標高1500mの園内は雪に包まれています。まだ雪の量はスキーには足りないものの、湿った雪が10cmくらいつもっているところです。
山麓にある育苗施設では、植物の移植や整理などを進めています。写真は園内から間引きしたニッコウキスゲですが、葉は枯れてしまっているものの、奥には来年度の新芽が形成されていて、植物の強さを感じられるようです。
ポットで育てている苗も紅葉していたり、冬が来ることを予感します。
一方で、健全な緑色をしているものもあり、植物によるその違いを見るのも面白いものです。
こちらは種から育てているヒマラヤの青いケシですが、無事に冬越しして来年か再来年に花を咲かせてくれるかどうか不安もありつつ、やはり期待のが大きく、楽しみでもあります。
天気を見ながら、採集していた種子の整理、精製も行ったりします。
種の入ったサヤからどのように効果的に種を取り出すか。
ハサミでサヤを切り分ける、丁寧に手で剥いていく、サヤごとつぶしたあとフルイにかける、方法は様々です。
100円のザルや茶漉しを、種の形や大きさに応じてどう使えば効果的か、フルイの中に残すか、フルイから落としていくのか、それらを種類に応じて考えて変える様はパズルのようでもあります。
余計なものを取り除いた種を種類ごとに袋にわけ保管します。
先ほど、精製過程がパズルのようだ、と言いましたが、実は条件が難しいのはこれからでもあります。
すぐに播くべきか、春に播くべきか、どんな土に播くべきか、乾燥で保存するか、湿潤で保存するか、途中で切り替えるのか、種のカラを割ってから播くのか、薬品を使用するべきか、など発芽に適した組み合わせは無数にあるようです。
もっとも、種子ひとつひとつの生命力も違い、採取時期なども含めて同じ条件で試すのも難しいもので、本を見つつ、人に聞きつつ、試行錯誤しつつ、正解に近いだろう方法を種類ごとに探していくことになります。面白いものです。
ゲレンデ周辺で育てているカブトムシの状況を見てみました。
オガクズを積み重ねて置いておいただけですが、どこからかやってきたカブトムシが卵を産んでくれていたようで、大きく育った幼虫が出てきました。このまま放って様子を見るか、一部を建物内に持って来て育てるか、色々な方法があります。
来週、11月20日からは冬のスキー場営業が開始します(雪が降っていなくてもテレキャビンは営業します)。
植物園やカブトムシ、冬の営業を始める前の、夏の仕事を終える準備がまだまだ続きそうです。