9月になっても各地では猛暑続きのようですが、標高1500mの植物園内は晴れても気温は22℃くらい、爽やかな気候を味わうことが出来ます。標高700?800mの白馬山麓でも夜中は19℃くらいと実に快適です。
さて、最近の園内の植物ですが・・・正直な話、今は園内に花が少ない時期ではあります!(このブログを見ている方は今のところ来園者数に比べ少ないだろうと信じて)
7月のように高山植物が多いわけではなく(コマクサはまだ何とか咲いていますが)、8月のようにシモツケソウが一面を覆うわけでもなく、そもそも各植物園に聞いてもこの時期は花が少なくなる時期のようで。
しかし、この時期に花がないというと、勿論そんな訳はなく、むしろこの時期だからこその花も多く咲いています。紅葉前の残暑を優雅に過ごすための園内の花を紹介いたします。
ということで、ユウガギクです。しかし漢字は柚香菊となります。
本当に柚の香りがするのか…?ぜひとも園内を訪れて確かめてみてください。
(多分しない…いや、ご自身で是非とも!)
こちらはノコンギクです。野紺菊、野の紺色のキクですが、まさにその通りです。
この時期はいわゆる「野菊(ノギク)」の仲間が咲く時期です。
さりげない美しさの野生のキクを味わうことが出来ます。
こちらの花は、ご存知ですか?名前は絶対聞いたことあるでしょう。
ミヤマトリカブト、いわゆるあの毒草のトリカブトです!
毒草のイメージのみが先行する花ですが、野草としては他に例を見ない形であり、紫の色が秋の中に馴染む独特の美しさを持った花でもあります。
今年の園内は青いケシが大人気でしたが、では「赤い花」には何があるのか?
この花はエンビセンノウです。花びらの先が二つにわかれた様子が燕の尾(燕尾=エンビ)に似ています。
赤っぽい花というと沢山ありますが、ここまで「赤、Red」という言葉が合う花も少ないのではないかと思います。
こちらはツリフネソウといいます。船が吊り下がっているように、見えますか?
山麓に自生していたものを持ってきたものですが、良く咲いてくれています。
山野草には珍しく一年草であり、1mにも達することがあるのに芽生えから数カ月で咲いて、種を飛ばして枯れます。
実を指で触ると勢いよく種がはじけます。ホウセンカの仲間と言えばピンと来るかもしれません。
ちなみにツリフネソウ属の学名Impatiensの意味は、「我慢できない」だそうです…笑
こちらは、オヤマリンドウ、コウメバチソウ、マツムシソウです。
いわゆる定番の秋の花、とも言えるかもしれません。それだけに見応えがあり、秋の風に合う花々でもあります。
特にこの3種類は花期も相応に長く、もっと増える時期ですので、これから園内に来られる方にはぴったりの花でもあります。
ところで、こっちは全くもって定番ではない花です。
オオイタドリですが、いわゆる雑草。しかも背丈は3m、葉っぱは30cm、白い小さい花の数だけ繁殖力の強い種がまき散らされる、駆除しようにもしきれない、ゲレンデから谷間から、あちこちを埋め尽くすある意味最強の植物のひとつです。
しかし、遠目にみてそのダイナミックさ、鮮やかさは、相応にきれいなものとも思いますが、いまだにこの花の美しさに共感する人には会ったことありません…。いかがなものでしょう。
秋晴れの下ではゲレンデからパラグライダーが次々に飛び立っています。
ライダーとパラグライダーは晴れになると良く見かけますが、今は良い時期です。
黙っていても晴れる確率が高そうなので、気まぐれの避暑にでも園内を訪れてみてください!