緑の調律日誌

緑の調律日誌

北アルプスを向こうから

2011/10/12

植物園内から見る北アルプス白馬岳?五竜岳の眺めは良いものです。

写真右手には雨飾山、火打山、妙高山と見えます。

こちらから見えるということは、向こうからも見えるわけで。

では、どのように見えるのか・・・?

ということで、百名山の一つでもある、火打山に登り、山頂からこちらを眺めてみました!

遠くに見える稜線が北アルプス。

山頂に着いたのは11時半。ちょっと日が高くなっているせいか、かすんできています。

山頂手前で午前中に撮った写真ではこんな感じです ↓ 。

 

植物園はどこだろう・・・。

園内から火打山が見えるので、ここからも見えてるはずだけれど、さすがに遠くてわからないですね。

拡大して、右から白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳の白馬三山。

園内から見るより、白馬岳と杓子岳の間が相当開いているので、印象がだいぶ変わります。

真ん中の雪渓が大雪渓でしょうが、良くみえています。

 

ところで、火打山はこんな山でした。

天狗の庭という湿原が特徴的です。

天狗の庭を抜けると、あとは山頂までひたすら登り!

今回、連休の最終日に登ったのですが、多くの登山客が見受けられました。

写真は途中ですれ違った登山専門のツアー会社からのご一行様。

向こうからこっちも見えているのだろうな。

登りはつらいけれど、この間、眺めは常に最高です。

一週間前にはこのエリアも雪が降ったようですが、好天続きでも残っている場所がありました。

これからは更に新雪で埋まっていくことでしょう。

黒沢池ヒュッテのあたり。紅葉は山頂ではピーク過ぎ、登山口ではやや早め。

登っている最中が良い様子でした。

何というか、なだらかな場所も多いものです。

比べるとやはり北アルプスは険しい場所が多いものだと改めて感じます。

隣の芝は青い、では向こうの山の紅葉は・・・。

写真左の赤はハウチワカエデ、右の黄色はミネカエデ。

白馬五竜の自然遊歩道では、ミネカエデ等の黄色い木が多いですが、

心なしか赤い木が少ないように感じます。

白馬五竜は地質のせいで低い木が多く、目線の高さで木を眺めますが、

太陽が上にある時間帯は、木漏れ日のように見上げる位置も良いものですね。

火打山はやはり人気の山のようで、登山道、登山口、駐車場などもしっかりと整備されています。

道中の階段や木道には「平成22年度施工」ともあったように真新しい道が多いのが印象的でした。

 

たまには間近の山を離れて、遠くから眺めてみる。

色んなものが改めて見えてくるようです。

紅葉が見ごろです!地蔵のケルン

2011/10/05

さて、初冠雪もあった白馬では、紅葉が見ごろを迎えています!

今回の記事の中の写真は、全て2011年10月3日に撮影したものです。

地蔵の頭の周辺の色づきが良い頃合です!

ケルンの裏側から見ると、ケルンから山並みを撮影する人がたくさんいます。

ミヤマナラの紅葉。

この周辺にはたくさんあり、赤から黄色のグラデーションが特に鮮やかです。

マルバマンサク。

こちらもマルバマンサク。

同じ種類でこうも色が違うとは・・・。理由はなんでしょ?

ナナカマドの実が鮮やかです!

・・・ところで、実のところ、今年の紅葉はキレイで無い木も多い様子。

写真はミネカエデ。葉が焼けています。

暖かい日が長く続きすぎた上に、急に冷えたので体力の無い木は対応出来なかったのでしょうか?

よく見ると、ナナカマドの実の写真でも葉はあまりキレイで無いような・・・。

こんなことを書くと、営業部長殿に怒られるか!?(笑

いや、今までの写真はキレイに撮れてるだろうし、遠目にも分からない。

ただ、葉の写真にこだわりすぎる人は気がつくところも多いかもしれません。

このブログではホントのことをちゃんと書いていきたいもので。

湿原のあたりを見下ろしたところ。

良い感じに色づいてきています。さらに深まるでしょう。

地蔵の沼のあたりもすっかり色づきました。

ところで、テレキャビンの周りの紅葉はまだまだこれからです。

 

大まかな予想、傾向として、

10月8日?10日の連休頃では、自然遊歩道のあたりが見ごろ。

その来週くらいに、テレキャビン周りが色づいてる、それくらいでしょうか。

 

紅葉を見に、いこうよう!

良くあるシャレで締めくくるとします。

初冠雪!

2011/10/05

10月3日、山を眺めると、山が雪に覆われていました!!

北アルプス立山連峰で初冠雪、平年より5日早く、昨年より24日早いようで!

 

10月3日は仕事を休んでいた日で、山麓から眺めた景色に驚きました。

以下の写真は、10月3日より快晴だった、10月4日のものです。

園内からの景色。クリックして拡大してみてください!

地蔵のケルンから、冠雪した山並みが良く見えます!

紅葉もケルン周辺では見ごろです!

 

今日明日(5日、6日)は天気が悪いです。

しかし、前向きに考えれば・・・、

山頂では雪に変わる?→連休頃の休みには雪山と紅葉の景色が!?

さて、どうなるでしょう。

FM長野エバーグリーンキャンペーン Oasis79.7 ネイチャーミーティング in 白馬五竜

2011/10/01

本日、10月1日、FM長野さんとの企画で、植物園内、自然遊歩道をトレッキングし、秋を満喫するイベントが行われました!

まずは開会式。アルプホルンの音色が響きました。

数日前の天気予報では雨だったものの、雨の降る気配は無し!

・・・しかし、山麓から見上げる先は一面の霧・・・。

地蔵の頭を過ぎて、見返り坂まで上がりました。

晴れならば、ここから白馬の街並みを紅葉と共に見下ろせるのですが、霧で見通せるのは10m先くらいまで・・・。

同行されたお客様が言って下さった、

「景色は見えなかったけれど、お兄さんの解説が良かったから見えた気になったよ。ホラ、落語とかでも情景が浮かぶよね」

いや、嬉しいものですね!

そして、ぜひ次は晴れを狙って来てみてください!

数日前に登った時は緑色の葉が多かったものの、今日になっては相当紅葉が進んでいました!

一気に冷え込んだからでしょうか、正直ここまで紅葉が濃くなっているのには驚きました!

散策後には高山植物であるタカネナデシコの苗を配布しました。

何かと名前を聞くようになったナデシコ。

皆さん、頑張って育ててください!

昼ごはんの後は、お楽しみの抽選会。

折りたたみ自転車が当たった方は名古屋からの参加!

名古屋までこのチャリで帰る!のは無理だと仰っていました(笑

たくさんのご参加、ありがとうございました。

またのお越しをお待ちしています!

 

山でウィスキーを飲み、園内広場で水割りを飲んでいたお父さん、最後にはビールを飲んでいました。

「あちこちで飲んでいますね!」

「そうさ、標高に応じて段々薄めていくのさ」

「・・・じゃあ、帰って飲むのは水ですね(笑」

「一本取られた、次来る時は覚えてろよ!(笑」

「また来てくださいね」

色々あった楽しい一日となりました。

今年の紅葉は遅い!?

2011/09/30

植物園に隣接するアルプス平自然遊歩道では、紅葉する木も多く、秋にはおすすめの散策路です。

ところで、今年は紅葉が遅いように感じられます・・・。

先日歩いた時の写真と、別の年の同じ日に撮った写真を比べてみました。

2011年9月27日

2009年9月27日

なんということでしょう。

どう見ても、ものすごく違いますね。

今年の紅葉の傾向、などの評判は聞いたことは無いですが、遅れているのは事実のようで。

個人的な見解では、標高1500m以上でも9月に暑いと感じる日が多かったので、そのせいで遅れているのではないでしょうか。

五竜岳から下山してくる方に話を聞いても山頂などの紅葉もまだ早かったそうです。

 

それでも、最近はめっきり寒くなってきました。

急に寒くなったもので、これから一気に紅葉する?

これからが楽しみです。

小さくても咲きます

2011/09/26

種から植物を育てていると、色々な発見があります。

単純かつ気になること、「種播いてから何年で咲く?」

生育環境が第一でしょうが(温度や肥料)、同じ環境でも個体差が出るのは当然のようで。

エーデルワイス。

200株ほど同じ環境で栽培していたのですが、気がつけば一株だけ咲いていました。

これは、一面が雪に覆われている3月ころ、スキー場室内の窓側で種を播いてみたもので、つまりおよそ半年で咲いたものです。

ミヤマトリカブト。

あら、まあ可愛い。

花を鈴なりに咲かせるトリカブトですが、1つだけ花がついています。

種を播いてから二年目。上手に育てれば二年で結構咲くのでしょうが、育て方がまだ下手だったのか、他はまだ小さいままです。

 

こういうのを見ると種から育てる楽しみを実感しますね。

【予告?】紅葉の三段活用

2011/09/26

三段紅葉、里は緑、ここは赤、山は雪の白。

写真は2009年のもの、日付は10月12日です。

雪が降ったようなその日の朝にはこんな感じに見られます。

晴れが二日も続けば山頂の雪はまた溶けてしまうでしょうし、天気が悪すぎて山が見えなければ意味も無いわけで。

今年はどうでしょうか。

運と勘、もしくは長期滞在!良い景色を目指してみてください!

最近の園内は

2011/09/25

台風が過ぎ去って連休は晴れが続いていました!

朝の営業前でも登山に行かれる方の車がこれだけ停まっています。

テレキャビンまわりのブナの紅葉はまだ先のようです。

白馬の田んぼが一望出来ますが、だいぶ稲刈りも進んできているようです。

晴れていても雲の流れが速く、山頂が見えるかは運次第のようです。

園内で綺麗に咲いているマツムシソウ。

咲いたら枯れる二年草であるため、管理をしないと花があまり咲かないときもありますが、間引きや肥料管理などが上手くいったのか、今年は今までで一番たくさん咲いている気がします!

シシウドの種の熟し具合が良い頃合だったので、園内で咲くことを想像しつつ種を振りまいて歩きます。

季節はずれのハクサンイチゲが咲いていました!

コマクサもまだ咲いていました!季節はずれというか、結構遅くに咲く個体もあるようです。

こちらは青いケシの葉。今年咲かなかったものでも、大きく成長しています。次の夏に咲くのを期待!

自然遊歩道ではリンドウの花がたくさん咲いています。

コウメバチソウもどんどん咲いて、今がピークでしょうか。

花だけではない、ナナカマドの赤い実。

紅葉が綺麗な木ですが、この時期の姿も見事です!

 

秋がどんどん深まる白馬五竜。

この3連休はたくさんのお客様のご来園、ありがとうございました。

来週ぐらいからは本格的な紅葉の時期も始まるでしょう。

またのお越しをお待ちしています!

第200回 長野県植物研究会例会

2011/09/14

長野県植物研究会、というものがあります。

県内の植物研究者・・・、大学、県職員、博物館、民間の調査会社など、現役で植物を扱う仕事をしている人から、仕事でなくとも植物の道を究めるべく生きがいとする方々まで、様々な人が集まり、長野県の植物をあらゆる面からとりあげ、研究している会、といったところでしょうか。

長野県だけでなく、各都道府県にはこういった集まりがあります。地域の植物の情報収集を広く行っているわけです。

例会とは、会員が一同に集まっての観察会、勉強会になるわけですが、40年以上の歴史の中で今回は記念すべき200回を迎えました!

県内各地で例会を行うのですが、1泊2日の今回の例会は、白馬でした!

村内北部にある塩島城址を歩き、出会う植物全てのリストを作りながら、種の見分け方や分布の仕方など話題はつきません。

2日目のフィールドは村内中心部にある平川の上流部。

遠見尾根と八方尾根を分ける川であり、蛇紋岩地の植物がところどころにある興味深いエリア。

長野県環境保全研究所の大塚氏によるシダ講義。

シダ研究家として代表的な氏の話に皆が耳を傾けます。

大抵の植物観察会は、出会う「花」を主に扱います。

流行?のエコツアーでは、植物だけでなく、動物や地球環境などを広く扱い、親しむことが目的です。

研究会の例会は植物を純粋に深め掘り下げていきます・・・。

花は花としてでなく、分類の一手段としての特徴として捉えます(勿論、楽しむ心は忘れない)。

動物や地球環境と絡めてみても、それはその植物が、何故ここに在り、どこに在り、どのように在るのか、それを理解、推測、探求、証明するための過程です。

大半の人が見向きもしないだろう植物について語り、見つけない植物を見つけ、静かに激しく喜び興奮する、そんな会(と思っています)。

夕飯を食べながら語るのは、どこの席でも植物を中心とした話題。

夕食後にはスライドを見ながら意見を交わします(今回は白馬ということで私が担当、園内のことや植物のことなど)。

部屋で飲む酒の肴は植物標本(『ここのこの毛の生え方がこのように違うでしょう!』など)。

 

こういう凄い人、素晴らしい人に囲まれた環境にいると、自分の経験の浅さ、目指すべきもの、それを深く感じます。

やらなければならない仕事だけでなく、やるべき仕事は何か、やる「べき」ことの上限を上げつつ具現化しつつ、邁進していきたいものです。

祖母のサギ草

2011/09/07

植物好きの祖母がいるのですが、良く見せてくれた花があります。

サギソウというランの仲間ですが、白い花がサギが飛んでいるように見えるものです。

それを室内で、室外で大事に育て、自慢げに話してくれたりしました。

育ててみて、と球根を貰い育てていたところ、ようやく花が咲きました。

両親、兄弟は、植物や山には全く興味がないものの、自分が大学で、仕事で植物を扱うようになったのも、この祖母の影響が大きいと思っています。

その祖母からもらった山野草ですが、大事に育てていきたいものですね。