緑の調律日誌

その他ひとり言

神奈川から見る植物1 海と街の山野草

2011/04/12

スキー場業務が一段落し、春の雪解けを待つこの頃、実家がある神奈川まで植物を見に行きました。

ところで、「山野草」とは何でしょうか。

明確な定義はないものの、「鑑賞価値の高い草花」といったところ。

さて、それらはどういった所に生えるのか…。

綺麗な花を咲かせる草本類は、背丈が低く、陽光を好むものが多いものです。

そのような草が生育出来る場所は限定されます。

樹木が生い茂れば光が遮られるためです。

その為、いわゆる「山野草」が咲く場所としては、

・過酷な環境により、樹木の生育が制限される「高山」

・強い潮風により樹木の生育が制限される「海岸」

・樹木がなかなか定着しない「崖や崩壊地」

・洪水等により樹木が定着しない「河川敷」

・人が樹木を刈り取ったりする「道の脇」

・カヤなどを入手するため人が維持管理する「半自然草地」

などが挙げられます。

つまり、自然にしろ、人為にしろ、

いかにして「樹木が生えないか」が重要になるようで。

(もちろん、森の中に咲いたり、樹と共生したり、日陰で育つものも多いですが)

山野草=高山の植物、というイメージも強いですが、

「高山」とは対極に位置するような「海岸」にも綺麗な花は多いわけです。

・・・ということで、神奈川の海や街の植物を見ていきます。

(前置きが長かった・・・・・・)

三浦半島の先端、城ヶ島。

強い潮風や、切り立った崖が多く、海岸らしい植物が多くみられる場所です。

海辺にあるお気に入りの草のひとつ、「ハマカンゾウ」

有名なユリ科の植物の「ニッコウキスゲ」をご存知でしょうか?

ニッコウキスゲの仲間で、海岸に自生するものです。

花が咲くのは、夏の終わり頃。

ニッコウキスゲと同じような花が咲きますが、あんまり知名度が無いように感じるのが残念なところ。

ニッコウキスゲは標高の高いところに行かないと見られませんが、身近なところに近縁種がある、それが面白いものです。

「ハマボウフウ」の枯れた花序です。

高原でお馴染みの、シシウドの仲間になります。

左はハマボウフウ、右はオオハナウド。

海岸に生育するハマボウフウは比べて葉が硬く、厚く、海辺に耐える構造になっているようです。

観音崎自然博物館の展示より。

海岸性のマツムシソウ、「ソナレマツムシソウ」も海辺の山野草といえるでしょう。

絶滅危惧種ともなり、自生の姿を目にする機会は少ないようですが、

観音崎の自然博物館では保護増殖をしているようで、博物館では育てている個体を目にすることが出来ました。

観音崎自然博物館ホームページ

 http://kannonzaki-nature-museum.org/index.php?ca=3&sca=1&ssca=76

こちらは個人的に大好きなサトイモ科テンナンショウの仲間、「ウラシマソウ」。

花の中から釣り糸のように垂れたあれは、何のためにあるのか・・・。

植物の不思議を感じさせてくれます。

長野県では絶滅危惧種になっている植物ですが、

写真のような森の中に行けば三浦半島?横浜市では簡単に見つけることが出来ます。

鎌倉の刀剣屋のショーウィンドウの中にも活けられていました。

この仲間は生け花の素材としても使われるそうです。

こちらは「トウオオバコ」。

葉と花の長さは、よく見るオオバコを数倍にもした大きさ。

海辺の植物とは何と不思議なものか。

スミレの仲間、「タチツボスミレ」。

このスミレは、都会の中でもよく見かける種類です。

田んぼからコンクリートの壁まで生育し、春の訪れを感じさせてくれます。

 

山野草、というと身近には無い高嶺の花、といったイメージもありますが、

私の知る三浦半島、横浜市?鎌倉市には、それに類する魅力的な植物を多く見ることが出来ます。

信州の植物を見に来る前に、見に来た後に、皆さんの地元の植物をもう一度見直してみると面白いかもしれません!

神奈川から見る植物2 残したいもの

2011/04/12

横浜市戸塚区の都市河川、柏尾川。

桜の名所としても親しまれていますが、バイクを停めた横には、こんな看板がついています。

ミズキンバイという植物がこの川では見られるのですが、稀少な植物として、絶滅危惧種にも指定されているものです。

開花期は真夏になります。

アカバナ科の植物で、マツヨイグサにも似た黄色い花を咲かせます。

撮影日:2005年9月14日

絶滅危惧種とは言っても、環境が合えば一面を覆うくらいの藪になったり、這った茎からどんどん根を出し増えていく生態からも、植物的には強い生命力を持つ植物です。

それが絶滅危惧種にも指定されるということは、

周囲の開発、河川改修といった、人為的な要因によるところが大きいわけです。

近年では、行政、大学等の連携により、積極的な保護活動が行われるようになっています。

気がつけば私の母校の小学校でも、教育の一環として保護活動が行われていました。

東戸塚小学校ホームページ http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/higashitotsuka/mizukinbai.html

守るべき象徴、具体的な事例をもとに、自然全般への興味を持つきっかけになるのではと思っています。

写真と地図は横浜市の舞岡公園、その付近になります。

農地、里山の景観が残る向こうには一面の住宅地が広がります。

横浜市内には、自然公園が点在しています。

エリアを決めて、ここから先は開発はしない、貴重なものとして残す、市民の憩いの場とする、そういった活動が官民共に活発に行われています。

ただ、最近気になるのが、指定エリアの核心部分はラインに沿って残すものの、指定外の部分の開発が盛んになっているように感じられること。

線を引かれた自然公園エリアと、本当に人が生活している部分、その境界にこそ見られるものも多いものなのですが・・・。カブトムシやクワガタムシはその境界に多かったりします。

公園側から外を見ると高い壁が見えますが寂しいものです。

 

都市近郊には多くの人が生活し、いわゆる「自然」が減少しています。

しかし一方で、自然保護のため、ここは絶対に残す、そういった場所も多くあるのも事実です。

また、人口の絶対数が多いため、山や自然に親しみたい、関わりたいという方も多く、

維持管理のためのボランティア活動に参加したり、自然観察会を行ったり、様々な活動や交流が活発に行われています。

 

私が大学で植物を学び、長野県に住み植物園管理をしているのも、そういったバックグラウンドに寄るものです。

守るべき自然とは何か、人はどう在るべきか、

そんなことを考えながら、多くの人が親しめる植物園を作っていければと考えている次第です。

冬と春を分けて

2011/04/04

4月になりました!

しかし、白馬五竜高山植物園の冬の姿、白馬五竜スキー場は営業中です。

ライブカメラ映像より http://livecam.vill.hakuba.nagano.jp/livecam/?id=4&Y=2011&M=4&D=4&H=10&I=45

4月4日現在、積雪255?。春の営業は5月8日までやっています!

 

冬が終わり、最初に咲く植物は何でしょうか?

都会ではサクラや菜の花など思いつくかもしれません。

ところで、長野県には春に咲き、夏には姿を消す、「春だけの植物」が多くみられます。

カタクリやフクジュソウなどが有名ですが、セツブンソウという花をご存知でしょうか?

漢字で書くと「節分草」。

節分のころに咲くという意味ですが、長野県では3月頃から見られます。

白馬に自生は無いようですが、県内のあちこちに有名な自生地が知られています。

春植物の中でも、最も早く咲き、まだまだ雪が降る時に咲くので、時には雪に埋もれてしまいます。

雪に埋もれても咲く姿。力強さを感じさせてくれます。

このように春に咲く植物の利点は、他の植物が育つ前に受粉を行ったり、光合成が出来るところにあります。

花の少ない春先には、昆虫にとって貴重な蜜源であるため、数多くの昆虫が飛んできたり、

周りの木々が葉を伸ばす前に、十分に光を浴びることができるわけです。

そして、5月頃になると花も葉も姿を消してしまいます。

あとは地下の球根で夏、秋、冬を過ごし、次の春を待つのみ。

春の短い期間に生存の全てをかけているわけですね。

節分草、

「季節を分ける草」と解釈すれば、実に素敵な名前だと思います。

冬の終わり、春の始まりの花というわけです。

♪ 冬と春を分けて セツブンソウ

 

白馬五竜高山植物園の営業は6月16日からになります。

開園はまだ先ですが、長野県内、白馬周辺での花のことなど、折を見て載せていこうと思います。

今年度もどうぞよろしくお願いいたします!

2011年度4月 坪井勇人

雪に終わり、雪に始まる

2010/11/29

本日、雪が降りました。

テレキャビン山頂ではなく、白馬山麓に初めて雪が積もる日となりました。

朝方には雪が舞っているだけだったものの、昼には完全に積もりました。

上の写真は11時、下の写真は12時、積もらないと思っていたのに一時間でこうも変わるとは・・・。

建物周りにおいたポット苗も雪に埋まっていきます。

冬期間、圧雪車が入らないウォータージャンプ施設に置いた育苗箱も雪が降り積もっていきます。

 

これにて、今年度の夏の植物園業務が終了を迎えました。

あとは春になり、植物が芽吹くまでは一休み、一面の雪景色が4ヵ月続きます。

そして、これからはスキーシーズン、白馬五竜が活気付く日々が始まります!

まだスキー場として機能するには雪が足りませんが、この束の間に休息をとりつつ、気分転換に暖地の植物を見たり、博物館巡りでもしたいものです。

 

これにて、ブログ「緑の調律日誌」の今年度の執筆は終了となります。

閲覧してくださった方々、どうもありがとうございました!

次回の更新は4月の雪解けの頃から始まる予定です。

冬期間は、インフォメーションの受付業務を行ったり、高山植物園の準備をしたり、エスカルプラザ内に夏の告知をしたり、室内で育てられる植物の管理をしたりと、相応に忙しい日々が続きそうです。また先の投稿記事のように季節を感じられる曲作りもしたいところです。

044 雪路  (以前に雪のイメージで作った曲の一つです)

植物園に訪れた方も、「冬の植物園=スキー場」がどのような形になっているのか、是非ともお越しください!足元に植物の気配を感じながら滑るスキーも良いものかもしれません。

 

では、植物園を訪れて下さった皆様、雪の下の植物たち、春までごきげんよう!

調律と音作り

2010/11/22

園内の植物が、それぞれ互いを引き立て、自然にかつ魅力的に育つように…、その為の手入れの過程ということで「緑の調律日誌」と名づけたブログですが、早いもので半年近くが経過し、もうすぐ今年度も終わろうとしています。

ところで「調律」という言葉は、学生時に木琴を自作したあたりから気に入っている言葉です。

上の写真は信大農学部の並木道のユリノキを枝の雰囲気を残して作ったもの、下の写真は堅いニセアカシアの木を音の良さにこだわり作ったものです。ユリノキの木琴は今も農学部の資料館に飾られています。

荒削りした木を叩き、チューナーは使わず叩きながら耳で音を確かめ、削り、調律するのですが、わずかな削りで音が変わってしまい、それがまた面白いものでした。

笛や民族楽器やバイオリンも作りましたが、木琴作りが一番面白かったのは、木の種類によってダイレクトに音が変わること、音盤一つ一つを丁寧に調律する過程で二つと同じものは出来ないこと、寸法通り作れば良いわけではないこと、そこに個性を感じることが出来たことによります。

この木琴用の曲を作り、ケーブルテレビにも出て…と色々ありましたが、今度は植物園の花などをイメージした曲などを作りたいところです!

現在、いくつかの曲を書いているところです。作曲は独学なので技術はまだまだ未熟なものですが。

今のところ、ピアノのみの試し弾き、絵に例えれば白黒のスケッチのようなものです。

試奏 緑の調律日誌「記述回想」

試奏 雨の花束

試奏 野の花、ここに咲きて

この後、曲のイメージに合わせてパソコンで他の楽器を加え、曲に色取りをつけたりします。オリジナル色の強い編曲では例えばこんな感じです。

027 冷光 -firefly-

蛍の光と消えゆく自然をテーマに16歳の夏に書いた曲ですが、イメージは伝わってきますでしょうか…。

音楽というものは形が無いだけに、イメージするものが上手く伝わるか、難しいものです。「青」をイメージしたつもりでも、人によっては緑や赤に聴こえてしまうかもしれません。また、そこが面白いのかもしれませんが。

 

スキーシーズンには、雪の向こうに春、夏、秋をイメージしながら曲を書く…そんな素敵なことが出来たらいいなあ、などと思っているところです。 

園内の植物をイメージした曲、ジャケットには植物の写真と解説をつけたCDアルバム「緑の調律日誌」の完成は、未定の未定となっております。期待せずにおまちください(笑

雪に埋める植物たち

2010/11/20

本日11月20日からテレキャビンの営業が再開しました!

写真は11月16日のものですが、最近の暖かさで木々の雪は溶けています。

残念ながらスキーをするには雪が足りていませんが、今日は登山や景色を見に来られる方をたくさん見かけました。

最近は夜が寒く、育苗箱の土も霜柱が立つほどです。

山麓にも雪が積もるのも時間の問題なのかもしれません。

ところで、育苗施設のある場所の周辺は除雪のための雪上車が入ったりするため、育てている植物を移動しなければなりません。

軽トラに植物を積み込み、エスカルプラザの周囲をはじめ、静かに雪に埋めておける場所に運んでいきます。

何往復になるやら、大変だ。

 

エスカルプラザは来週からの開館です。

会社全体はスキー場仕事で「冬を始める準備」に大忙しですが、

植物園の場合は「夏を終える準備」に大忙しとなっております。

冬の準備を進めます

2010/11/14

標高1500mの園内は雪に包まれています。まだ雪の量はスキーには足りないものの、湿った雪が10cmくらいつもっているところです。

山麓にある育苗施設では、植物の移植や整理などを進めています。写真は園内から間引きしたニッコウキスゲですが、葉は枯れてしまっているものの、奥には来年度の新芽が形成されていて、植物の強さを感じられるようです。

ポットで育てている苗も紅葉していたり、冬が来ることを予感します。

一方で、健全な緑色をしているものもあり、植物によるその違いを見るのも面白いものです。

こちらは種から育てているヒマラヤの青いケシですが、無事に冬越しして来年か再来年に花を咲かせてくれるかどうか不安もありつつ、やはり期待のが大きく、楽しみでもあります。

天気を見ながら、採集していた種子の整理、精製も行ったりします。

種の入ったサヤからどのように効果的に種を取り出すか。

ハサミでサヤを切り分ける、丁寧に手で剥いていく、サヤごとつぶしたあとフルイにかける、方法は様々です。

100円のザルや茶漉しを、種の形や大きさに応じてどう使えば効果的か、フルイの中に残すか、フルイから落としていくのか、それらを種類に応じて考えて変える様はパズルのようでもあります。

余計なものを取り除いた種を種類ごとに袋にわけ保管します。

先ほど、精製過程がパズルのようだ、と言いましたが、実は条件が難しいのはこれからでもあります。

すぐに播くべきか、春に播くべきか、どんな土に播くべきか、乾燥で保存するか、湿潤で保存するか、途中で切り替えるのか、種のカラを割ってから播くのか、薬品を使用するべきか、など発芽に適した組み合わせは無数にあるようです。

もっとも、種子ひとつひとつの生命力も違い、採取時期なども含めて同じ条件で試すのも難しいもので、本を見つつ、人に聞きつつ、試行錯誤しつつ、正解に近いだろう方法を種類ごとに探していくことになります。面白いものです。

ゲレンデ周辺で育てているカブトムシの状況を見てみました。

オガクズを積み重ねて置いておいただけですが、どこからかやってきたカブトムシが卵を産んでくれていたようで、大きく育った幼虫が出てきました。このまま放って様子を見るか、一部を建物内に持って来て育てるか、色々な方法があります。

 

来週、11月20日からは冬のスキー場営業が開始します(雪が降っていなくてもテレキャビンは営業します)。

植物園やカブトムシ、冬の営業を始める前の、夏の仕事を終える準備がまだまだ続きそうです。

植物園、終了してからは

2010/11/09

11月3日に本年度の夏期営業は終了しました。

正直、今年の秋は天気の良い日が少なかったものの、営業が終了した途端に天気が良くなり、五竜岳を始め、周辺の北アルプスが雪で白くなっている様子が綺麗に見えたりします。

ゲレンデとなる園内の設置物を撤去しなければなりません。重たい園内看板等は数人がかりで移動し、テレキャビン駅舎の下に格納したりと、次の夏が来るのを待つことになります。

標高1500mの園内は天候が変わりやすいこともあってか、天気雨が降ったりすることもあり、虹を見かける確立が格段に高いように思えます。この日は雪まじりの雨が降り、絵に描いたようなアーチ型の虹が見事に見えました。

園内はブナの葉も落ち、冬の景色が広がっていますが、白馬周辺の山麓では今が紅葉の見頃を迎えています。写真は白馬村より南にある青木湖ですが、周辺の紅葉のバックには北アルプスの雪山が見えたりしています。

そして今日の園内は雪が降りました。

午前中は晴れだったものの、午後には吹雪ともなり、みるみる雪が積もっていきました。

もうこの標高では「雨」が降ることはしばらく無さそうです。

夏の間はビジターセンターとして親しまれたこの空間ですが、冬には暖房を効かせた休憩室になります。

その為に全ての展示を外すことになります。

夏が植物園であることの紹介、冬の見どころなどの展示なども行いますが、一度部屋と頭の中をまっさらにするわけです。

さて、この冬はどんな展示を作ろうか、そして来年はどのような空間を作ろうか、それらを考えながら冬の準備、夏の準備は繰り返し続いていきます。

11月3日 営業終了!

2010/11/03

本日、11月3日を持って、夏のテレキャビン営業が終了しました。

つまりは、植物園の営業も本日で終了になりました!

園内にお越しになられた方々、ありがとうございました!

昨日に雪が降ったようで、だいぶ周りの木に雪が積もっています。

この分では、園内にはどれだけ雪が積もっているのやら。

結構な量が積もっていました。10cmくらいでしょうか。

実はこの日の午前中は曇り、強風。

午後になると写真のように青空も見え、最終営業日にふさわしい天気になりました!

青いケシの他、外国産の高山植物エリアもすっかり雪に埋まっています。

もっとも、これらの段差が埋まるくらいに雪が積もらないと、スキー場として機能しないわけですが。

今日の仕事は園内の植物看板の撤去。

もう少し早くやりたかったのですが、今日にここまで雪が積もるとは…誤算です。

たぶん、回収しきれなかった看板も埋まっていることでしょう…。

もう一つ、重要な作業が園内の鉄杭、ロープを撤去すること。

撤去、とはいっても膨大な量の杭、ロープは一人では作業しきれないもので、

一番効率の良い方法が杭を抜いてその場に倒しておくこと。

スキーの邪魔にもならず、来年はすぐに立てられるというわけです。

それにしてもラッセルしながら、何度も道を往復して、地面に刺さった杭を一つずつ抜くのも大変なものです。雪さえ無ければ…。それでも良い運動にはなるものです。

 

園内を作業している途中に話した方はこんな事を言っていました。

「昼まで犬の散歩をしていたが、雪山が気になって来てしまった。

スキーのシーズンが来るのが楽しみで、ここで冬の気分に浸ることが出来る」

月末にはスキーシーズンが到来、早いものです!

 

植物園の営業は終了したものの、まだ園内の片づけ作業、育てている植物の冬越し準備など作業はまだまだ続きます。

と、いうことでもう少しこのブログも続きます。

気になる方はチェックしてみてください。

きのこ

2010/10/20

園内周辺はブナ林が広がり、秋の紅葉とともにキノコも見られたりします。

こちらはブナの木に育っていたナラタケです。地元では「もとあし」の名で通っているようです。

・・・ところで、最近毒キノコの話題も多く聞きます。

このキノコは毒ではないですが、

園内を訪れたお客様が毒キノコと怖がってしまったらたいへん!

キノコが腐って目もあてられない姿になったらたいへん!

ブナの木がキノコで、もろくなって倒れたりしたらたいへん!

そう、何かと責任問題が問われてしまうこのご時勢、何かあるとたいへんです。

だから私は、園内のみえるところ、みえないところのキノコを集めました。

たいへんな事が起きてしまう前に、園内のキケン(かもしれない)を除去するのです。

そして、毒キノコではないと証明するために、食してみるのです。

十分に煮沸した上で、ミソとヤサイと、トリニクも入れました。

その晩には友人が家に来ていました。

もし、もしも毒キノコだった場合、一人では対処しきれないので友人も同席の上で毒見をするのです。

・・・・・・。

秋の恵みに感謝!

 

※ちなみに春先には、ササの過剰な繁茂を防ぐ目的でササの若い芽生えを除去しています。こちらは世間様では『ネマガリタケ』と呼ばれているらしいですが。