「ユウスゲ」という花をご存知でしょうか?
ユリの仲間で、ニッコウキスゲに近い種類、と言えばピンと来るかもしれません。
野生ではニッコウキスゲよりも標高の低い場所でみられ、ニッコウキスゲが登山の花なら、ユウスゲは長野県では人里やや高めの場所で咲いています。
漢字では「夕菅」。その名の通り、夕方から朝にかけて咲きます。
…個人的には、ニッコウキスゲよりもユウスゲの方が好きだったりします。ニッコウキスゲよりも背が高く、花の線は細く、色使いもレモンイエローと優しく、どこか女性的なものを感じます。
また、ニッコウキスゲと違ってはっきりとした匂いがあるのが特徴です。
しかし…正直ビミョーな匂い……。花の時期は過ぎているので、来年ぜひご確認を。
このユウスゲ、高山植物園内にもみられますが、それよりも山麓のエスカルプラザまわりに多く花を咲かせます。
そしてその種が採りどきでもありました。
果実から黒い種が覗いて見えるものを集めたところ、どんぶり一杯ぶんくらいになりました。
これを自宅でテレビを流しながら、落花生のカラを剥くように延々と種を取りだします。
ところで、気になったのは一つの果実(一つの花)には種がいくつ入っているのか?
健全な果実を10個選んで種の数を数えました。
22、23、28、24、13、28、29、34、17、15、合わせて233個。
果実一個あたりに23.3個の種が入っていました。
一つの茎に花が複数つくもので、例えば一株に5個花が咲き、上手く種が実り育てば、一本のユウスゲから100本のユウスゲが育つのか!
しかし、アブラムシにかかったものは種が一個、0個のものもあるので、世の中上手くはいきません。
米のように研ぎ、米用の計量カップで計ったところ、今回1.5合の種が取れました。
このまま炊飯器で炊いてしまいたい誘惑にかられますが…、なんとかこらえて大事に育てるとしましょう。
ちなみに熟していない種がまだ敷地内にたくさんあります。
これらを全てうまく育てれば…、素晴らしい花畑が出来ることでしょう!
ただし、ニッコウキスゲのように自生で群落を作るような種類ではないので、自然に見せつつ、上手く魅せられるような植え方をしたいものです。