緑の調律日誌

緑の調律日誌

展示会?

2012/02/06

室内で育てている青いケシ。だいぶ大きくなりました。

しかし、大きいというものは場所もとるということ。

そして休眠傾向にある株もあるようです。

枯れた葉やアブラムシなどについた葉を除去して、

虫対策の薬を撒いて、肥料を与えて、

休眠させるべき株を全体の半分くらい選定しよう、

ということで、大株になっている青いケシを全て並べてみました。

ドンッ!

おお、並べるとなかなかの迫力!

冬のスキー場に実に似合わない風景。

社員方も、何の露天商だい?と見て行きます。

何か嬉しくなったので、記念写真。

4月に種まいて、頑張って育てた植物たちです。

 

株の手入れをして、これから雪に埋めて休眠させる株を、ここからおよそ半分程度選びました。

選んだ株は、室内の寒い所に置いてから、晴れた日に雪掘って埋めることにします。

果たして、初夏に咲くだろうか・・・?

雪の階段 

2012/02/06

相変わらず毎日のように雪が降ります。

キンとした寒さ。テラスの机の上では雪の結晶が消えずに残っていました。

 

雪が降ると、相応の手間も増えるもので。

増え続ける雪、コンクリート部分との高さに相当の差が出てきます。

そこで、雪の階段を作ったりします。

植物のための雪かきをしていると、階段作りが必要な場所が見えてきます。

作業担当者、ノルマの決まっていない、いわば「雑用」。

けれど、お客様にとっては、確実に「必要な作業」。

階段を作っていると、

「歩きやすいね!」

「通ってもいいですか?(作ってる途中だけど)」

「わあ雪の階段だ!」

など、お客様の様々な様子を見てとることが出来ます。

作った階段を通ってくれるは嬉しいものです。

・・・しかし、通りたい道、ショートカットしたい場所、入り口に近い場所、それぞれなわけで。

全ての場所に階段を作るわけにはいきませんが、大まかな段差作りや、ツルハシで足掛け場所を作るだけでも違うようです。

普通のクツとスキーブーツでは、歩きやすさや歩幅も違うもので、実際に歩いて出来栄えを確かめたりします。

段差は低く、幅は広く、エッジは鋭く、段は水平より奥に低くなるよう、そんなのがコツ、でしょうかね・・・。

うむ、綺麗に出来た!

 

階段を作っていると、スキー客ではない一組のお客様が降りてくるのが見えました。

先日、窓口で対応したテレキャビンの料金を尋ねに来られた、

目が不自由な方とお連れの方でした。

「ここの階段、通っていいですか?歩きやすい階段があって良かったわ」

作り途中もタイミングではあったものの、歩ける場所になっていて、良かった。

 

昨日の天気、吹雪。

今日の天気、晴天では無いが穏やか、五竜岳も見えて。

ねこにゃん うさぴょん

2012/02/05

白馬五竜には、様々な動物が現れます。

カモシカ、クマ、オコジョ、キツネ、

そして、猫や兎も出没します。

「よ」

「あっちだにゃん」

毎週日曜日は午後2時からキッズ向け宝探しイベントをやっています。

雪の中に埋めたカプセルを探して・・・、色々な賞品が当たります!

ネコやウサギに、会えるかも?

え・・・中の人が大変そう?

中の人なんて居ませんよ?

?五竜の経営陣が入っているとか、そんなことはありません。

ネコさんはネコさん、ウサギさんはウサギさんです。

みんなと会ったら、夕方は山に帰るのです。

「いってらっぴょい」

「さあ、わっぴょい」

からーん、からーん

ボクらは仲良し!

ところでキミ、今晩あいてる?

かもかもしかしか かもしかしか

2012/02/03

大雪から一転して、2月3日は綺麗に晴れました!

テレキャビン上に用事があったので、山頂まで行きました。

テレキャビンに乗ると、必ずしてしまうこと・・・それはカモシカを見つけること!

 

自称、社員で一番カモシカを見つける男。

オレの目から、獲物は逃れなれない。

十時の方向に目標を発見! (テレキャビンが写るこの写真は下りの時に撮ったもの)

まずは一頭、旧リフト支柱下。

そしてやや離れて、3頭。(赤丸の中に写るのは2頭)

あれ、欲しい・・・、って感じに何かを見上げているようです。

奥には3頭居ました。

こんな感じで見られれば運が良い方です!

そして、更に進むと別のカモシカが!

曇りなく、純粋な目とココロで見つめれば、遠くもの、見えにくいものも、良く見えるのであります。

上から見下ろすように見えました。

写真には写せませんでしたが、2頭いました。

 

カモシカを見つけることは多いのですが、この日は今までで最多の同時に6頭発見!!

山頂に上がると良い天気でした。

火打山、戸隠、志賀高原まで、良く見えます!

しかし、今日は残念ながら五竜岳などの北アルプスは雲で見えず。

スキーをしない方でも、山をカモシカを見るのに、是非おいで下さい!

それにしても、ここが夏は植物園になるとは・・・、我ながら植物に感心してしまいます。

雪かき

2012/02/01

日本海側は大雪のこの頃、白馬でも多くの雪が降っています。

この窓に雪が張り付くと、

→ 中に光が入らない

→ 雪を溶かすのに室温を使う→室内が寒くなる

そういうわけで、冬の雪国で植物を栽培するには雪かきも必要なわけで。

10分後。雪かき終了。

室温を少しでも高くしたいので、足元の雪も全てどかしました。

 

・・・20分後。

外へ出ると…見る間に雪が積もっています。

机の上にも、足元にも、ガラスにも。

室内から見るとこんな感じです。

夜降って、朝晴れた日には雪かきも効率的ですが、

そもそも雪の日には、光を入れるのはあきらめるべきか…。

そして、夜になると更に積もっていて。

明日も一からやり直し。

まあ、良い運動になるものか。

ちなみに7時?18時くらいの間の積雪量はこれだけ。

うむ、良い雪だ。

夏の準備

2012/01/28

夏の間は仕事が、実にたくさんあります。

園内の除草、歩道管理、植物の栽培などのハード面はもちろん、

それを理解してもらう展示や看板作成なども仕事です。

やらなければいけない事、やるべき事、

やってみたい事、やれば良くなるだろう事、

それらをどのバランスでやるものか、

優先順位、人手、天候等により決めなければいけない。

今年の夏シーズンは植物の栽培に、だいぶ人手や時間を費やした。

…ということで、植物の看板の整理や手入れ等はどうしても後になったもので。

 

冬の間は、案内カウンター、インフォメーション業務の職場を、3人のスタッフと担当しています。

人が少ない日に、看板の手入れ、張替え作業などを手伝ってもらったりします。

「ツボイさーん、夏の仕事、持ち込まないでくださいよ!」

などと言われつつも、4人で仕事を進めれば、効率は4倍にて。

そして、作業終わりには受付カウンターの向かいにある、ハーゲンダッツをおごるもので…。4人で1000円。うーむ、高いのか安いのか。

 

仕事の取捨選択、タイミング、進め方、色々と考えることは多いものです。

それは春か秋か

2012/01/25

例のごとく、冬のスキーセンター内でも窓側で植物を育てています。

気温はおよそ15℃前後。

外が晴れた日は25℃を超え、雪の日は10℃を下回ったりします。

的確な例えで言えば、春の気温変化に近いのかもしれない。

三寒四温、暖かい日もあれば、寒い日も来たりと。

 

しかし、同じような気温ならば、それは「秋」とも取れるのでは…?

種を播いたトレ―ですが、ものの見事に発芽、成長しています。

春に播くべき種ですが、この室内ならば充分に育つようで。

一方、こちらは夏の間に育っていたエーデルワイスを、秋頃から室内で育ててみたもの。先月まで緑色だったのですが、すっかりと葉の勢いも落ちてしまいました。

こちらも外国のサクラソウの仲間ですが、いつの間にか葉が枯れてしまいました。

根の様子や中心部の芽の様子から、死んでるわけではないのですが、2カ月ほど動きがありません。

こちらはマムシグサの仲間のウラシマソウ。夏の間は地上の葉は枯れて次の春まで休眠していたものを、冬も近づいた頃に室内に入れてみました。本来は4、5月に伸びてくる葉が、1月の今、伸びてきています!

 

平均15℃くらい。寒い日も暖かい日もある。

それを「春」ととるか、「秋」ととるか、

つまりそれは、その植物がどういう経緯を経ているか、でしょうか!

夏の盛りを過ぎ、段々と気温が低くなるのを感じ取った植物は、冬を迎える準備をする。ここで室内に入れても、それは秋が続いているということ、あまり成長しない。

種を播いて程よい気温にしておく、寒いところにあった球根を室内に入れる。これらの植物にとっては、春が来た!と感じるのでしょう。

けれど、個体差もあるものか。

同じ場所に置いていた青いケシの仲間。

右のは次々に葉を展開しているものの、左のは真ん中の葉が冬に備えるような形になり伸びてこない。

極端な加温で「夏」を再現すれば伸びてくるのでしょう。

しかし、設備が無いことと、

低温にさらしたあと、雪に埋めて「冬」を感じさせ、春まで休んでもらった方が植物にとっても、「自然」な感じになる、はず。

来週あたりに、「冬」を感じてもらうべき植物は、雪に埋める作業を考えています。

しかし、植物は気まぐれなようで。

一か月ほど前に葉が落葉した樹木ですが、いつの間にか新芽が動いていました。

うまく葉が伸びてくれるだろうか。

植物を育てることは、疑問と発見の連続のようです。

マンガで青いケシを見つけました

2012/01/17

ヒマラヤの青いケシ、その認知度はいかなものか。

あるマンガで青いケシが一部ながら登場していました。

掲載は、集英社のマンガ、「ゼロ THE MAN OF THE CREATION」。

原作、愛英史。漫画、里美桂。全78巻。

この地球に存在する全ての物を「本物」に複製する神の手を持つ男ゼロの物語。

ハードボイルドな作風は、美術版ゴルゴ13とも言われることもあるようで、

テーマは美術工芸品が多いもの、植物に関する話もあり、事実を基にしたフィクションながら、そのリアリティはなかなかのもの・・・。

 

273話 悪魔のチューリップ (2002年)

ウィルスにより変異の起こったチューリップを再現し、殺人事件が解決する…というお話。

 

330話 ヘレボラス・クリムゾナス (2005年)

ヘレボラスとはクリスマスローズのこと。

新たな品種を再現するために、未知の原種を探し求める…というお話。

発見の日本人研究家は実在します。

 

148話 ブラシノライド (1997年)

母の持病を救う古い薬の調合には、植物ホルモンが絡んでいた…というお話。

 

話のメインが植物でなくとも、重要なポイントになるところでは、色々詳しく描かれている。

 

事実に基づいたフィクションは、中々に興味深いものも多く。

人生の前半で剣を、後半で絵を描く宮本武蔵はそれぞれ別人…。

タイタニック号は保険金のため、偽装した別の船を沈められた…。

始祖鳥の化石はダーウィンを騙す為の反進化論者による偽造…。

 

色んな興味を引き出すのに、なかなか面白いこのマンガ。

最も、事実とフィクションの線引きはどこか知らねばならないし、それを調べるのも面白いようで。

長くなりましたが、好きなマンガに青いケシが載っていたのが、嬉しかったわけで。

新春日曜大工

2012/01/13

エスカルプラザ室内、植物の増加に対応すべく、

自販機の裏に新しい棚を作りました。

一見すると、何の変哲も無い棚。

新品の木材でもないので、むしろ小汚い・・・。

しかし、これには手作りならではの理由があるのです!

実は、エスカルプラザの壁ガラスは、ナナメになっています。

ここに市販の棚を持ってきても、無駄になる空間が多すぎるものです。

そして、ナナメのガラスに対応した上で、ガラスを支える鉄筋に合わせ棚板の高さを出し、強度向上、無駄の無い光の取り入れを確保!

さらに、指定の育苗トレーがピタリと乗せられる大きさ!

自販機ウラは狭いので、ちょうどがちょうどいい。

更に言えば、最上段の棚は自分の身長に合わせた難なく水を与えられる高さに仕上がっています。

さらに、日の角度が浅い冬ならでは、棚板が上にあるにも関わらず、光が良く入るという。

何と素晴らしい、エスカルプラザ専用育苗棚!

まあ、光とか水やりしやすい高さとかは合わせて作ったら勝手に決まったものですが。

これでだいぶ植物を置くスペースが増えましたが、

まだまだ植物の増殖には限りが無いようです。

気温差52.8度

2012/01/12

以前紹介したように、冬の間もエスカルプラザの室内で植物を育てています。

ガラス張りの室内は、外が晴れれば暖かい春の日くらい、雪が降れば温度は上がらず。

温度計の傾向を見ると、15℃くらいを基本に、天候でプラスマイナス10℃と変化します。

今朝はニュースでもやっていたような寒さ。

白馬も寒く、外に設置した温度計は朝6時頃で14.8℃。

今日は久々の良い晴れ。

室内の窓際では汗が出るほど熱く、その中で移植作業を進めます。

作業および育苗の空間の室温は、28℃。

(昨日は寒くて、たびたび暖房の前に移動していたのに)

そして自販機の廃熱もあるスペースでは、最高気温38℃。

朝の除雪や出勤時の気温と、日中の作業空間の温度差は、40℃から50℃。

良く、季節の変わり目は堪える・・・と言いますが、

そんなものを超越した何かがここにはあるようです。

注:植物のメインの置き場は最高28℃、朝が10℃くらいだったので、

植物にとっては丁度いい、くらいでしょうか。