緑の調律日誌

高知県での植物

2010/09/04

しばらく高知まで行きました。

園芸、植物園関係者の懇親会が大阪であったものの、若い会員数名が「高知へ植物を見に行こう!」という、という企画があり、真夜中に高知へ向けて出発したものです。

高知県立の牧野植物園の方が講師役としての植物観察会への参加としての植物観察。

市内近郊の山ですが、海に近い標高にも関わらず、大規模な草原の景観、草原性の植物が数多くみられ興味深い山でした。

馴れない四国だけに聞いたことのない植物も多く、メモやシャッターを押す手が止まりません。

県内では絶滅危惧種のものも高知では普通種であるものもあったりするようです。

そして、今回のメインとも言えるダイサギソウは見事なものでした。

午後は植物学者の牧野博士ゆかりの山まで数人で植物観察へ。

薄暗い林の下でコオロギランを見ることが出来ました。花は数ミリの大きさで、午前中のダイサギソウと比べると華やかさはやはり劣りますが、博士が新種として発見した植物を本場で見ることにはロマンがあるものです。

 

日本が世界に誇る植物学者の牧野博士の業績を顕彰する「牧野植物園」を尋ねました。

近代的なデザインの建物に一流の研究体制を整えた植物園は想像以上に「植物園としての理想」を具現化している植物園であるものと実感するものでした。

高知の植物を収集した生態園、高知の植物相の学術的調査や保全活動、薬学的視点での企業との連携、温度・湿度を正確に保つ標本庫、レベルの高い一貫した展示解説、何よりもそれらを管理する人たちの確かな技術と熱い思い。

 

自身のいる植物園、身近なフィールドを良く知ることは必要ですが、更に良く知るためにはやはり多くの他の場所を見ることも必要なります。

あの植物はここにしかないのか、他ではどうなのか、比べてどうなのか。

人と場所と植物が同じ植物園はどこにも無い、では自分と自分のいる場所は、どうあるべきか。

そんなことを考えながら、今日も園内の作業に励む日々です。