コマクサの群生を見るのに良い場所は?
と、信大でコマクサを研究している研究室に尋ねた山のひとつ、燕岳。
登山口は安曇野の奥、中房温泉から。
山小屋泊で楽しんだり、日帰り山頂往復が一般的な、登山としては中級くらいの山のようで。
今回、山の全容(いやいや、ほんの一部か!)を見るべく、山頂を含めてぐるっと一周するコースを日帰りで行ってみました。
登山口から後半も過ぎたころにある合戦小屋。
索道会社にいるせいか、荷揚げ用ケーブルなどをじっくりと観察してしまう。
この小屋の名物は冷えたスイカ。毎日何個あげるのでしょうね。
写真奥に見えるのが燕山荘。
登山開始から3時間ほどで稜線へ出ました。
コースタイムでも4時間ほどで燕山荘へ到着するので、コマクサ見学登山入門には良いのかもしれません!
花崗岩で出来た山容は特徴的で、崩れやすい箇所があちこちにあります。
急すぎてハイマツなどが生育できない砂礫地には次々にコマクサがみられます。
花の「見ごろ」としては過ぎているのでしょうが、それでもまだ花も多いものでした。
もう、一面にコマクサだらけですね。
どこまでもコマクサが広がっているような。
植物の生育するのに適した環境とは何か、あらゆる方面から考えさせてくれます。
足元の土をすくってみました。
高山植物の培養土としてそのまま売っているよな砂礫。
こんな土で生育できる植物は非常に限られるわけですね。
今までの写真とは別の場所ですが、コマクサとチングルマが同居している場所もありました。この環境でこの組み合わせはなかなか無いような・・・。
コマクサ以外にも多くの植物をみかけることが出来ました。
チングルマの群生、雪解けが遅いのかまだまだ花も多いものでした。
ハクサンイチゲ、わずかながら咲いていました。
ヨツバシオガマ、まだ咲いていました。群生がすごく綺麗な花です!
ムカゴトラノオ、花が咲いたあとに「むかご」が出来てくるのですが、
もう、その場で発芽しているものも多くありました!
ミヤマリンドウ、他の草に埋もれるようにみつかります。こういうリンドウは高山に来ないとみられないですね!
ミヤマトリカブトも次々に咲いてきていました。
サラシナショウマ、これだけ咲いてくると夏も終わりですね・・・。
今回興味深かったのが、この道。何がかというと・・・、
左を見ればタカネシュロソウだらけ(茶色い穂に花がたくさん)。
右を見ればバイケイソウだらけ(コバケイソウではなく、バイケイソウです)。
今回の登山ルートは、中房温泉から燕山荘、燕岳と行き、そのまま北上し中房温泉まで戻ってくるルート。
行った人の話や、各ブログなどを見ると、燕岳まで行ったら、同ルートを引き返すのがよくあるルートのようです。
けれど、そのまま北へ行くと花も多くとても面白いルートでした。後半の写真は全てこのルートです。
その代わり誰ともすれ違わないくらい、人がいませんでした・・・。
戻るのに倍の時間がかかる上に道が悪いのもあるのですが。良く人が通る道はやはり歩きやすいものです。
その分ゆっくりと写真を撮ったり、今後の植物園はどういう見せ方をしようか、じっくりと考えられたような気がします。
最後のルートで特徴的だった吊り橋。
単管と足場板で作ってあります!
こういうの植物園にあったら、面白いかな・・・?