緑の調律日誌

開花情報

春植物の時期

2012/03/26

2月の終わりの記事で紹介した、白馬の隣の美麻のフクジュソウ。

3月21日、訪れてみると、見事に咲いていました!

向こうの斜面は日当たりが違うのか、雪が一面に積もっています。

森の奥まで咲いているようです。

雪解けと共に咲いたフクジュソウ、春の終わりに種が出来たら、夏には葉は枯れてしまい、森の中や草むらの中で次の春を待ちます。

斜面が黄色く染まるこの時期ならではの景色。

春の訪れを感じますね。

 

旧美麻村は、麻栽培の歴史も深いようですが、

外灯デザインも麻!さすが。

青いケシ、咲きました!

2012/03/12

前回、予告のあったヒマラヤの青いケシのつぼみ。

咲きました!

白馬五竜発、タネから育てた青いケシ、第一号!

色があんまり青くない?

生育温度が高いと綺麗な青が出ない、という噂を聞いたことがありますが・・・

なんか背が低い?

確かに低い。室内で無理した結果、なのかな・・・?

逆光で撮ると、また雰囲気がいい!

背が低い割に、ヨコ撮影でも構図が決めにくい。

それにしても雪の上に黄色いおしべが鮮やかです。

やはり、こうしてみると背丈が小さい!

けれど、むしろかわいい。アンバランスさがいい。

意図してこの大きさで咲かせられれば、それはそれですごいけれど。

特別な温室でなく、温度管理も無く育てた割に、茎は力強くしっかりと。

下には別のつぼみも見えます。

これがどう咲くかも楽しみです。

 

青いケシの栽培に関しては、まだわからぬことだらけ。

けれど、一つのことがわかったのも確か。

今後も理解を深めていきたいものです。

次回予告

2012/03/07

室内で育てている青いケシ。新芽が伸びてきています。

あれ、右下のやつは・・・?

つぼみですね、これ。

普通、もっと茎がするする伸びてからつぼみがつくものですが。

室内で育てている無理も影響しているものか・・・?

しかし今回の株は、前回紹介した黄色い花のメコノプシス・カンブリカとは違った、

「青い」ケシの一種、メコノプシス・ベトニキフォリアです。

花が咲けば、私自身、種から育てた青いケシの最初の開花となるわけで。

これからが楽しみなものです!

2月のフクジュソウ

2012/03/05

旧美麻村、現在は大町市。白馬のすぐ隣。

2012年2月28日のよく晴れた日。

ここを通りがかった際に、車を降りてみました。

早春に咲く花のひとつ、フクジュソウ。

この場所の斜面では、数多くみられるものですが、もしかすると、つぼみくらいは見つけられるだろうか?と。

同行していた大学の後輩と探し始めます。

そして探す間もなく、

お、あった!

つぼみどころではなく、花が咲いていました!

さすがに数は少ないものの、ちらほら咲いているのがわかります。

よくよく見ると、つぼみが地面に埋もれているのも見つかります。

闇雲に歩き回るのは、つぼみを踏んでしまいそうで危険。

しかし、2月のうちに白馬に近いこのエリアで、フクジュソウの開花がみられるとは思わなかった。

予想外の春の訪れに気がつき、雪の季節の終わりが近づいているのを改めて感じます。

この場所も、もうすぐ一面にフクジュソウが咲くようになります。

その時までは、あともう少し。

最後まで咲く花

2011/11/06

営業の終わった高山植物園。

ゲレンデ準備と植物の健全な育成を兼ねて、余分な草は刈り取ったりします。

 

ところで、この時期まで咲いている花がありました。

タムラソウと、

マツムシソウ。

この2つが園内に残った最後の花の種類です。

とくにマツムシソウは今年は開花がよく、まだまだこれからも咲きそうな感じです。

来年も綺麗に咲いてくれますように。

今年もお疲れ様でした。

晩秋のキスゲ

2011/10/16

「ニッコウキスゲ」をご存知ですか?

7月の植物園、アルプス平自然遊歩道でたくさん花を咲かせる、黄色いユリです。

県内のいたるところで見られます。

開花の時期は、

意図的に白馬の山麓で育てると6月頃、

県内の自生地では主に7月。

残雪の多い場所では8月まで見られることも。

ところで、9月、10月に咲くニッコウキスゲの仲間をご存知ですか?

写真は、ハマカンゾウ。

名前の通り海辺に咲きます。

神奈川県への帰省時に、三浦半島にて種や幼苗を採集して鉢で咲かせたものです。

ニッコウキスゲよりいくらかオレンジ色を帯び、花びらにも薄く筋が入ります。

性質は頑強で葉や茎もニッコウキスゲよりも太くて丈夫。

そして特徴は秋、9月頃に咲くという遅い開花時期!

さらに、何と、植物園に植えてみた個体では今日も花が咲いていました!

写真は10月16日撮影。

寒さのせいか、ちょっと弱気な感じで。

しばらく鉢展示していたのですが、強風で倒れたため、若干弱り気味ですが。

まだつぼみが5個ほど見えます。これから、咲いてくれるかな?

 

ニッコウキスゲの花なんてあるわけない紅葉の時期。

えッ?ニッコウキスゲ!?と思わせてくれる花が咲いているのは面白いものです。

紅葉見ごろです!テレキャビン周辺のブナ

2011/10/14

秋も深まってきました。

今回の記事の写真は全て、本日10月14日に撮影のものです。

白馬の山麓から眺める白馬三山と八方尾根。

良い感じに紅葉が里まで降りてきているのが見えます。

こちらは五竜テレキャビンの周辺のふもとから。

左上の斜面の上がテレキャビン、植物園のあたりです。

テレキャビンに乗りながら眺めるブナが凄く良い感じに染まってきました!

上から下を眺めるとこんな感じです。

周りのブナが凄く良く色づいています。

この辺の紅葉は色づいたばかり、来週くらいまで持つでしょう!

・・・そんな中、空気読めよ君達、というくらいに緑みどりしている斜面があります。

どうも遠くから見るとハンノキの類の様子。

ここは沢沿いで小規模な雪崩も起きるのでしょうか。

おそらく長期間育っているブナとは違い、崩れやすい場所でハンノキだけが生育しているような。

だから他の斜面と違い小さい木が多く、今の時期に紅葉しない木で統一されている・・・。

そんな自然の面白さを感じさせてくれるようです。

前向きに考えれば、全部紅葉より、緑の場所がある方が際立ちます!

植物園内からもこんな感じ。

紅葉の散策場所を探している方は、ぜひお越しください!

最近の園内は

2011/09/25

台風が過ぎ去って連休は晴れが続いていました!

朝の営業前でも登山に行かれる方の車がこれだけ停まっています。

テレキャビンまわりのブナの紅葉はまだ先のようです。

白馬の田んぼが一望出来ますが、だいぶ稲刈りも進んできているようです。

晴れていても雲の流れが速く、山頂が見えるかは運次第のようです。

園内で綺麗に咲いているマツムシソウ。

咲いたら枯れる二年草であるため、管理をしないと花があまり咲かないときもありますが、間引きや肥料管理などが上手くいったのか、今年は今までで一番たくさん咲いている気がします!

シシウドの種の熟し具合が良い頃合だったので、園内で咲くことを想像しつつ種を振りまいて歩きます。

季節はずれのハクサンイチゲが咲いていました!

コマクサもまだ咲いていました!季節はずれというか、結構遅くに咲く個体もあるようです。

こちらは青いケシの葉。今年咲かなかったものでも、大きく成長しています。次の夏に咲くのを期待!

自然遊歩道ではリンドウの花がたくさん咲いています。

コウメバチソウもどんどん咲いて、今がピークでしょうか。

花だけではない、ナナカマドの赤い実。

紅葉が綺麗な木ですが、この時期の姿も見事です!

 

秋がどんどん深まる白馬五竜。

この3連休はたくさんのお客様のご来園、ありがとうございました。

来週ぐらいからは本格的な紅葉の時期も始まるでしょう。

またのお越しをお待ちしています!

いろいろみごろ、いつでもみごろ

2011/09/01

お客様によく聞かれる言葉、

『みごろはいつですか?』

この問いする答え、ALWAYSみごろです。

というのも、花の移り変わりは激しく、雪解けすぐに咲く花もあれば、7月、8月と移り変わります。

『今咲いている花は、今しか無いと思ってください、半月後にはガラリとかわりますよ』

ということで、今みごろの植物を紹介します。

アカモノが実ごろを迎えています。赤いからアカモノ、単純です。

シラタマノキも実ごろを迎えています。白い玉だから、シラタマノキ、単純です。つぶすとハッカの匂いがします!

ゴゼンタチバナも実ごろです。赤い実が目立ちます!

チングルマの実ごろも続いています。花の期間は短いのですが、タネは長くついてるものです。

クガイソウも実ごろです。華やかな花が、渋めな姿に。

ニッコウキスゲも実ごろです。

花の咲き方にタイムラグがあるので、熟し方もバラバラです。緑も実もあれば、割れている実もある。

これらのタネを採集して、たくさんニッコウキスゲを咲かせられるよう頑張ります。

ナナカマドも実ごろを迎えています!

紅葉が綺麗な樹木ですが、ところどころ色づいているような。

花も綺麗なもので、花の見ごろ、実ごろ、紅葉見ごろ、みどころが多い樹木です。

 

植物には色んな姿があり、それぞれの姿に「見」所があるものです。

新芽、つぼみ、花、実、枯れ、冬芽。

どれが、みごろと感じるかは見る人次第。

シャレのつもりで書いたタイトルが、いつの間にか哲学に・・・。

一歩違う視点で見れば、おもしろいものが見えてくるでしょう!

もう秋か、そんな頃の花

2011/08/31

植物園も、やっぱり秋らしくなってきました。

園内を覆い尽くすカライトソウはまだまだ見ごろです!

けれど、何となく色が褪せてきたものも増えてきたような・・・。

地蔵の頭から。五竜岳?唐松岳の山肌には、まだまだ雪が見えます!

タムラソウの花が最盛期です!キアゲハも良く蜜を吸いにきます。

ゲレンデ斜面を歩く道沿いにもたくさん咲いています。

オヤマボクチの花。つぼみの頃は緑色ですが、いつの間にか赤くなって、気が付けばそのまま種になっています。

ハクサンシャジンの花も見ごろです!

たくさん写真・・・撮ってね(笑

ゴマナ。人には『ヒメジョオン』を小さくしたような花、と説明しますが、よくよく見るとやっぱり綺麗です。

オオイタドリも花を咲かせています。この花が綺麗だという人は全然居ませんが・・・、

撮り方によっては綺麗に写るものです!個人的に大好き。

シモツケソウの花。ゲレンデ斜面の見ごろは終わっているのですが、

湿地の雪解けが遅い場所(写真左上)では、ようやく咲き始めたようです!

コウメバチソウの小さな花も足元にたくさん咲いています!

こういう何てことのない場所に多いのですが、スキー履いてリフトを降りた先の夏に、こんな花が多いと考えると素敵なものです!

イワショウブの花も見ごろです!この花の茎は、何故かこれでもかというくらいネバネバしています。

エゾリンドウの咲き始めました。もう秋ですね・・・。

ノコンギクも咲き始めました。野菊の仲間は秋に多いのですが、もう秋の入り口です。

植物園内にはコバギボウシが大量に群生しています。

野生でこれだけ群生する場所も少ないですが・・・、ちょっと肥料を撒き過ぎたのかも・・・。

エンビセンノウ。この花ほど、「RED」という色が似合う花も少ないのではないでしょうか。

スキーシーズン只中に室内でタネをまき、冬中自動販売機の横の窓際で育て、一年経たずに咲きました。園内にあちこち植栽したものが良いアクセントになっています。

 

今の時期は、夏の名残を惜しむように残っている花と、秋らしい花が咲き始めた季節。

紅葉のシーズン前の花々をぜひ、見に来てください!

 

コマクサの最盛期は7月中旬ですが、花期が意外と長いもので、8月30日時点でも写真のような鮮やかな個体もあります。探してみてください!