緑の調律日誌

園内の出来ごと

11月の景色は

2010/11/02

昨日は雪がまた降ったようです。そして朝は最高の天気でした!

アサギリソウの葉が白くなり、雪に埋もれていました。

なんだか樹氷の模型を見ているようです!

山頂から山麓へと降りるゲレンデ斜面。夏にはシモツケソウが一面を赤に染めていました。

積雪次第では、一ヵ月後には賑わうゲレンデになると考えると不思議なものです。

地蔵のケルンまで登ると、五竜岳が見えました。武田菱の雪形もはっきりと形が見えます。

夏の花々の時期は終わり、一面が雪に埋まる冬がまたやって来るようです。

晴れの間にアルプス平自然遊歩道をまわり、道案内看板や歩道ロープなどを回収していきます。

この場所に設置されていた「幸せの鐘、出張版(仮名称)」も雪に埋まる前に回収します。

この鐘、夏には多くの方が鳴らしますが、気づかずとも確実に幸せが訪れる効果があるものです。

それは、クマが寄り付かないという意味でね(笑

熱心な若者たち

2010/10/29

10月26、27日と雪が降り、園内にもうっすらと積もりました(写真は10月27日)。

10月28日には雪ではなく雨が降り、園内の雪が溶けました。

 

実は数日前に、長野県内にある南安曇農業高校が実習で増やした植物を植えたいとの連絡があったのですが、まさかここまで雪が降るとは思っていなかったのです。

しかし、幸か不幸か、植えられる程度に雨が降り、3人の生徒と先生が園内を訪れました。

今回植える植物はコオニユリ。

組織培養の実習で増やしたものらしく、50球を持ってきたとのことです。

雨が降る中、コオニユリの球根を植えていきます。

いわゆるバイオテクノロジーで増やした植物がここに植えられている。実に興味深いことです。

球根のかけらがあれば、数多く増やせるらしいですが、不思議なものです。

ところで改めて納得したのが、バイオで増やした植物であっても、その後に花を咲かせられるかは結局は地道は園芸技術でしかないと。

なるほど、貴重な植物をバイオで大量に増やしても、それを根付かせ花や種をつけるためには、科学よりも経験と愛情が多分に必要なようです。

 

寒い中で植栽も終わり、暖房の効いたビジターセンターにて、色々と話をしました。

こういう経験をした生徒さんがどんな仕事について活躍されるか楽しみです。

 

面白い偶然があり、今回同行された先生の生徒さんのうち、何と3人も私の知人でした!

彼らは、一人は現役の信大生、二人は農業高校の先生をやっていますが、なるほど、こういう進路になるわけか!

 

熱心な若者たちを見て、「25歳の若者」である自分自身も改めて頑張ろうという気持ちにもなったりします。

三段紅葉!!?

2010/10/27

来た、来た、来ました、三段紅葉!

大自然が奏でる北アルプスの三重奏!!

絶対零度の気温すら、心地がいい!!!

(フルタチイチロウ的なノリでお願い致します)

昨日の雪が積もったようで、園内一面が白くなっています。

気温はゼロ、積雪は2cmといったところでしょうか(先ほどの『絶対零度』はあくまでも表現上のものであります)。

マツムシソウ、ワレモコウなど最後まで咲いている花も雪をかぶってしまっています。

ところで、キアゲハの幼虫くんは…?

シシウドの先で凍っているのをみかけました…。キアゲハはサナギで冬を越すらしいですが、大丈夫なのか?

まわりにはたくさんの幼虫をみかけます。とりあえず2匹ほど持ち帰って様子を見ることにしました。

本来、一番キレイな三段紅葉は3000m級の北アルプスのてっぺんに雪がかぶるもので、園内一面が白くならなくても良いのですが…。

今日はテレキャビンに乗るとあるラインから上が雪をかぶっている様子がみられます。

この先の寒波の時期、晴れがどう来るかが良い景色のポイントになるでしょう。

晴れと霧とを交互に繰り返したり、運も大きなタイミング。

防寒対策を十分にして訪れてみてください!

初雪が降りました!

2010/10/26

夏の営業は11月3日まで、秋の花もほとんどが咲き終わりました。

本日の仕事はアルプス平自然遊歩道に設置した植物看板回収。日をあらためて、この鐘も雪の前に撤去しなければなりません。

ところで、天気予報でも耳にするのが、どうも今日から寒波が来るらしいとのこと。

昼前の園内では小雨でしたが、地蔵のケルンあたりで小雨が雪に変わりました!!

園内広場まで来ると、ひとまず雪も少なくなってきたので、肥料撒きや植物の植栽を始めましたが・・・、なんと吹雪いてきました!

積もるような雪質では無いものの、強い風と細かい雪が吹きつけます。

シシウドの芽生えをキアゲハの幼虫が食べていましたが、そこの君、そろそろ冬の準備しないと大変ではないかい?

外気温を見ると、午後3時半の時点で2℃!

11時ころでは5℃だったわけで、日中にも関わらずみるみる気温が下がっているようです。

テレキャビンで下山すると、なんと暖かいことか!(それでも5℃くらいのようですが

コンクリートの路面も乾いています。

山の方を見上げると分厚い雲。

…つまりはあの中は雪というわけですね。標高も1000mを超えるとだいぶ違うようです。

園内の雪はまだ積もっていませんが、明日はどうなっているか予測がつきません。

どうなるのか楽しみでもありつつ、今積もってしまうと、園内の看板類の撤去やらが困難になる…。複雑です。

 

この写真は2007年10月22日のものです。

三段紅葉、というのをご存知でしょうか?

紅葉の季節に山頂に雪が降り、紅葉、山麓の緑と見えるものです。

この寒波が去った後、果たしてこのようになるのか…!?

皆様、カメラの準備をして、どうぞお待ちくださいませ。

冬の準備 リフト上げ下げ

2010/10/24

園内の紅葉も秋深まり、テレキャビンまわりの紅葉のいい感じになってきています。

 

夏の間に「アルプス展望リフト」の名で親しまれている二人乗りのリフト。

低速で、足元スレスレで植物を眺めることが出来ます。

足元スレスレ・・・、スキー用リフトなのにどうして?

冬には雪が3メートル積もった上で、リフトの真下を滑ることが出来るわけですが、つまりは夏の間はリフトの高さを下げているわけです。

ということで、冬が来る前に滑車(『索輪』と言います)の高さを上げる作業を行うわけです。

写真奥の支柱では滑車は一番上ですが、作業中のものはだいたい真ん中です。

ボルトをゆるめ、ワイヤーで吊り上げ、重機で引っ張るわけですね。

振り返るとこれから作業をする支柱がまだまだ続きます。

15本の支柱全てを作業するわけですから、大変な作業になります。

この日は作業中にニホンカモシカが間近に現れました。

写真の上司が近づくとダッシュで逃げてしまいましたが、作業を再開するとまた近くに戻ってきたりと。

かの上司は嫌われたのやら好かれたのやら・・・(笑

園内に何となく現れるカモシカの動向は面白いものです。

きのこ

2010/10/20

園内周辺はブナ林が広がり、秋の紅葉とともにキノコも見られたりします。

こちらはブナの木に育っていたナラタケです。地元では「もとあし」の名で通っているようです。

・・・ところで、最近毒キノコの話題も多く聞きます。

このキノコは毒ではないですが、

園内を訪れたお客様が毒キノコと怖がってしまったらたいへん!

キノコが腐って目もあてられない姿になったらたいへん!

ブナの木がキノコで、もろくなって倒れたりしたらたいへん!

そう、何かと責任問題が問われてしまうこのご時勢、何かあるとたいへんです。

だから私は、園内のみえるところ、みえないところのキノコを集めました。

たいへんな事が起きてしまう前に、園内のキケン(かもしれない)を除去するのです。

そして、毒キノコではないと証明するために、食してみるのです。

十分に煮沸した上で、ミソとヤサイと、トリニクも入れました。

その晩には友人が家に来ていました。

もし、もしも毒キノコだった場合、一人では対処しきれないので友人も同席の上で毒見をするのです。

・・・・・・。

秋の恵みに感謝!

 

※ちなみに春先には、ササの過剰な繁茂を防ぐ目的でササの若い芽生えを除去しています。こちらは世間様では『ネマガリタケ』と呼ばれているらしいですが。

FM長野 Oasis 79.7 秋の美味しいピクニック in 白馬五竜

2010/10/18

10月16日、FM長野さんの『Oasis 79.7 秋の美味しいピクニック in 白馬五竜』というイベントが行われました!

長野県内の皆さまご存じアナウンサーの伊織智佳子さんと一緒にリスナー100人の方が、秋の植物園、自然遊歩道をトレッキングしました。

私を含め4人の社員がガイドにあたり、25人ずつのグループにわかれ、園内の散策を行います。

園内の天気と紅葉具合は…、

最高です!青空をバックに山頂駅の方までしっかりと見え、山麓から紅葉が移り変わる姿がよくわかります!

今回は植物園、地蔵の頭からさらに足を伸ばし、小遠見山手前の見返り坂まで登りました。

ここまで登ると地蔵の頭を見下ろすことが出来、達成感は十分です!

トレッキングのあとは、エスカルプラザのレストランにて、旬のそばやガレットを味わいました。

ガレットとは、そばのクレープですが今回は秋の木イチゴで味付けをしたものでした。

さて、最近の紅葉ですが、

小遠見山、だいぶ落ちています。

地蔵の頭、見ごろ後半、上の写真のようなカエデもまだ見られます。

園内周辺、ブナの木が一番の見ごろを迎えています!

テレキャビン周辺、山麓から上がると上半分が見ごろを迎えています!

白馬山麓、山麓の紅葉はまだのようです。

紅葉を見に行こうよう!

2010/10/08

アルプス平自然遊歩道の紅葉が見頃を迎えました!

写真は本日10月8日の様子です。

このあたりはブナの木が多く、葉が黄色に染まるのが普通です。

アルプス平自然遊歩道では特殊な地質のため、樹木の高さが低く多くの種類の樹木が見られ、赤い色ではナナカマド、ドウダンツツジ類、カエデ類などがあり、黄色ではミネカエデ、ミヤマナラ、マルバマンサクなど実に鮮やかです。

なかには、こんな黄葉もみられます。

野生のギボウシですが、葉が飴色になり、濡れて透けたようになっています。

あんなに濃い緑色だった葉が、なぜこんなに透けるまでになるのか、不思議です。

食べられる有名なキノコは人目につきやすいところでは見かけませんが、これはホコリタケでしょうか。

秋の道には目をこらすと、色々と面白いものがあったりします。

こちらはコマクサです。まだ咲いています!

コマクサの花には期待をせずにお出かけください。期待以上のものが見られるかもしれません!

こちらは、ゲンチアナ・ファーレリー。

こういった外国のリンドウなども見かけることが出来ます。

 

この時期の白馬、山麓での紅葉はまだですが、ゴンドラなどで山に上がるときれいな紅葉を見ることが出来ます。

秋の訪れを感じたい方、今の時期はおすすめです!

晴れ+山が見える!

2010/09/25

今日(25日)は最高の快晴でした!

テレキャビンで上がった園内からは標高3000m級の北アルプスが一望出来ます。

AM8:00の園内の様子。写真左の山は白馬三山です(左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳)。

視線を左に移すと北アルプスの山並みが続いています(写真左が五竜岳)。

 

山頂付近の白い岩肌と木々の濃い緑のコントラストが実に鮮やかです!

秋といえど、これくらい晴れる日は珍しいものです。

あたりは冷たい空気が気持ち良くとも寒いわけではない、そんな感じです。

この土日で北アルプスに登る方々は最高だったことでしょう。

夕方5時近くでも、これだけ晴れています。

秋の花は園内や遊歩道にさりげなく咲いています。その分、一面に咲く派手さが無いので遠目には気づきにくいところもあり、だからこそ秋晴れの景色のもとで、この広い空間と合わせて楽しんでいただきたいものです。

明日も晴れでしょうか(追記:『晴れ』と『山が見える』は別モノですが)。

皆様が訪れる日も良い天気であることを願いつつ。

アカバナシモツケソウ祭り

2010/08/08

アルプホルン、見たこと、聞いたことありますか?

8月7日のアカバナシモツケソウ祭りのイベントとして、アルプホルンの演奏が行われました。

バックに見える北アルプスは、山頂が見えませんでしたが、この楽器の音と姿は園内のロケーションに実に合う楽器だと思っています。

アルプホルンを木材の採集段階から自作する方と知り合いですが、「今度貸すからツボイ君も練習しなよ」と言って下さっています。

植物園業務の休憩中に園内で練習…。ああ、カッコ良すぎる。

この時期の植物園上部のゲレンデ斜面には、アカバナシモツケソウが一面に群生しています。

蛇紋岩という特異な地質の為か木が生えなかったり、ゲレンデ整備として草刈りを行う為に草原になっている場所で群生しています。自生のものでこの規模でみられる場所もなかなか無いはずです。

写真の道は、実は重機用の作業道です。

この時期だけロープを張り、散策出来るようにしてありますが、是非とも歩いてみてください!