緑の調律日誌

緑の調律日誌

久々の快晴です!

2011/06/23

6月16日の開園以来、綺麗に晴れることが無かったものの、今日はようやく北アルプスもしっかりと一望出来る最高の天気になりました!

コマクサやシラネアオイの花も良い感じに咲いています!

園内の開花情報などはビジターセンター前のホワイトボードにも示してあります。

ところで、ホワイトボードの記入ですが、私が書いたものの「字がきたない」ということで、レストランのおねえさん達が書き直してくれています!!(失笑 ありがとうございます!

現在咲いている花は、

コマクサ、シラネアオイ、チングルマ、クロユリ、チョウノスケソウ、ウルップソウ、ミネズオウ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、オオバキスミレ、トガクシショウマ、ミズバショウ、ザゼンソウ、ノウゴウイチゴetc・・・。

雪解けから半月?一ヶ月くらいの園内では、まず最初に咲き出す植物たちが色々と咲いています!

この時期だけの花をぜひお楽しみに。

エスカルプラザでの展示は

2011/06/23

さて、以前エスカルプラザ内にビジターセンターのように展示を作るといっていたスペースですが、

こんな感じに今なっています。

小難しいものは置いておいて親しみやすいスペースを・・・。

そんなことを目標に展示を作ってみました!

テレキャビンで園内に上がる前に立ち寄ってみてください!

カモシカと写真を撮れるようにしてあるのもおすすめですよ。

園内色々と咲いてきました!

2011/06/13

6月16日の開園が迫ってきました。

園内では雪解け後に最初に咲いてくる高山植物たちがたくさん咲いてきています!

キバナシャクナゲ

ミネズオウ

ハクサンチドリ

クロユリ

ハクサンイチゲ

シナノキンバイ

良く聞かれる質問では、「一番花がキレイなのは何月ですか?」というもの。

花の数が多く、一回だけ来るとしたら、「7月」がおすすめではありますが、

ここに紹介した高山植物はほとんどが6月中旬?7月最初に咲いてしまうものです。

3日前にはほとんど咲いていなかった植物が今日ではたくさん咲いていたもので、

更に言えば、半月後にはほとんど花は終わっていることでしょう。

その頃には違う花がまた咲いてきます。

つまり先の質問には、「そんなの答えられません!」が本音。

日々、月ごとに移り変わる植物を見るのに一回だけで楽しめるわけは無いわけです。

園内のコマクサも花が多くなってきました!

雪解けの早いロックガーデンでは見ごろを迎えてきています。

(雪解けの遅いゲレンデ斜面ではつぼみもまだまだ)

コマクサの花を綺麗に写真に撮るには早い方が良いものです。

コマクサの開花はおよそ7月いっぱいと長いものではありますが、後半になると咲き終わった花、種になってきたものが同時に写真に写るので、写真にこだわる方は6月中がおすすめです!

普段携帯しているコンパクトなデジカメですが、それなりに綺麗に撮れました。

知る人ぞ知る高山植物の名花、ウルップソウです。

このアングルで撮ると、どこかの高山で撮影したように見えますが・・・、

立ち位置で撮ると、やはりいつもの植物園内。

アングルに凝りつつ、山のてっぺんで撮ったような写真を演出するのも面白いものです。

一方、ブナ林の中では、ツバメオモトやシラネアオイなども咲いています!

これらの花も6月中に咲き終わるものがほとんどです。

 

この記事の写真は、全て今日撮ったものです。

来週のうちに来られた方は今日のような植物に出会えることでしょう!

まだまだ来園者も少ない6月の頃、今しかない植物に、会いにきてください!

開園一週間前の園内は

2011/06/08

さて、開園まであと一週間となりました!

園内はこんな様子。雪はすっかり溶けました。(残っているところもあります!)

今日の作業は、自然遊歩道のロープ杭立てです。冬にゲレンデとなる場所の遊歩道、道沿いに倒していた杭とロープを立てていきます。

雪解けのこの時期におすすめなのは、雪解けすぐに咲くブナ林の植物です!

シラネアオイ、ツバメオモト、トガクシショウマ、サンカヨウなど色々と咲いています。

ブナ林から一歩出た高山植物園では、チョウノスケソウ、ウルップソウ、ハクサンイチゲなどが咲き始めています!

これらの植物は本格的な夏の7月頃にはほとんど咲き終わってしまうもの。6月の開園すぐがおすすめです!

コマクサも咲き始めました!ロックガーデンの山頂部分は一番雪が薄く、コマクサの開花も早いものです。

足元を見ると発芽したてのコマクサも数多くみられます。写真をクリックして拡大すると、黒い種のカラをかぶったままの芽生え、見えますか?

高山植物園を抜け、自然遊歩道へ。

アルプス展望リフトの降り場のステージ板張替えが進んでいます!

このリフト降り場、写真の左側が黄色くなっているのがわかりますか?

キジムシロが一面に咲いています。

遠くに見える小遠見山への森の中にはまだまだ残雪があるようです。

湿原の方に入ると、まだまだ雪が残っています。歩道部分は開園時には溶けてますかね。

そしてこのあたりでは、こんな時期にカタクリの花がまだ咲いています。雪が溶けた場所から順に咲いていきます。

サクラと同じ頃に咲くもので、東京や神奈川では3月の花、白馬の山麓でも5月最初の花ですが、この場所では今咲いているわけです!

ミズバショウやザゼンソウも良い感じに咲いています。開園時にもまだまだ咲いているはず!

地蔵の沼の周りもミズバショウに囲まれています。

・・・ところで気がつきましたか?この写真、上下が逆です(笑

沼の底が黒く、鏡のように綺麗に空も花も映ります。

コイワカガミ、ハルリンドウといった花も足元にちょくちょくと咲いています。

人知れず、さりげなく咲くマルバマンサク。葉が生い茂る前に花をたくさん咲かせます。こういったものを見られるのも、この6月ならではの景色です。

 

最後に・・・

何か泣き声がするので、水路をそっと覗いてみると・・・

ヒキガエルでした。繁殖のこの時期、あちこちに卵がみられます。

 

いよいよ、6月16日の開園が迫ってきました!

残雪消えて間もない園内の花と山の空気を楽しみに、ぜひお越しください!

春の植物のゆくえ

2011/06/03

白馬五竜高山植物園の山麓にある、五竜かたくり苑。

三週間前の満開時には斜面一面を紫色にするほどでした。

 

さて、今はどうなっているのか。

2011年6月3日

あたりは背丈の高い草で覆われています。

これらの草が伸びる前に真っ先にカタクリなどの春の植物は花を咲かせるわけですね。

そのカタクリは、今はこんな感じで。

葉っぱは、まさに溶けるといった表現が適切なように、薄く透けるくらいになっています。

花茎と果実だけはしっかりとしていて、種はこれから熟す時期です。

わずか一ヶ月くらいの短い期間しかみられない春の植物たちも、そろそろ種を作り、次の春まで一年近い休眠へと入ります。

 

さて、夏が始まりますね。

葉の先から

2011/06/03

夕方に植物に水をやろうとして気づいたこと。

コマクサの芽生えですが、葉の先端からきれいに水滴が出てきています。

どうも例外無く全ての葉から出ているようで。

葉が一枚の芽生えだけでなく、成長してきたコマクサの葉っぱも同様でした。

 

この日の天気は、雨のち晴れ。屋根つきの場所なので雨粒が当たったわけではなく。

時間や湿度、天気などと関係して、どんな時にこうなるのか・・・。小学校の自由研究とかだったら面白いテーマなのかもしれません。会社の人のお子さんに調べてもらおうかしら・・・。

ちなみに気がつけば部屋の中で育てているヒメウラシマソウも同じように分かれた葉の先端から水滴がついていたりします。

毎日の水やりも、こういう何かを探しながらやると面白いのかもしれません。

ビジターセンターもう一つ

2011/06/01

最近までカタクリが咲いていたような気もしますが、だんだん春らしさが無くなり、気がつけば6月になってしまいました。

白馬五竜高山植物園には、建物内にビジターセンターを設置してあります。四季の写真や植物のことなどを展示しています。

 

白馬五竜のベースセンター、エスカルプラザ。実はここに、もう一つビジターセンターを設置することになりました。

冬の間、スポーツショップがあった場所ですが、この何も無い場所に、あらゆる情報を展示しようというわけです。

植物園に行く前に、行った後に、より良く園内を知ることの出来る場所になればと思っています。

 

さて、開園まであと半月。

日ごろの植物管理から園内の管理、二か所のビジターセンター設置など、あらゆる準備に大忙しです。。。。

現在の花は?

2011/05/25

現在は閉園中の白馬五竜高山植物園。

積雪がまだ多いことと、リフトやゴンドラの整備点検の時期であることから閉園中です。(開園は6月16日から)

多いところでは1m近く積雪がある園内。今日は修学旅行の学生で賑わいました。

雪合戦をしたり、ビニール袋で滑ったりする無邪気な姿は、…どこか遠くに忘れたものを思い出すようです……。

こちらは夏に青いケシの咲いた外国産ロックガーデン。まだ雪が残っています。

しかし、北アルプスのロックガーデンは雪解けが早いもので、ハクサンイチゲが咲いていました!

雪解けの早い場所から咲き、雪解けの遅い場所でも6月中には咲ききってしまう高山植物らしい高山植物です。

コマクサではつぼみがわかるものもありました。大半は芽を出したばかりですが、早いものでは6月から花が咲いていきます。

クロユリ(上)やウルップソウ(下)はつぼみが見られました。園内での開花が多いのは7月ですが、これらの植物は6月中が一番きれいなものです。6月ならではの花を見たい方は是非6月にご来園を!

植物園の上部では、自生のヒメイチゲが咲いていました。

キンポウゲ科のイチリンソウ属で一番小さいものです。大きさは指先よりはるかに小さいくらい。

イチリンソウ属、といってもピンと来ないので、ハクサンイチゲ、キクザキイチゲ、ニリンソウの仲間、と言えばわかるような気がします。

歩道の真ん中ではヤナギランが生えてきていました。7月末?8月の花ですが、今から咲くのが楽しみです。

 

今回紹介した花を見るには6月の開園すぐに来ればおよそ見られたりします。

7月に咲いている場合もあるのですが、咲き終わりの状態だったりします。

しかし、一番きれいな時期にピタリと来るのはなかなか難しいものです

6月16日の開園をどうぞお楽しみに!

5月15日、冬?春営業終了

2011/05/16

白馬五竜スキー場の冬?春営業は、5月15日を持って終了しました。

これから一ヶ月間は整備点検の時期に入り、白馬五竜高山植物園は6月16日からの営業となります。

2011年5月15日の状況です。

最近までスキー場を営業していただけあって、雪はまだたくさんあります。

場所によって積雪は違いますが、多いところで2m近くでしょうか。

一方でロックガーデンの方は風で雪が飛ばされやすいこともあり、ほとんどで雪が溶けています。

場所によって雪解けのスピードが違うのは高山も同じ。高山ではその雪解けの差が、生育する植物、開花時期のバラつきなどを生み出し、多種多様な生態系が作られているものです。

植物園の上部では、ザゼンソウが咲いていました。

茶色いミズバショウの仲間ですが、自分で熱を持つため、周りの雪が溶けています。

場所によってはフキノトウがたくさん出ています。

山菜として有名で姿はかわいいのですが、キク科の植物だけに成長すると綿毛を飛ばし、あちこちに生えてきます。

そうすると雑草として抜き取ったりしないといけないのですが・・・、この時期に取っておけば、増えすぎるのを多少は抑えられる!ということでフキノトウを採り、油で揚げて処理してしまいました(笑

残雪の北アルプスを望む園内にて、雑草駆除を兼ねフキノトウを採り、レストランで天ぷらやそばを楽しむエコツアーなども企画出来るような気がします。

白馬五竜高山植物園の営業は6月16日からになります。

営業開始すぐにはチングルマやシラネアオイといった雪解け後すぐに咲く植物が綺麗に見られるはずです!

初夏の白馬にもぜひお越しください!

白いカタクリ n万分の2の確率

2011/05/11

白馬五竜かたくり苑が最盛期を迎えています。

今年は雪解けが遅く例年より遅れたものです。

2009年は4月28日ごろ、

2010年は5月5日ごろ、

2011年は5月8日ごろ、が満開でした。

写真は2011年5月8日撮影 遠くでも一面のむらさき色が見えます。

たった数日、されど数日、カタクリの花は、一日に全体の一割近く推移するので、一週間のズレは5割以上のカタクリが有るか無いかの差になるわけです。

例えば、2009年に4月の終わりが綺麗だったから、今年もそうかしら、と同じ時期に来た人は全然咲いていないカタクリを見たことでしょう。

 

一面に咲く、五竜かたくり苑のカタクリ。

こういう場所で、むらさき色のカタクリを、じっっくり目を凝らしてみると、

白いカタクリが見つかるかもしれません!

五竜かたくり苑では、今年は2株見つけることができました。

野生のカタクリの白花は非常に珍しいといわれています。

何万分の一かで出るようですが、五竜のかたくり苑は一体何株あるのやら。

10万株ともいわれますが、近隣の森の下にもかなりのカタクリがあるので、それらも合わせれば、かなりの低い確率といえるでしょう。

もっとも森の中だと白いカタクリを探すのも大変でしょうが・・・。

白いカタクリがあると知らずに見つけるのは至難の業でしょうが、

あると思って探せば、目を凝らして頑張って見つけられるかもしれません。

白いカタクリは昨年と同じ位置で今年も咲いていました。

カタクリの花には周期があるようで、今年咲いたものが来年も咲くとは限りませんが、それでも来年にも咲いている可能性は大です。

今年新たに見つけた白いカタクリは、去年には咲いていなかったわけで、来年には別の新しい白いカタクリが咲く可能性も十分にあります!

まだ見ごろのカタクリを見に来るも良し。

来年に来られる方は白いのを見つけてやるぞ!という目標を持って来るのも面白いかもしれません。

植物を見ることには色んな楽しみ方があると思います。

ところで、先の写真の一日前ではこんな様子。

他のカタクリは咲いているのに、白だけまだ…。

一日早い、遅いだけでベストな時期を逃してしまうカタクリ。

良い開花時期、天気、時間、そういったものをうまく合わせられるのは、運頼みです!