緑の調律日誌

冬と春を分けて

2011/04/04

4月になりました!

しかし、白馬五竜高山植物園の冬の姿、白馬五竜スキー場は営業中です。

ライブカメラ映像より http://livecam.vill.hakuba.nagano.jp/livecam/?id=4&Y=2011&M=4&D=4&H=10&I=45

4月4日現在、積雪255?。春の営業は5月8日までやっています!

 

冬が終わり、最初に咲く植物は何でしょうか?

都会ではサクラや菜の花など思いつくかもしれません。

ところで、長野県には春に咲き、夏には姿を消す、「春だけの植物」が多くみられます。

カタクリやフクジュソウなどが有名ですが、セツブンソウという花をご存知でしょうか?

漢字で書くと「節分草」。

節分のころに咲くという意味ですが、長野県では3月頃から見られます。

白馬に自生は無いようですが、県内のあちこちに有名な自生地が知られています。

春植物の中でも、最も早く咲き、まだまだ雪が降る時に咲くので、時には雪に埋もれてしまいます。

雪に埋もれても咲く姿。力強さを感じさせてくれます。

このように春に咲く植物の利点は、他の植物が育つ前に受粉を行ったり、光合成が出来るところにあります。

花の少ない春先には、昆虫にとって貴重な蜜源であるため、数多くの昆虫が飛んできたり、

周りの木々が葉を伸ばす前に、十分に光を浴びることができるわけです。

そして、5月頃になると花も葉も姿を消してしまいます。

あとは地下の球根で夏、秋、冬を過ごし、次の春を待つのみ。

春の短い期間に生存の全てをかけているわけですね。

節分草、

「季節を分ける草」と解釈すれば、実に素敵な名前だと思います。

冬の終わり、春の始まりの花というわけです。

♪ 冬と春を分けて セツブンソウ

 

白馬五竜高山植物園の営業は6月16日からになります。

開園はまだ先ですが、長野県内、白馬周辺での花のことなど、折を見て載せていこうと思います。

今年度もどうぞよろしくお願いいたします!

2011年度4月 坪井勇人