターや、タイム短縮を目指す人も多いですが、私の場合は植物や景色を眺め、写真に撮りながら気ままに登ります。

それでも一応区間時間を数えてみると、休憩や写真撮影、植物観察を含め、猿倉‐白馬岳山頂は、登り5時間15分、下り2時間45分でした。日帰りが十分出来ることがわかったので一日の休みでも気軽に来られそうです。

そして、まだまだ体力は向上中のようです。来年もこれからも、健康に登ることが続けられたらいいなあ。