緑の調律日誌

緑の調律日誌

リフトの植物ご案内

2011/07/15

園内の上り坂を行くことの出来る、アルプス展望リフト。

今はニッコウキスゲが見ごろです。

リフトに乗りながらも植物を見ることが出来るのですが、それらの植物をきちんと知りたいという要望が多いものでした。

そこで、リフトに乗りながら見える大きさ、流れるリフトから見えるような、読みやすさを心がけた最低限の解説を書いた看板を作り、設置しました。

例えば、リフトのことであったり、おすすめのコーヒーなどの看板も作りました。

植物ばかりではつまらないので(儲からないので!笑)

設置後に試しにリフトに乗ったら、見やすいように出来たと思います!

リフトに乗りながらの話題作りにも良さそうです。

例えば紅葉の時期には紅葉の解説をするとか、そんなのも良いかもしれません。

山の観光では色んな場所にリフトがありますが、知っている限りではこんな感じで見やすく設置した場所は他には無いです!

 

ところで、割と強制的に見せられる位置に設置しているので、・・・今度は広告料でもとって色々と宣伝しようかしらね(笑

ニッコウキスゲが見ごろです!

2011/07/13

ニッコウキスゲの花をご存知でしょうか?

野生のユリ科の植物ですが、県内、県外であちこちで群生する姿が特徴的なものです。

植物園内でも、アルプス平自然遊歩道でも見ごろを迎えてきています!

展望リフトに乗りながら、こんな景色を見ることができます。

上の写真の場所を歩いてみると、こんな感じです。これからまだまだ増えるでしょう!

地蔵のケルン周辺でも多くのニッコウキスゲを見ることが出来ます。

アルプス平自然遊歩道の湿原内にも多いものです。

まだまだこれから増えるのですが、それでも遠目に黄色い花が目立ってきています。

地蔵の沼の周辺には特に多く、ワタスゲの穂とともに見られる姿が印象的です!

地蔵の沼ではルリボシヤンマが羽化の真っ最中でした。

大型のトンボ、あのオニヤンマに近い仲間で、体の青い色が特徴的です。

ニッコウキスゲ、今でも十分綺麗なのですが、まだまだつぼみも多く、これからどんどん増えてくるでしょう!

開花の数が当たりの年とはずれの年があるようですが、今年はどうも当たりのようです!

一番の見ごろは週末の連休あたりくらいでしょうか。

ゴンドラで手軽に上がれる園内、アルプス平自然遊歩道までぜひ見に来てください!

コマクサを植えよう! 2年目

2011/07/13

昨年、テレビ信州(日本テレビ系列)のイベントで、信州のご家族で園内のコマクサを植えるイベントを行いました。

そして今年の7月10日も同様のイベントが行われました。今年から参加の方と、昨年植えたコマクサがどうなったか!それを見に来られる方とです。

北陸コカ・コーラさんの協賛で、参加者、スタッフは赤いキャップやシャツをつけています。

園内は高地で涼しい上に、コカ・コーラさん提供の飲み物のおかげで脱水症状の心配も無しです!

昨年、今年と参加されたDenさんのご家族です。

昨年のコマクサが綺麗に咲いていました。

園内の確認のため、当日朝、現場の確認をしているとイベント開始の前にいらっしゃったDenさんご家族。

昨年植えたコマクサが気がかりだったようで、咲いているコマクサを見てうれしそうな感じが印象的でした!

コマクサの植栽、園内のトレッキングを午前中に行い、午後は山麓のエスカルプラザにて体験イベントを行いました。

一つはヒノキ間伐材を使ったマイ箸作り。角材を専用の台座に固定して削って箸の形に仕上げます。

もう一つは、葉画体験。

これは、魚拓のように葉の形を写し取り、自分の好きな色に塗り仕上げていくものです。

モミジの葉を使ったのですが、葉の大きさ、配置、塗る色で全く違った個性ある作品に仕上がります!

絵手紙などより、比較的簡単に面白い作品が仕上がるのが特徴です。

創作葉画についてはこちらのブログもご覧ください。

むらの研究所

http://blogs.yahoo.co.jp/yuu_reserch/5653989.html

この日に体験の様子は、テレビ信州のゆうがたGet!、7月14日(木)午後4時30分?5時50分のどこかで放映予定です。

長野県内のみの放送になりますが、県内在住の方、ぜひご覧ください!

 

このイベントを通じて、高山植物のこと、山の自然のことなどに興味を持っていただけたら幸いです。

参加者の方、ありがとうございました!

白馬岳登山

2011/07/08

北アルプスを眺めながら園内の植物を管理していると、やはり現地に行って自生の植物を見たくなるもの。

まだまだ雨の多い時期ですが、先日、白馬岳まで日帰りで登山をして植物を観察してきました。

白馬尻から大雪渓

キヌガサソウ

キヌガサソウの出たての姿は折りたたまれた傘のようでした

オオサクラソウ

シラネアオイ

ハクサンイチゲ

クジャクチョウとウルップソウ

ウルプウソウ

ウルップソウの白花でした

ツクモグサ

ライチョウ

 

今年は残雪の多い時期。7月でしたがツクモグサやウルップソウなどが見ごろでした。

さて、明日からも山を眺め、野生の植物を思い出しながら園内の植物を育てていきましょうか。

慰霊碑のヘビ

2011/07/05

地蔵のケルンからちょっと先に進んだ所に、山岳遭難の慰霊碑があります。

実はそこに行くと、ほぼ必ずといっていいほどヘビをみかけます。

種類は、アオダイショウやシマヘビです。

ほどよい岩場の感じが良いのか、岩の隙間を住処にしているようで、近寄ると決まった穴に隠れていきます。

 

ところで、最近アオダイショウとヤマカガシが仲良くいるというウワサを聞き、今日見に行ったところ、ウワサ通りのものを見かけました。

からみあうアオダイショウとヤマカガシ。

こんなにヘビ同士って仲の良いものなんでしょうか・・・?

自然遊歩道に地蔵の沼にはカエルも多くヘビのエサとなる生き物もいるのですが、この場所は決してエサが多いわけではないような。

異種のヘビたちが仲良く同じ場所に暮らしている・・・、「遭難した方たち」では?と、やはり考えずにはいられません。

今年の青いケシは

2011/07/04

昨年から開花が見られるようになったヒマラヤの青いケシ。

今年は昨年の暑さや雪解けの遅さから開花が遅れていましたが、ようやく咲き始めています。

園内広場に小規模ながら青いケシを観察できる場所を作りました。

あまり園内を歩き回れない方も、雨の日で園内を歩き回るのが面倒なときも、ゴンドラを降りてすぐに手軽に観察することができます。

園内でも次々に咲いてきています!

7月の半ば過ぎには一つのピークを迎えると思います。

おそらく7月の海の日連休あたりではなかなか綺麗に咲いていると思います!

ぜひお越しください!

ニッコウキスゲを増やそう

2011/07/04

ただいま自然遊歩道の方ではニッコウキスゲがどんどん咲き始めています。

この黄色い鮮やかな姿は万人に受け入れられる魅力があるものと思います。

アルプス平自然遊歩道にも多いものですが、ニッコウキスゲが一面に咲く場所はあちこちにあり、その光景は圧倒されるものです。

植物園内にもニッコウキスゲはあるのですが、土が合っていないのか、株が古くなってきたのか、イマイチ咲きが悪いものです。

過去に植えたものが花が咲かず、どうも株が細かく分岐するようになってきているようです。

そこで、株を掘り起こし、一本ずつ分けて再度植えなおす作業を試しています。

写真のものは全て今年咲かなさそうなもの。これでも園内の数パーセントに満たない数。園内には潜在的に相当な数のニッコウキスゲがあるものです。

今年も去年も咲きそうに無いニッコウキスゲ、それを掘り出し一本ずつバラして離して植えてみます。

ちなみに昨年も同様に、花が咲きそうにない株を掘り起こしましたが、これを一本ずつポットで育てたらきちんとつぼみが伸びてきました!

これらは園内の良い位置に植えてみました。

きちんと管理すれば来年も咲いてくれるでしょう。

白馬五竜高山植物園は地元観光組合と地域一体になって作ってきた経緯があり、現在も定期的にボランティアとして作業を手伝って頂いています。

今回は午前中に皆で植える場所の雑草取りをし、午後にニッコウキスゲを堀りあげ、植えたものです。

これらを上手く管理し、園内を黄色で埋め尽くしてみたいものです!

一面の黄色はまだ先でしょうが、園内のつぼみを見る限り、昨年より増えてきたように感じます!

植物園のお仕事

2011/06/30

植物園の仕事は園内の植物管理、看板や展示の作成、ガイド、育苗作業等いろいろありますが、こんな作業もあったりします。

園内に新しく道を造成しています。

直線的な道だけだと急勾配になりやすいので、花畑のすぐ横を横切れるような道を作っているところです。

道になるところの植物をどけ、適切な場所への移植もしたりします。

積み重ねてあるのは畦畔ブロック。

「最近は田んぼで見なくなったなー」と近所のおじさんも言っていたりしますが、園内では歩道に用いたりしています。

こちらは育苗スペースが狭くなってきたところで、植物を置ける場所を増やしています。

黒いシートは防草シートといいますが、草を刈ったところにこのシートを敷くと雑草が生えなくなるので、植物を置いたり、時には棚を設置して、植物を育てるスペースにしています。

山麓の施設で育てていると、気温が高いことから植物の開花が園内のものより早まります。

ニッコウキスゲのつぼみが膨らんできたので、近々園内に植栽を予定しています。

園内に咲くものよりも一足早く開花を楽しめるように、そんな工夫もしたりしています。

 

体力も、頭も、技術も必要な、多岐に渡る植物園の作業。

梅雨の晴れ間を利用したり、雨の日こそ植物を外に植えたり、夏の間はやることが多いものです!

コマクサ見ごろです!

2011/06/26

園内ではコマクサの花が見ごろを迎えています!

時には白いコマクサも咲いていたりします。

園内にはあちこちにコマクサの実生がみられます。

昨年こぼれた種が初夏の今になって芽生えているものですね。

これらも何年かすれば(園内ではおよそ2?3年から)花がまた咲いていきます。

ロックガーデンの山頂で特に綺麗にさいているものです。

このような角度で撮ると、高山のてっぺんで撮ったように写るようです!

こだわって後ろの山や鉄塔を隠せばまさに気分は高山です!

お気に入りの写真を撮りにぜひお越しください!

アルプス平自然遊歩道の開花

2011/06/26

今日は開山祭。地蔵のケルンにて安全祈願が行われました。

終わった後にアルプス平自然遊歩道を歩いて最近の植物の開花状況を確認してきました!

湿原にはまだ雪が残っています。

雪解け間もない場所にはミズバショウがまだ小さく咲いています。

この調子でいけば7月に入っても綺麗な花がみられるでしょう!!

こちらはイワイチョウの花。

葉っぱがイチョウのような形をしています。

コバイケイソウです。年によって開花の当たり外れがあるようですが、今年はどうも当たりのようです!あちこちで花が咲いています。

ワタスゲも湿原でみられます。雨に濡れてションボリしているようですね。

ザゼンソウの花もまだまだ綺麗に咲いていました!

山麓では4月の花ですが、雪解けの遅い自然遊歩道ではまだまだこれから咲くのもあるようです。

ザゼンソウやミズバショウが7月でも見られる、こんな場所はなかなか無いですよ!

地蔵の沼ではレンゲツツジが見ごろを迎えています!

沼の周りにはミズバショウがあり、白い花が残っている・・・と思いきや、写真の白い泡はモリアオガエルの卵です!

自然遊歩道には多くのカエルがみられるのも特徴です。

自生するシラネアオイの花もまだまだ綺麗に咲いていました。

こちらはスミレでも最小クラス、白い花を咲かせるツボスミレです。

白くて可愛い控えめな花を咲かせるツボスミレ。

わたくし坪井の名前に似ていて可愛いですね!!!(笑

 

残雪が多いおかげで、雪解けすぐの植物も、初夏の植物も同時にみられるアルプス平自然遊歩道。

ぜひ歩いてみて下さい!