緑の調律日誌

園内の出来ごと

【平和です】最近の園内は

2012/06/30

6月29日、夏山安全祈願祭が開かれました。

官民、あらゆる地域の関係者が一同に介します。

地元の観光組合の方々との草取り作業。

もともと、地域の方々と一体になって植栽し作り上げてきた歴史を持つ植物園。

今でも定期的に園内の作業を一緒に行っていただいています。

山を見ながら一息。こういう時間も良いものです。

個人的におすすめ、イワギキョウが咲き出しました。

株分けしたものを、岩の隙間につめて、馴染んで、岩からはみ出すくらいに成長しました!

個人的に大好き、ミヤマクワガタ。

昆虫ではありません、植物です。

名前はおんなじですけれど。

園内の端にはまだ雪が残っています。

雪を雪上車で重ねていない自然状態にて。

ニッコウキスゲもだいぶ大きくなりました。

つぼみが出来てきています。

園内管理をする上で、重要視しているニッコウキスゲ。

たくさん咲かせるべく、株分けしたり、肥料を撒いてみたりもしています。

結果は上々の様子。

いわば、人の管理する、自然な不自然、ですが、

何にせよ、需要と好奇心のもと、植物をどこまで制御出来るのか、

ワザを磨いていきたいものです。

・・・

難しい話は抜きにして、ぜひ花咲く園内をお楽しみください!

おじゃまたくし

2012/06/29

園内の最下部。リフト乗り場のところ。昨年の夏に出来た池。

ここではタイヘンなことがおきています。

なにやら黒いものが。波紋を立てるほどに。

そう、おたまじゃくしです!ヒキガエルの子供です。

手ですくうのも簡単なほどにたくさん。

眺めているだけで、どこまでもうじゃうじゃしています。

・・・春先には、力尽きた親ガエルが園内の至るところにみられました。

見通しの利く池の周りでは、カラスの恰好の餌になるようで。

食物連鎖と生命の厳しさ。

さて、あのオタマジャクシがどれだけカエルになれるのだろうか。

【対策は万全です】青いケシの場合

2012/06/25

先週の6月19日の台風がやってくる直前のこと。

早めに咲かせた青いケシの場所。

ここを何としても死守すべく、青いケシ先発隊20数株全てにビニールをかけました。

さて、あとは台風が過ぎるまで、祈りながら待つしかないか。

意外に台風の被害は皆無でした。拍子抜けなくらいがちょうどいい。

奥の手の鉢で咲かせたものも順次展示しています。

つぼみはいくつまで咲いてくれるんだ?

こちらは青いケシの一種、メコノプシス・ホリドゥラ。

種から何とか咲いてくれたものです。

まだまだ試験的に栽培している種類も多いので、

「○○が△△で××頃に咲いています!」とはなかなか言い切れないもの。

電話で問い合わせいただいても、なかなかお答えしにくいので、

園内に来て、咲いてたらいいや、くらいでお願いします。

今のところは、ね。

【想定外】さる黒百合の話

2012/06/25

先週のこと。

園内を移動中、クロユリが無残に引き抜かれまくっているのが・・・。

こんな光景があちこちに。

犯人はサル!

状況証拠、目撃例、被害規模などからみて、きっと多分間違いなく、こいつら。

かじられたのも多いですが、手付かずの球根も多いので、どうも遊んで引き抜いているだけでは・・・?

まわりにはフキやコウゾリナなどが引き抜かれているのもあるので、やはり食うわけでなく、遊んでいるのか・・・?

全被害の9割はクロユリ。

目立つし抜きやすい形なのだからか・・・?

残り1割は、コマクサ、シラネアオイ、ウルップソウ、シシウド、ウバユリetc・・・・・・。

人気種ばっかり・・・。

正直なところで、園内のロックガーデンに植栽したクロユリの7?8割が壊滅しました。

損傷の無い球根は、痛んだ花部分から切り離したあとに埋め戻しました。

来年咲いてくれるものだろうか・・・。

___________________

それでも、残り2割のクロユリは咲いています!

おそらく今月いっぱいが見ごろ。

けれど、実は雪どけの遅いところに植えたものが、まだつぼみなので、

7月上旬も咲いているものがあるでしょう!

今日も園内で話した方はクロユリに熱心な様子。

「今でこそ簡単にロープウェーに乗ったり出来るけれど、登山口までのアクセスも含めて、昔はクロユリを見ることそのものが貴重だったんだよ」

という人気の花。是非園内で探してみてください。

開園前の植物園ツアー

2012/06/13

クラブツーリズムさんの「こだわりの花めぐり旅」。

魅力あるツアーをたくさん組まれているものですが、

今回その一つの企画で、

“開園前の植物園を歩く”というものが、本日6月13日に開催されました!

参加者は27名。貸切状態のテレキャビンに乗って、誰も居ない園内を目指します。

【クラブツーリズム、こだわりの花めぐり】ホームページ

http://www.club-t.com/theme/nature/flower/tokyo/

※今回の植物園ツアーの日程は既に消去されているようです。

まずは、ヒマラヤの青いケシ。

園内に昨年から植えてあるものは、開花はまだ先なものの、

開花調節をして早めに咲かせたものがあり、

予想外の花の登場に皆さんたくさん写真を撮られていました!

ブナ林のエリアにはシラネアオイ、サンカヨウ、ツバメオモトなどが見ごろを迎えていました。

ロックガーデンの山頂付近ではチョウノスケソウが見ごろを迎え、

こちらも大人気。

・・・何と言うか、植物にこだわる方が多いツアーだけあり、

チングルマよりチョウノスケソウ、コマクサよりウルップソウ、など、

おそらく平均的な方より・・・興味の方向が斜めあっちを向いているような(笑

けれど、それがまた楽しいものでもあります!

残雪のあるところで、大雪渓登山ごっこが出来ました。

開園前の園内、園内の最盛期とは違った植物や景色の魅力を感じていただけたようで何よりでした。

皆様、ご参加ありがとうございました!

今回、ガイド役で植物の写真を撮るタイミングが無かったので、

花のアップの写真はありません。

また、折を見て植物写真と共に開花状況などを掲載していきます!

残雪2メートルの植物園

2012/05/11

写真は全て2012年5月8日のもの。

この日は、夏には植物園になる標高1500mのアルプス平の積雪状況を調べ、植物の開花調整をすべくやってきました。

天気は超快晴!

北アルプスの山並みがハッキリと見えます!

積雪量は・・・、およそ150?200cm!

雪に刺しているのは2mの鉄棒。

30cmほど出ているので、この場所は約170cmといったところ。

 

【スタイリッシュ雪山登山】

ロックガーデンの山頂まではゴンドラ降りて雪面徒歩10分。

駅舎で無料貸し出しの長靴を履いて、手軽かつエレガンスに雪山登山気分!

かついでるのは、さっき雪に刺してた鉄棒です。

ロックガーデン山頂は雪が薄く、こういうところからコマクサが早く咲きます。

昨年のコマクサの跡。

今年も綺麗に咲いておくれ。

 

【ダイナミック開花調節】

ドドドドドドド・・・

ガガガガガ・・・グシャシャシャシャ。

豊富な雪を雪上車で寄せて重ねて積み上げて。

雪解け早まる→花が早く咲く

雪解け遅まる→花が遅く咲く

考えれば単純なことですが、コレを実践出来る植物園を他に知りません・・・。

きっと無いよね。

コマクサ、シラネアオイなど雪解けに敏感な植物に効果的です。

雪上車スタッフと相談して意図したところに雪を重ねます。

「今年は雪解け遅かったから、花も遅いっすね」

というのは・・・、多分にこういう事情も混ざっています(笑

写真は青いケシが咲く斜面のあたり。

意図して雪をどけて開花を早める場所と、

雪を残して開花を遅らせる場所、今年は両方試してみました。

さて、どれだけうまく結果が出るものか・・・。

春のテレキャビン営業は5月13日まで。

それから一カ月の点検、運休期間に入ります。

植物園の営業は6月16日から!

皆さまのお越しをお待ちしております。

隠蔽は雪解けとともに

2012/03/09

3月ももうすぐ半ば。ゲレンデの雪も少なくなってきました。

スキー場の積雪量をグラフにしてみたものです。

テレキャビン山頂とエスカルプラザの宿直者が積雪量を記録し、各所に毎朝発信しています。

こうして、図示してみると、

・12月下旬から一気に積雪量が増える

・積雪量のピークは2月中旬

・2月一週目に降った雨は急激に雪を溶かした

・2月下旬からの温暖のため積雪量がどんどん減っている

など、色々と目に見えるようです。

・・・大学の卒業論文みたいな解析は、面倒なのでやめましょ。

写真は3月7日。

雪がどんどん溶け、草の緑色まで見えてきています。

・・・ところで困ったことが。

植物を育てた土でも、コケが出たり劣化したものは雪の上に捨てていたのですが、

雪が溶けて剥き出しに!

ここも。

ここは溶けたら掃き掃除しなければ。

捨てたのは雪が増え続けていた、1月、2月の頃。

土を捨てても次の日には、真っ白でキレイ、だったものが、このところは・・・。

雪が溶ければ地面と一体化する場所なのですが、

やはり見た目がよろしくない。

来年は自重しましょう。

はれの日

2012/03/04

最近、天気が良い日が多く、春らしくなってきたようにも感じます。

写真は2月28日。超快晴。

昨日から泊まりに来ていた大学の後輩と、観光客ルンルン気分でテレキャビンに乗りました。

雲ひとつ無し!

思えば、ゴンドラ駅舎の屋上に乗れるスキー場など、そうそう無いような。

五竜岳。リフトからの眺めは更に良いはず。

見通す白馬三山。北アルプスの広がりがよく分かる。

スキーをしない方でも、天気の良い日は、冬山を気軽に観光するのにお勧めでございます(営業)。

道中にはカモシカも毎度のことながら見つかりました。

テレキャビンとの距離感はこんな感じ。

運が良いと、真横で見られたりします!

今日この日のベストショット。

雪山にカモシカ。天気が良いと色々楽しいものです。

咲きました!メコノプシス・カンブリカ

2012/02/22

咲きました。

種名は、メコノプシス・カンブリカ。

青いケシと同じ仲間の植物です。色は黄色だけど。

2月19日に、つぼみがいつ咲くか?という前回記事掲載を載せましたが、

次の日20日朝、休みの日ながら水やりだけをするために訪れたところ咲いていました!

まさか、もう咲くとは思わなかったのだけれど。

室内ではつまらないので、雪の上に持ち出して撮影会を開始しました。

一眼レフで背景をぼかすように撮るか、

コンパクトデジカメで、背景もやや写るように撮るか、どちらが格好いいやら。

この花は、一度栽培品を見たことがありましたが・・・、正直あんまり感動しなかった。

こんなにキレイな花だという記憶は無く。

まあ、オレが育てたやつだから、一番キレイに決まってるよね。

(何という親ばか)

ただ、屋外で栽培していても変な開き方をすることもある青いケシ。

室内で変な時期に咲かせたものの割には、掛け値無しに美しい開き方をしている、とも思いますが、いかがでしょうか?

試しに『メコノプシス・カンブリカ』と画像検索してみても、ありふれたポピーに見えて、そこまでキレイな花に見えないような?

やっぱり、うちの子が一番キレイね。写真の撮り方も良いのかしらね?

(もう一回親ばか)

鉢なので移動が可能。

室内で撮影すると、また雰囲気が変わります。

こんな花を飾る食卓とかも、素敵なもんでしょうね。

『めこのぷしす・かんぶりか』

夜になると花がしぼむようです。

どんなメカニズムで花びらが動くものやら。

複雑な形で曲がっても、また明日には元通り開いています。

何日間咲くものか。

また二番目のつぼみはどのように咲いてくるか。

別の株でもつぼみがどんどん伸びてきています。

どの花がどう変化を見せるか楽しみだ。

写真で見るこの花は、もっと大株に育てられている場合が多い。

鉢植えでなく、地植えで咲かせたら、もっと大きくなるか。

いや、では自生地ではどのような形をしているものか。

色々と興味は尽きません。

今後も面白そうです。

もうすぐ咲きます

2012/02/19

エスカルプラザ内で育てている植物。

前回の記事では、冬を味合わせ、雪解けに伸びてもらうべく、雪に埋めました。

ところで、雪に埋めなければどうなるか。

その答えの一つがこれです!

何とつぼみが伸びてきました!2月19日撮影。

どれかは室内で咲くかもしれない、と思いつつ、咲くとは思っていなかったのだけどね。

青いケシの仲間、メコノプシス・カンブリカです。

ただし・・・青いケシの「仲間」であるものの、色は黄色です。

2011年4月に種を播いて10ヶ月。もうすぐ花が咲くのは嬉しいものです!

つぼみのアップ。花が開くまで数日も無い?

・・・今のところ、開花の予兆があるのはこの種類のみです。

(現在2株でつぼみが伸びてきています)

雪に埋めなかった「青い」ケシも果たしてこのままスキーシーズン中に咲いてしまうのか!?

室内で育て続ける、最近雪に埋めた、植物園内に秋に植栽した、ポットのまま山麓の施設に置いた、

播種時期、土の性質、それら様々な条件を変えてみて、目指すべき良い方法は何か?それを探求しています。

いやいや、それにしても種から育てた花が咲くというのは、ほんとに嬉しいものですね。

大学で植物を学んだ・・・とはいえ、それは野生の植物を観察する視点。

ゼロに近い1から植物を育てるというものは全く別次元のもの。

栽培に関しては全くの素人なもので、学ぶことばかりです!

 

ところで、室内だと季節感が全くありません。

近くのコメリで売っていた半額のチューリップ球根。

ポケットマネーで買って植えてみたら咲きました!

タネから育てたサイカチの木。

冬に室内で落葉してしまったものの、放っておいたら一月半で再び新芽が出ました!

ニッコウキスゲの仲間。

室内で秋を迎えたように枯れたものの、念を送りながら水をやり続けたら、最近すくすくと伸びだしてきました!

 

昼には曲がっていたつぼみ。

夜にはまっすぐ上を向いていました。

開花まで、もうすぐ!