2022年9月25日(日)、26日(月)の日程で、
絶滅危惧種の保全 成果報告会 開催しました!
白馬五竜高山植物園の近年の取り組みを知っていただく講演会&見学会イベントでした。
絶滅危惧種をテーマとしつつ、
植物園による域外保全(栽培の事例)、現地の調査
ライチョウや高山蝶の食草の栽培などについても紹介させていただきました!
まず最初は私、白馬五竜高山植物園の坪井からの話とさせていただきました。
今回は主に「域外保全」がテーマです。もちろん「域内保全」も大切ですが。
白馬岳周辺での調査報告が主となる内容でした。
報告をする分、今まで注目されていなかった植物が知れることにもなりますので、この点は特に大切かなと思っています。
※ブログ記事最後の方に、講演スライドの主だったスライドを掲載しています。
会場には、絶滅危惧種の栽培苗、植物標本なども展示させていただきました!
百聞は一見にしかず。やはり実物を見ていただくのが良いのです!
(更なる実物は、午後の植物園見学会で見ていただきました)
左は、種子から育てた植物の標本。
右は、この夏採取したばかりの植物標本。国立科学博物館に送付前の貴重な標本でした。
今回は講演に先立ち、環境省信越自然環境事務所の酒向所長にご挨拶をいただきました。
丸山白馬村長にも、講演後にご挨拶をいただきました。
白馬における先進的な取り組みを広く知っていただきたいところです!
村井良徳氏(国立科学博物館 筑波実験植物園)による講演です。
全国的な調査の話題や、植物園として取り組む事例の紹介をいただきました。
尾関雅章氏(長野県環境保全研究所)による講演です。
長野県内の事例を中心に、県内、白馬の自然を再認識する内容を説明していただきました。
信州大学名誉教授であり、白馬五竜高山植物園の顧問でもある、土田勝義氏による講演です。
白馬五竜高山植物園との関わりや進展、過去から今まで行われている白馬の調査事例などについて説明していただきました。
東アジア野生植物研究会を主宰し、白馬五竜高山植物園の顧問でもある森和男氏。
講演や、講演の前後には数多くの貴重な書籍を紹介いただきました。
森氏所蔵の書籍のごく一部ですが、どれをとっても非常に価値のある事実が書かれています。
植物園見学会の前にも、書籍から見える先人の事例や、森氏の取り組む石川県の白山高山植物園の実情なども紹介していただきました。
植物園見学会はビジターセンター集合にて、まずはパネルで白馬五竜のことを知っていただきます。
そしてすぐ外にある絶滅危惧種の域外保全コーナーでの事例紹介です。
屋外に展示植栽する際の苦労、経験談など紹介させていただきました。
ストックで指す岩のあたり・・・白馬三山の形を模したのがわかりますでしょうか・・・!?
こちらは、高山蝶タカネヒカゲの幼虫の飼育の様子です。
指の先には・・・
まだ、これだけ小さい幼虫がいます。
食草の栽培と、越冬試験と、高山に近い植物園の環境で実施しています。
今年度からの取り組みなので、次年度以降も無事に育つことを祈るばかりです。
植物園の自然を再現したエリアについて紹介させていただいたり・・・
コマクサの管理手法など、植物管理の裏側についても紹介させていただきました。
今回は、平日、休日との2回にわけた開催を試してみました。
それぞれで30人ほどの方が来て下さり、白馬五竜の現状を説明させていただく大変良い機会になりました。
「成果報告会」と題した講演会イベントは、今後も継続していきます。
続けていくことで植物に関わる、興味のある方たちの交流の場ともなれば・・・と思っています!
今後も白馬五竜の取り組みについて、ご注目くださいませ!
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下記に、白馬五竜高山植物園の坪井によるスライドの大半を掲載します。
スライドだけでは伝わりきらない内容ですが・・・雰囲気だけでも感じていただけたら幸いです。