緑の調律日誌

園内の出来ごと

夏と秋のお花真っ盛り!

2024/08/30

こんにちは。白馬五竜高山植物園スタッフ、ひのきです!

 

まだ8月ですが、白馬五竜高山植物園はもう秋を感じられるようになってきてトンボが飛び回っています。

夏の花と秋の花の共演が見られるのは今!

 

今日はそんな高山植物たちの紹介をしたいと思います。

 

第1号は松虫草(マツムシソウ)

紫色の美しい花を咲かせる松虫草。園内でも秋の始まりを感じさせてくれています。この植物の名前の由来は、種子の形が囃子の松虫鉦に似ていることからきていると言われています。秋の風情を感じる一品です。

 

第2号はビッチュウフウロ

近くによって見て下さい。すごく繊細な花びらがとても綺麗です。また、葉っぱも不思議な形。ガーデンスタッフは花が咲いていなくても葉っぱで見分けることができると言っていました。

ビッチュウフウロですが、備中とは岡山県の旧国名で、岡山県で最初に発見されました。

もともと西日本に多いフウロソウで中国地方から長野県南部までは連続的に分布しているのですが、白馬村には飛地で分布しています。ビッチュウフウロは単に絶滅危惧種というだけでなく、白馬村に隔離的に分布している点で面白い分布の植物だと思います!

大切に育て観察して、いつまでも美しい花をみせてほしいものです。

第3号はヤマユリ

なんと大きな花なんでしょう!初めて見た時びっくりしました。そして香りのいいこと、幸せな気分になります。まだまだ咲いてます、ぜひ見にきてあげて下さい。

ここで五竜の学芸員さんが教えてくれた豆知識。

日本は実はユリの数が多い国なんです!カサブランカなどの有名なユリの品種は実は日本のヤマユリが元になって品種改良されたものなんです。幕末に日本が開国して欧米人が日本にやってきて日本の野生のユリの綺麗さに驚きました。戦前養蚕業が盛んになる前、日本の主な輸出産業はユリの球根だった時代もあったみたいです。

第4号は同じユリだけどイタズラっぽいコオニユリ

鮮やかなオレンジ色が目を惹きます。

なんとコオニユリは実生から4−5年立たないと開花しないのです。生き抜いてきた年月ゆえの美しさですね。

ガーデンも負けていません。目に飛び込んでくるのは、オトギリソウ。

もう一面黄色ってくらい咲いています。

小さい花がたくさんついていてよく見てみるととても可愛いです。可愛い花なのですが、名前の由来には少し怖いエピソードもあります。調べてみると面白いかもしれません。


 

ご紹介した花々以外にも、まだまだたくさんの植物が咲いています。もう少しすると紅葉も始まりますので、ぜひこの機会に植物園にお越しください。

最新の花情報は「週刊花便り」でチェックしてくださいね💐

最高の三段紅葉!(本日で営業終了ですが)

2023/10/22

今日は最高の好天!そして三段紅葉!

2023年10月22日の様子をお伝えします。

※本日で、白馬五竜高山植物園、紅葉ゴンドラとしての営業は終了です。
来年のお越しをお待ちしております!

今日はこんな景色でした!

前日の雪がうっすら積もりつつ、紅葉は残り、気軽に歩ける感じながら、
最高の青空に冠雪した北アルプスが姿を見せてくれました!

ゴンドラ周りは紅葉がピーク!

紅葉始まりは遅い年でしたが、最近は例年並みに追いついてきました!

ゴンドラを降りると、絶景です!

来園者の皆様から「おー!!」という歓声が溢れていました!

ゴンドラ屋上の大展望台。

ここから眺めるだけでも充分な景色です!

ちょうど、うちの関係者のご夫婦が来られていたので撮らせていただきました!

地元に住んでいても「今日は来よう!!」となる条件だったのです!

植物園を歩いていると、最後に咲いたコマクサが雪に埋もれていました。

来年もキレイに咲いてくれることでしょう!

足元には真っ赤なモミジが雪に埋もれていました!

地蔵の頭に到着!

ゴンドラを降りて歩いて30分くらいで到着します。

程よい運動で、ここまで来ると最高の眺めが待っています!

紅葉が最後の彩りを見せつつ、背後には五竜岳がしっかりと聳え立ちます!

アップで撮ってみても、絵になる見事な三段紅葉でした!

ケルンに居ると、パラグライダーの大群が!

今日はパラグライダー大会。総勢80基以上の参加でした!

空から眺める北アルプスの三段紅葉、最高でしょうね!

近くまで来ることも!

見ていて楽しい光景でした!

次第に向こうの方まで移動していきました。

最高の景色の中、見ていて飽きない光景でした!

植物園の方に戻ると、多くのお客様が来られていました!

今年に新しく造成した休憩ベンチたちも大活躍でした!

朝には積もっていた雪も、だいぶ溶けてきました。

ハイキング的な散策、広場の散歩、テラスでゆっくり、

様々な選択肢のもと、多くの方が楽しまれていました!

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2023年の夏営業は、本日10月22日を以って終了いたしました。

また来年のお越しをお待ちしております!!

全体が紅葉見ごろです!

2023/10/12

紅葉がすっかり見ごろ!2023年10月11日、12日の様子をお伝えします!

地蔵ケルン近くからの五竜岳。

紅葉が遅い年でしたが、斜面のブナやダケカンバなどの木々が色づきました!

アルプス平自然遊歩道の湿原あたりも色づいています!

こういった真っ赤な葉にもカメラを向けて見たくなります!

地蔵の沼も良いアクセントで迎えてくれます!

この日出会った、大阪から来られたお客様。
植物園には何度も来ているものの、地蔵ケルンや地蔵の沼は初めてだったとのこと。
写真を撮りながら楽しくご案内させていただきました。
紅葉の季節、アルプス平自然遊歩道は変化に富んで面白いですね!

さて、10月12日は朝から雲海になりました!

ゴンドラに乗りながらの紅葉もだいぶ色づいてきました!

石畳の湿原あたりも紅葉がすっかり進みました!

見返り坂から、地蔵ケルンと白馬村を一望できます!

秋の色、真っ盛りですね!

植物園のある標高もすっかり色づきました。

この季節は、地蔵ケルン、小遠見山と、トレッキングしながらの紅葉が大変良い季節ですね!

10月22日の営業終了まで、紅葉をお楽しみにどうぞ!!

FM長野、紅葉トレッキングでした!

2023/10/08

寒くなる日が増え、紅葉も進みました!

2023年10月7日、FM長野の小遠見山までのトレッキングイベントがありました!

今回見られた景色です!

前日に降った雪があり、見事に三段紅葉の景色に出会えました!

約70名の参加!エスカルプラザで集合し、班分けをしての行動です。

今回も、もちろん大人気パーソナリティの伊織智佳子さんが同行します!

むしろ、伊織さんが来られるから参加された方がほとんどかと思います!

今日は天気が良さそう!気合が入ります!

まずはゴンドラへ。高低差700mを稼ぎます!

ゴンドラ車中からの紅葉は、もう少し後ですね。

植物園の広場、既に景色は最高です!

次々と班が集まって行き、準備運動、トイレを済ませて出発です!

背後には冠雪の北アルプス!なかなか贅沢な景色です!

各班の個性的なガイドのもと、植物園の見どころなど会話が弾みます!

地蔵ケルン手前のウッドデッキ。やっぱり良い眺めです!

ベンチでくつろぐ伊織さん。ここで景色を眺めるだけでも、ほんと充分なくらいです!

さて、ここから本格的にトレッキングが始まります!気合を入れ直しましょう!

紅葉も、このあたりの標高も見頃の木が増えてきました!

地蔵の頭からは360度の景色が広がります!記念撮影定番スポットですね!

休憩ポイントでは、伊織さんが待ち構えていて、一緒に記念写真が撮れる・・・!

そこも今回のトレッキングの楽しみなのです!

さらに別の班もやってきました。最高の定番スポットで撮影します!

この班でラスト。私と伊織さんは、今度は一番最初の班に追いつくように山を登ります。

小遠見山トレッキングコース沿いは、すっかり紅葉が見頃!

左のポコッとした部分が小遠見山山頂。

先を行くチームが紅葉の中を歩いている様子が良く見えます!

右側を振り向くと紅葉と雪の北アルプスが良い感じでした!

昨日までの雪は標高1900mほどまで降っていたようです。

日陰にはわずかに雪が残っていました!

先頭から2番目の班に追いつきました!

眺めの良い尾根沿いの場所。山頂までもうすぐです!

尾根沿いから山側を見ると、なかなかの絶景です。

ダケカンバの木々と、薄く雪を纏った北アルプスの山肌が印象的ですね。

ようやく小遠見山に到着しました!!

山頂部分では紅葉、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳が良く見えました!

そして、山頂では到着したばかりの先頭班に追いつきました!

最高の山頂の景色ですね!

向こう側に見える逆三角形の雪渓は、氷河カクネ里。

氷河の特徴など、ガイドの説明がありました!

ある意味、新雪が降らない方が氷河自体は良く見えたのです。

望遠レンズで撮ってみると、岩肌のうっすら雪を被っています。

あの下には、しっかりした氷の塊、氷体があり、それがゆっくり動いているのですね。

だんだんと後続の班が追いついてきて、複数班で写真を撮ってみました!

下山途中の五竜岳。

山頂は見えませんでしたが、それでも絶景でした!

それにしても、見事な紅葉のルートでした!

すっかり山を下りてきて、アルプス平自然遊歩道。

地蔵の沼の色が印象的ですね!

植物園に戻ってきました!

新しく作った休憩場所で景色を見ている方も多かったですね!

植物園では、チングルマの紅葉も見頃でした!

まだ咲いているコマクサを見つけた伊織さん!

そんなコマクサを参加者の方たちとも楽しみました!最盛期の7月もどうぞ!

エスカルプラザのレストランに戻ると、昼食が準備されていました!

昼食後は、お楽しみ抽選会!司会進行はもちろん伊織さん。

場の盛り上げ方も、生でラジオを楽しく聴いている気になります!

抽選券はガイドのメンバーで引かせていただきました!責任重大です!

プレゼントごとの伊織さんコメント。ラジオでは味わえない臨場感があります!

プレゼントのひとつ、「五竜ペールエール」。

社員によるアピールを!そして、抽選に外れてしまっても売店にあります!!

↓ 五竜ペールエールの紹介です!

https://www.hakubaescal.com/shokubutsuen/info/2023/4306

今後のイベントや楽しみ方なども、五竜側からの説明がありました。

四季を通じて白馬五竜でお楽しみくださいませ!

皆様、今回のご参加ありがとうございました!!

 

絶滅危惧種の保全、講演イベントでした!

2023/09/23

2023年9月23日、白馬五竜高山植物園が取り組む、絶滅危惧種の保全についての講演会イベントを開催しました!

昨年も同様の報告会を開催しましたが、

今年なりの話題も追加しての開催です!

会場は、エスカルプラザの人通りがある場所を設定しました。

植物園に向かう人が通りすがりにフラッと立ち寄れる位置取りです!

「持ち帰りできる資料の配布があれば」・・・と、昨年のアンケートでもいただきました。

しかし・・・紙の資料を作成するのは、まとめと印刷の手間もありまして・・・

スライドの大半を印刷して掲示してみることとしました。

 

早めに会場に来られた方が、先んじて目を通されていたり、

「個人的な写真撮影どうぞ」と明記しているので、閉会後にスマホで撮影される方も多くいらっしゃいました。

私自身、講演会などではスライド画面を良く写真に撮るので、こうして貼っておけば、お互い有意義というものです!

午前10時、講演会開始です!

小規模な講演会なので、20人来ていただけるかな・・・と思っていたのですが、

40人以上来ていただけました!嬉しいですね!

また、通り道とも言える空間で公開講演していたので、通りすがりの方も足を止め、ちょっと見て行く方も多かったです!

今回の講演の目次です。内容が多岐に渡ります!

ゲスト講演も含めて、時間は2時間です!

ゲスト講演者、石原裕美さん。白馬山案内人、長野県ライチョウサポーターズエース。

中央アルプスで、ライチョウ活動をされる石原さん。
(活動を見学させていただいた時に、カッコ良く撮らせていただきました!)

活動の体験談、苦労話など、当時者にしかわからない話題をたくさんいただきました!

ゲスト講演者、腰塚祐介さん。足立区生物園の陸生昆虫班長として、フサヒゲルリカミキリの保護増殖事業としての飼育を担当されています。

飼育方法、日々の管理、食草キープの苦労など、具体的な体験談をいただきました!

午後は、植物園の見学会。

ビジターセンターに設置した展示を説明しつつ、鉢で育てる高山植物、飼育しているタカネヒカゲ幼虫などを実際に見ていただきました!

植物園では、通常のガイドというよりも、

どういった環境や用土で育てているか、その工夫や苦労は何か、

実際に見ていただきながら説明させていただきました。

天気は肌寒く、小雨混じりでした。

それでも、皆様興味深く聞いていただきました!

非常に熱心な方たちと、ご一緒させていただき、有意義な時間になったと思います!

皆様、今回のご参加、ありがとうございました!

今後も活動を継続し、深めていきたいと思っています!

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下記、講演スライドの一部です。

解説ありきのスライドではありますが、雰囲気だけでも感じてみてください!!

遊歩道整備のボランティア作業でした!(グリーンアカデミークラブ)

2023/07/18

7月14日、グリーンアカデミークラブさん約40名による整備作業が行われました!

 

リフト終点に集結した精鋭の皆様!!

皆様、普段は新宿御苑の管理ボランティアなどをされていて、植物園の管理作業には手慣れた方たちです!

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グリーンアカデミークラブは、東京農業大学グリーンアカデミー本科を修了した「元気なシニア」で構成するボランティア団体です。

新宿御苑だけでなく、国立公園や過疎地域での環境保全・整備活動にも積極的に協力しています。

(下記ホームページより抜粋)

https://gachp.sakura.ne.jp/gachp/index.shtml

さて、自然遊歩道も木道の周辺にササが迫ってしまっているのですが・・・

歩きやすく、ササを刈ります!

「ナナカマドなど紅葉がキレイな木、ツツジなど花がキレイな木などは残してください・・・!」

という、【難度高めの要望】にも応えていただける、手慣れた方たちです!!

スッキリしました!!

皆様、想定よりも作業が早いので、違う場所の整備も行っていただきました!!

別働部隊では、ニッコウキスゲ群生地のそばのササ刈りもしつつ・・・

早く終わった作業班では、ロックガーデン周辺のササ刈りも行いました! ↓

見事スッキリしました!

残す木をマーキングしつつ、最高の仕上がりでした!!

北アルプスが見える曇り空。

最高の作業をありがとうございました!

ボランティアの晩は、地元の宿に泊まっていただき、

次の日は植物園をご案内させていただきました。

 

植物園の整備が捗りつつ、

地域にも還元していただき、

植物に興味を持った方が白馬五竜を知り、勧めていただける・・・

素晴らしい活動となりました!

グリーンアカデミークラブの皆様、ありがとうございました!!!

 

スゲ属植物の研究会が開催されました!

2023/07/10

2023年7月8、9日、「すげの会」第32回全国大会が、白馬五竜高山植物園で開催されました!

すげの・・・ではなく、「スゲ」という植物を研究する会です。

スゲって何?という方も多いかもしれませんが、写真のような植物です。

(シロウマスゲ・白馬岳にて撮影)

何となく見ているけれど、注目したことある方は少ないかもしれません。

目立つ花を咲かせるわけではなく、どれも似ていて、分類が困難と言われます。

困難だからこそ、勉強したい、調べたい、知りたい!

そんな方たちが集まられているようです!

初日は研究発表会。

遠方から来られる方もいる全国大会なので、午後からの開催です。

白馬五竜高山植物園で生息域外保全をしている「センジョウスゲ」を展示しました。

非常に稀少な植物で、植物園で一般公開には至っていない栽培中のものです。

探してもまず見られない・・・そんな植物なのです。

全国のスゲ研究者、愛好家の方でも初見の方が多く、大人気でした!

やっぱり自然光の方が良さそう・・・ということで、窓側に置いてみたりもします!

栽培中のセンジョウスゲの花。ちょっとアートな感じに撮影。

栽培中のセンジョウスゲの花のアップ。

栽培中のセンジョウスゲの果実。

深い山中の植物ですが、栽培しつつ手元に置くことで、その変化の撮影、記録が容易になるのです。

すげの会、会長の星野氏によるご挨拶。

会員数約300名の会です!

「すげの会」ホームページもどうぞ!

https://sugenokai-jp.chu.jp/about-sugenokai/16/

皆様が集まったところで、研究発表会です!

高橋氏による分類研究。

種を特定するのに細かい形や、DNA分析も併用するのです!

矢野氏による、スゲ属の絶滅危惧種の保全の話題でした!

高島氏による、タイの植物の写真や観察事例の紹介でした!

研究発表会が終わるガヤガヤする時間。

コロナ以来4年ぶりの全国大会だったようですが、情報交換、近況報告など、やっぱりこういう時間は大切ですね。

宿泊は、植物園そばの宿へ。

そして夕食のあと、さっそく「標本同定会」が始まります!

種の特定が困難なものを持ち込み、諸先輩方が分類のアドバイスをしてくださるようです。

会長の星野氏(左)、副会長の勝山氏(右)。熱心に意見されていました。

スゲを肴に、熱い意見交換が・・・!

全国トップクラスの、スゲの方たちが白馬に集まった夜でした!

2日目はフィールド観察会。

白馬五竜高山植物園、アルプス平自然遊歩道の自生植物の観察です。

ビジターセンターで開催中の牧野博士の展示ですが、
主にした解説は「一般の方に、植物標本というものを説明したりします」というくらい。

今回来られている方は、どうみても「一般の方」では無いので、色々と既にご存知です!

植物園の絶滅危惧種コーナーでの解説。

経緯や意義などを解説しつつ、スゲの話題では勝山氏にバトンタッチです!

最初は雨でしたが、カサも要らないくらいの天気に。

リフトに乗って、アルプス平自然遊歩道の蛇紋岩地帯に向かいます!

年齢にバラツキがある集まりですが、フィールドワークに慣れた方たちばかりなので、足取りは軽いです!

後ろのメンバーの足取りが遅い・・・と思ったら、さっそくスゲを観察されています。

博士といえど、ルーペを持ってじっくり見る必要がある。

それがスゲです・・・!

どんな植物が現れたか、記録していきます。

スゲの会が、このエリアに足を踏み入れたことは初めてなので、大切な記録です!

普段、案内することの無いようなリフトの終点部分。

今までと違った環境だと、また違う植物が出るものです。

ぬかるみの中、熱心に観察されていました。

見ているのは右の斜面の細長い垂れ下がったスゲです。

「一般の人」が止まることの無い場所で、みなさま足を止めるのです・・・!

植物園の植物は興味無いのかも・・・とも思いましたが、

そんなことは無く、満開のコマクサなど楽しんでいただきました!

白馬連峰高山植物生態園、白馬の自然を再現しています。

スゲも植栽していることは好評でしたが、もっと植えてもいいのかもしれません(笑)

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植物園としての栽培・展示としての生息域外保全。

白馬の標高1500mの気候は、寒冷地の植物栽培に適した場所です。

この気候を活かした植物の保全など、今後も進めていく方針です。

 

それらの活動が、植物園の意義を深めたり、

結果として「珍しい植物が見られる!」ということで、

植物園の発展、来園者増に繋がれば、と思っています。

 

今回は植物のスペシャリストの方たちに、白馬五竜高山植物園を知っていただく大変良い機会でした!

皆様、ありがとうございました!

 

ゆっくり歩く植物園 白馬村公民館「植物講座」でした!

2023/07/01

梅雨の中休み、北アルプスが見える良い天気!

6月29日は白馬村公民館「植物講座」でした!

昨年設置した記念写真の看板。皆様も撮影にご利用ください!

まずは、ビジターセンターに設置した牧野富太郎博士の展示を見ながらの説明です。

「日本植物学の父」とも呼ばれる牧野博士がどんなことをされたか・・・

長野県、白馬にも来られたこと、牧野博士ゆかりの植物などを話題にしました。

植物標本は、資料として重要性が高いのです。

新種の根拠となる最初の標本はタイプ標本といい重要であること、

ラベルをしっかりつけることで、押し花でなく「標本」となること、

皆様、熱心に聞いていただけました。

ヒマラヤの青いケシは見頃始まり。だいぶ数が増えてきました!

北アルプスを背景に美しく咲いています!

今の季節は、花のアップを撮るにもキレイな個体が多いですね!

今日の行程は、パネル説明を含めて10~12時。

リフトを使わずゆっくり歩き、戻ってくるコースとしました。

ブナ林の中に咲いていたショウキラン。見かける機会の少ない野生ランの仲間です。

皆様、交代で写真を撮られ、順番待ちの間には耳だけお借りして、ブナ林の植物の説明をさせていただきました。

植物園の最上部ではコマクサが既に見頃です!

コマクサの生態や、植物園としての管理など、興味深く聞いていただきました。

最後はアルプス平広場に戻っての振り返り。今日は公民館の「講座」なのです!

どのように植物園を作り上げて来たか、最近は絶滅危惧種の保全などにも取り組んでいること、

白馬エリアの中でも気軽に来られる場所であることなど、説明させていただきました。

 

今回の参加者約20名は、全員が白馬村の方たちです。

白馬五竜高山植物園は、植物園とはいいつつも、「観光地」としての性質も強く、県外からの方の方が多く来られます。

そういった中、植物に興味を持たれる方が今回の機会に来ていただけたのは嬉しいことです!

今年は「白馬村民価格」としてのテレキャビン乗車代もあり、白馬村の方にも頻繁に来ていただきたいですね!

 

参加者の皆様、またお越しくださいませ!

アウトドア専門校の実習ガイドでした!

2023/06/30

国際自然環境アウトドア専門学校(新潟県妙高市)の実習が、白馬五竜高山植物園で開催されました!

6月27日 山岳プロ学科
6月28日 自然ガイド・環境保全学科 自然環境保全学科

2日間、それぞれの学科に植物園というフィールドを活用して、

●高山植物の特性や生育環境
●自生地における現状・課題・対策
●生物多様性保全への植物園としての取り組み

こういったことを話題にさせていただきつつ、

●ガイドの際に気を付けていること、裏話な体験談

ガイドも目指す皆様に、自分なりの見解もお伝えいたしました。

午前中はスライド説明、午後はフィールド実習です!

実習担当は、坪井(植物園責任者)でした(写真右)。

写真は、高山植物の女王、コマクサ。最盛期を迎え出しました!

高山の厳しい環境に育つこと、

栽培下では2年で開花するものの、自生地ではもっとかかるだろう、そういったことを話題にしました。

ヒマラヤの青いケシ。こちらは見頃が始まりました!

気候が涼しい場所で無いと栽培が難しい植物であること、

観光客にはやはり大人気ではあること、

自生地の標高や気候のこと、

外国の高山植物であるが、侵略的外来種ではなく、植物園としてエリアを限定して栽培をしていること、

色々と話題にさせていただきました。

植物を知るには、五感で感じることも大切です!

クロユリの匂いを嗅いでいただきました!

実はクロユリは臭いのです。ハエを呼び寄せて受粉するのです。

ユリと名が付いていても、良い匂いがするユリ属とはまた違う仲間の植物なので、匂いも変わるのですね。

こちらは、高山植物イブキジャコウソウ。

ハーブとして知られるタイムと同じ仲間で、良い匂いがします!

植物園イベントとして、これをハーブティーで出してみることもありますが、
植物を育てている植物園だから出来るイベントなのです。

皆様、学びつつも、フィールドを楽しんでいるのも感じられました!

アルプス展望リフトのチケット売り場に飾ってあるのは・・・

モリアオガエルです!

カエル好きのリフトスタッフが展示してくれています!

周辺に生息しているのですが、見かけることは少ないので、ここで見るチャンスでした!

地蔵の沼では、ナナカマドの樹上に泡となっているモリアオガエルの卵が産み付けられていました。

天気予報は雨っぽい感じでしたが、大した雨に降られることもなく、北アルプスも見えることもある梅雨時にしては良い天気でした1

6月27日 山岳プロ学科の皆さん

1年生だそうで、白馬五竜での経験をひとつのきっかけに活かしていただきたいです!

6月28日 自然ガイド・環境保全学科&自然環境保全学科の皆さん

2年生、3年生の混合で、フィールドに慣れている様子が感じられました!

就職先やその後の行動に、今回の体験が活きると嬉しいですね!

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実習の最後に、感想をお訊ねしました!

「高山植物への興味や知識が無かったが、今回の実習で学び知ることが出来た」

「雪が積もる姿が想像できない。冬も来てみたい」

「普段は花があっても通り過ぎてしまう。匂いがすることなど小さい花の面白さがわかった」

「植えてから何年もかかること。達成感があると感じました」

「説明が良かったので、今まで以上に高山植物の興味を持つことが出来た」

「花の話を通して、山に登って植物を見る認識が変わった」

「植物の名前を覚えるのが難しいと感じたが、1つでも2つでも楽しく覚えていきたい」

「今まで意識したことが無かったことが多かった。知ることが出来ると嬉しい」

「登山の新しい楽しみがわかった」

「自然保護をしている植物園で、名前や知識を増やすことが出来た」

「足が悪いのですが、ゆっくり登って見ることが出来た」

「今回は実習なので時間が少なかったが、ゆっくりじっくりと見てみたい」

「植物の勉強として、違う花の季節にも来てみたい」

「今日とは違う雰囲気の植物園も見てみたい」

「写真もじっくりと撮ってみたい」

「山に登れない人も楽しく花を見られる場所だと感じた」

「山に登るのですが、高山植物を見る機会は少なかった。今回はじっくりと見られた」

「植物を植えたり、展示する努力を感じた」

「高山植物を見たこと無かったが、これがそうだったんだと感じた」

「今日見た植物だけでなく、違う季節など、全制覇したいと思った」

 

私自身も、良い体験になりました!

さらに良い植物園となるよう、努めさせていただきます!

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国際自然環境アウトドア専門学校 i-nac ホームページ

https://www.i-nac.ac.jp/

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ゴンドラを降りてからも、チョウが沢山いました。

学生だけでなく、特に先生が熱心に撮影、観察されていました!!

私がガイドや講演の際につけている、コマクサのループタイ。

学生の方からお訊ねいただきましたが、ちょっとした演出のアイテムです。

こういうのは売っていないので手作りするのです! 材料は天然素材のアイボリー。

皆様、それぞれのスタイルを生み出してくださいませ!

 

青いケシ&コマクサ開花!そして安全祈願祭開催

2023/06/23

ヒマラヤの青いケシ、咲きました!

青いケシの見ごろは、6月下旬から7月中旬ごろ。

7月上旬が一番キレイかな、と思います!

※本記事の写真は全て、本日2023年6月23日の撮影です。

今年は雪解けが早い年だったのですが、結局のところ、例年なみの開花始まりになったようです!

つぼみが割れるところも美しい姿です!

外国の植物エリア(スイスアルプス・ヒマラヤエリア)の、森に近いところで咲き始めました!

本日は、安全祈願祭もあり、新聞社の方もちょうど来られていました。

葉っぱがモサモサしたのが全て青いケシ。

全ての株で咲くわけでは無いですが、花茎が伸びているのが見て取れます!

これだけ葉っぱが茂った株から、果たしてどれだけ花が咲いてくれるか!

植物園の広場では、黄色いケシが咲きつつ、青いケシも花が咲きそうです! ↓

つぼみが伸びてきているのが見えるでしょうか!?

ゴンドラを降りてすぐ、青いケシに出会うことが出来るのです!

注目度の高い青いケシ。

またSNSやブログなどで情報をお知らせいたします!!

そして、コマクサの花もいち早く最盛期を迎えだしました!

白花コマクサも咲き始めています!

何となく撮ると、こんな感じです。

アップで撮るよりも、開花の情報を求めている方は、こんな写真も参考になるでしょうか!

雨と霧の中のコマクサ群生地。歩道の両側でどんどん咲いてきます!

一番数が多いのは7月中旬ごろですが、今の季節は枯れた花が無い分、写真を撮るのに向いているタイミングですね!

さて、広場の絶滅危惧種コーナーでは、アツモリソウ類がまだ咲いています!

開花が早かったレブンアツモリソウは、花が終わった感じですが・・・

ホテイアツモリソウや・・・

キバナアツモリソウは、まだ良い感じです!

広場でも、スイスアルプス3大名花、咲いています!

ツツジの仲間の、アルペンローゼ

リンドウの仲間の、ゲンチアナ

言わずとしれたエーデルワイス!

エーデルワイスは、実は早めに開花させた株を植えたのです・・・!

本来の見ごろは7月中旬ごろから。

開花を調整できたため、広場ではアルプス3大名花が揃いました!!!

植物園のスタッフは、日々こういった努力をしているのですが・・・そんな様子を感じ取ってもらえたら幸いです!

アルペンローゼですが、植物園の中腹の外国の植物エリアでは、よく咲いてくれています。

特に、この木を移植したスタッフの腕が良かったようです!!!

7月になると花が終わってしまうので・・・早めにどうぞ!

広場の絶滅危惧種コーナーでは、シコタンハコベなどが咲いていますが・・・ ↓

一輪咲いたツクモグサ。こちらは花が終わってしまったようです。

また来年咲くかどうか。お楽しみに!

広場の端では、クリンソウが咲いています!

今まで無かった場所に苗を育てて、今年から良く咲いてくれるようになりました!

湿った場所が好きで・・・ジメジメした建物の壁沿いにも良く育っています。

まずは増やして、良い場所にさらに植え替えて、進歩させていきます!

クロユリの花も、見頃が続いています!

ゴゼンタチバナの花も、足元でキレイに咲いています!

チングルマはタネになっていますが、雨に濡れた姿も素敵です!

ハイマツの陰にコッソリと咲くリンネソウ。

ちょっとマニア向けな植物ですが、さりげなく咲いています!

タカネツメクサも咲き始めました。

見分けがつきにくい植物も、植物園なので看板をつけてあり、違いを見るのも面白いです!

ブナ林の入口では、キヌガサソウが、まだ花を咲かせてくれています!

ブナ林の中では、ギンリョウソウが咲き始めました!

野生の植物で、栽培が不可能な仲間ですが、環境を良くすることで増えてくれています!

本日は、安全祈願祭でした。

白馬村の長谷寺の和尚様が来られ、山岳関係者が集まることとなりました。

本来は地蔵ケルンで行うのですが、雨天だったため、山頂レストランにて行いました。

今年も無事にシーズンを過ごせると良いですね。

安全祈願祭の前後には、関係者の方々に植物園を見ていただきました。

普段なかなか来られない方も多く、最近の五竜の取り組み、絶滅危惧種の保全活動などについて、広く知っていただく良い機会にもなりました。

見た目の通り、スーツ率が高い集団ではありますが、白馬の山岳、高山植物といえど、このような格好でも親しめる場所なのです!

明日、6月24日から白馬五竜高山植物園が通常開園となります。

多くの皆様のお越しを、たくさんの植物たちと共に、お待ちしております!