緑の調律日誌

日本植物園協会への参加

2013/06/07

『公益社団法人 日本植物園協会』

白馬五竜高山植物園は2013年より加盟しました。

長野県の植物園施設では唯一のものになります。

植物園には、保全、啓蒙を中心とした様々な役割があります。

植物園同士の状況報告、共同研究の検討、種苗交換、様々な目的のもと、一丸となり高みを目指す学会組織が、この植物園協会です。

2013年5月30日から3日間開催された、植物園協会の総会に参加してきました。

今回の開催場所は、つくば市の国立科学博物館筑波実験植物園の研究施設。

各植物園の園長や現場の長などが中心に参加されています。

植物の保護事業などについて、具体的な話を中心に会合を行いました。

今までの経緯の報告、そして今後の検討事項など、実践的な取り組みについてこの場で意見を集めるものでした。

初日の夜は懇親会。

座しての講演や報告では語りきれない現場の話が多く話し合われ、具体的な実現に向けての足がかりとなる。

お酒片手の場ですが、こういう場でこそ価値ある話が生まれるものでしょう!

今回、この場で多くの方と知り合い、様々な状況を伺い、また白馬五竜高山植物園目指すもの(具体的には、全国的も珍しい寒冷地の気候を活かした高山植物の栽培)をより実感したものでした。

二日目は各植物園の報告や取り組みを中心とした発表会。

例えば、野菜を植物として展示することの意味や来園者の反応などの報告であったり、

園内の自然林の遷移(植物群落の移り変わり)を数年の研究と共に報告したり、

地域と一体となった友の会の活動報告やその意義の確認であったり、

多岐に渡るものでした。

学生の頃に参加した学会は、どちらかと言えば研究を一方的に発信するものが強いイメージでしたが(勿論それは基本であり極めて重要なもの)

この場は、現役の植物園関係者を中心とした、研究そのものよりも「実践的な活動を目指す」ことを目的としたように感じたことが印象的でした。

今回、初参加した白馬五竜高山植物園のことを知ってもらうべく、ポスターも作成し、展示したものです。

多くの県には、「○○県立植物園」があり、様々な研究や種の保全などを行っていますが、長野県は公立の県を代表する植物園が無いものです。

それは、推測も含めて言えば、

・植物を十分に見られる山岳自生地を多く有すること、

・保護事業や研究を行う県立の組織はしっかりしていること、などでしょうか。

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白馬五竜高山植物園は民間企業です。

当然ながら、来園者の増加=売り上げ増加 を見込まねばなりません。

それは、例えば

・珍しい植物を咲かす

・目新しいイベントを組む

・植物園の知名度を上げる

など、様々です。

これらの目的の達成と日本の植物園の発展を共に行っていければ。

そのような意図が、会社の方針として植物園協会への加盟に繋がったものです。

上写真は、先日に咲いたMeconopsis属の野生種。

青いケシの仲間の一種ですが、涼しい気候でないと育たないものです。

暖地の植物園では栽培が極めて難しいものですが、このような植物を育てられる植物園としての確立を目指したいものです。

まだまだ発展途上の植物園ですが、民間スキー場ながら出来ることを模索していきたいものです。