緑の調律日誌

緑の調律日誌

白馬岳登山

2011/07/08

北アルプスを眺めながら園内の植物を管理していると、やはり現地に行って自生の植物を見たくなるもの。

まだまだ雨の多い時期ですが、先日、白馬岳まで日帰りで登山をして植物を観察してきました。

白馬尻から大雪渓

キヌガサソウ

キヌガサソウの出たての姿は折りたたまれた傘のようでした

オオサクラソウ

シラネアオイ

ハクサンイチゲ

クジャクチョウとウルップソウ

ウルプウソウ

ウルップソウの白花でした

ツクモグサ

ライチョウ

 

今年は残雪の多い時期。7月でしたがツクモグサやウルップソウなどが見ごろでした。

さて、明日からも山を眺め、野生の植物を思い出しながら園内の植物を育てていきましょうか。

慰霊碑のヘビ

2011/07/05

地蔵のケルンからちょっと先に進んだ所に、山岳遭難の慰霊碑があります。

実はそこに行くと、ほぼ必ずといっていいほどヘビをみかけます。

種類は、アオダイショウやシマヘビです。

ほどよい岩場の感じが良いのか、岩の隙間を住処にしているようで、近寄ると決まった穴に隠れていきます。

 

ところで、最近アオダイショウとヤマカガシが仲良くいるというウワサを聞き、今日見に行ったところ、ウワサ通りのものを見かけました。

からみあうアオダイショウとヤマカガシ。

こんなにヘビ同士って仲の良いものなんでしょうか・・・?

自然遊歩道に地蔵の沼にはカエルも多くヘビのエサとなる生き物もいるのですが、この場所は決してエサが多いわけではないような。

異種のヘビたちが仲良く同じ場所に暮らしている・・・、「遭難した方たち」では?と、やはり考えずにはいられません。

今年の青いケシは

2011/07/04

昨年から開花が見られるようになったヒマラヤの青いケシ。

今年は昨年の暑さや雪解けの遅さから開花が遅れていましたが、ようやく咲き始めています。

園内広場に小規模ながら青いケシを観察できる場所を作りました。

あまり園内を歩き回れない方も、雨の日で園内を歩き回るのが面倒なときも、ゴンドラを降りてすぐに手軽に観察することができます。

園内でも次々に咲いてきています!

7月の半ば過ぎには一つのピークを迎えると思います。

おそらく7月の海の日連休あたりではなかなか綺麗に咲いていると思います!

ぜひお越しください!

ニッコウキスゲを増やそう

2011/07/04

ただいま自然遊歩道の方ではニッコウキスゲがどんどん咲き始めています。

この黄色い鮮やかな姿は万人に受け入れられる魅力があるものと思います。

アルプス平自然遊歩道にも多いものですが、ニッコウキスゲが一面に咲く場所はあちこちにあり、その光景は圧倒されるものです。

植物園内にもニッコウキスゲはあるのですが、土が合っていないのか、株が古くなってきたのか、イマイチ咲きが悪いものです。

過去に植えたものが花が咲かず、どうも株が細かく分岐するようになってきているようです。

そこで、株を掘り起こし、一本ずつ分けて再度植えなおす作業を試しています。

写真のものは全て今年咲かなさそうなもの。これでも園内の数パーセントに満たない数。園内には潜在的に相当な数のニッコウキスゲがあるものです。

今年も去年も咲きそうに無いニッコウキスゲ、それを掘り出し一本ずつバラして離して植えてみます。

ちなみに昨年も同様に、花が咲きそうにない株を掘り起こしましたが、これを一本ずつポットで育てたらきちんとつぼみが伸びてきました!

これらは園内の良い位置に植えてみました。

きちんと管理すれば来年も咲いてくれるでしょう。

白馬五竜高山植物園は地元観光組合と地域一体になって作ってきた経緯があり、現在も定期的にボランティアとして作業を手伝って頂いています。

今回は午前中に皆で植える場所の雑草取りをし、午後にニッコウキスゲを堀りあげ、植えたものです。

これらを上手く管理し、園内を黄色で埋め尽くしてみたいものです!

一面の黄色はまだ先でしょうが、園内のつぼみを見る限り、昨年より増えてきたように感じます!

植物園のお仕事

2011/06/30

植物園の仕事は園内の植物管理、看板や展示の作成、ガイド、育苗作業等いろいろありますが、こんな作業もあったりします。

園内に新しく道を造成しています。

直線的な道だけだと急勾配になりやすいので、花畑のすぐ横を横切れるような道を作っているところです。

道になるところの植物をどけ、適切な場所への移植もしたりします。

積み重ねてあるのは畦畔ブロック。

「最近は田んぼで見なくなったなー」と近所のおじさんも言っていたりしますが、園内では歩道に用いたりしています。

こちらは育苗スペースが狭くなってきたところで、植物を置ける場所を増やしています。

黒いシートは防草シートといいますが、草を刈ったところにこのシートを敷くと雑草が生えなくなるので、植物を置いたり、時には棚を設置して、植物を育てるスペースにしています。

山麓の施設で育てていると、気温が高いことから植物の開花が園内のものより早まります。

ニッコウキスゲのつぼみが膨らんできたので、近々園内に植栽を予定しています。

園内に咲くものよりも一足早く開花を楽しめるように、そんな工夫もしたりしています。

 

体力も、頭も、技術も必要な、多岐に渡る植物園の作業。

梅雨の晴れ間を利用したり、雨の日こそ植物を外に植えたり、夏の間はやることが多いものです!

コマクサ見ごろです!

2011/06/26

園内ではコマクサの花が見ごろを迎えています!

時には白いコマクサも咲いていたりします。

園内にはあちこちにコマクサの実生がみられます。

昨年こぼれた種が初夏の今になって芽生えているものですね。

これらも何年かすれば(園内ではおよそ2?3年から)花がまた咲いていきます。

ロックガーデンの山頂で特に綺麗にさいているものです。

このような角度で撮ると、高山のてっぺんで撮ったように写るようです!

こだわって後ろの山や鉄塔を隠せばまさに気分は高山です!

お気に入りの写真を撮りにぜひお越しください!

アルプス平自然遊歩道の開花

2011/06/26

今日は開山祭。地蔵のケルンにて安全祈願が行われました。

終わった後にアルプス平自然遊歩道を歩いて最近の植物の開花状況を確認してきました!

湿原にはまだ雪が残っています。

雪解け間もない場所にはミズバショウがまだ小さく咲いています。

この調子でいけば7月に入っても綺麗な花がみられるでしょう!!

こちらはイワイチョウの花。

葉っぱがイチョウのような形をしています。

コバイケイソウです。年によって開花の当たり外れがあるようですが、今年はどうも当たりのようです!あちこちで花が咲いています。

ワタスゲも湿原でみられます。雨に濡れてションボリしているようですね。

ザゼンソウの花もまだまだ綺麗に咲いていました!

山麓では4月の花ですが、雪解けの遅い自然遊歩道ではまだまだこれから咲くのもあるようです。

ザゼンソウやミズバショウが7月でも見られる、こんな場所はなかなか無いですよ!

地蔵の沼ではレンゲツツジが見ごろを迎えています!

沼の周りにはミズバショウがあり、白い花が残っている・・・と思いきや、写真の白い泡はモリアオガエルの卵です!

自然遊歩道には多くのカエルがみられるのも特徴です。

自生するシラネアオイの花もまだまだ綺麗に咲いていました。

こちらはスミレでも最小クラス、白い花を咲かせるツボスミレです。

白くて可愛い控えめな花を咲かせるツボスミレ。

わたくし坪井の名前に似ていて可愛いですね!!!(笑

 

残雪が多いおかげで、雪解けすぐの植物も、初夏の植物も同時にみられるアルプス平自然遊歩道。

ぜひ歩いてみて下さい!

久々の快晴です!

2011/06/23

6月16日の開園以来、綺麗に晴れることが無かったものの、今日はようやく北アルプスもしっかりと一望出来る最高の天気になりました!

コマクサやシラネアオイの花も良い感じに咲いています!

園内の開花情報などはビジターセンター前のホワイトボードにも示してあります。

ところで、ホワイトボードの記入ですが、私が書いたものの「字がきたない」ということで、レストランのおねえさん達が書き直してくれています!!(失笑 ありがとうございます!

現在咲いている花は、

コマクサ、シラネアオイ、チングルマ、クロユリ、チョウノスケソウ、ウルップソウ、ミネズオウ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、オオバキスミレ、トガクシショウマ、ミズバショウ、ザゼンソウ、ノウゴウイチゴetc・・・。

雪解けから半月?一ヶ月くらいの園内では、まず最初に咲き出す植物たちが色々と咲いています!

この時期だけの花をぜひお楽しみに。

エスカルプラザでの展示は

2011/06/23

さて、以前エスカルプラザ内にビジターセンターのように展示を作るといっていたスペースですが、

こんな感じに今なっています。

小難しいものは置いておいて親しみやすいスペースを・・・。

そんなことを目標に展示を作ってみました!

テレキャビンで園内に上がる前に立ち寄ってみてください!

カモシカと写真を撮れるようにしてあるのもおすすめですよ。

園内色々と咲いてきました!

2011/06/13

6月16日の開園が迫ってきました。

園内では雪解け後に最初に咲いてくる高山植物たちがたくさん咲いてきています!

キバナシャクナゲ

ミネズオウ

ハクサンチドリ

クロユリ

ハクサンイチゲ

シナノキンバイ

良く聞かれる質問では、「一番花がキレイなのは何月ですか?」というもの。

花の数が多く、一回だけ来るとしたら、「7月」がおすすめではありますが、

ここに紹介した高山植物はほとんどが6月中旬?7月最初に咲いてしまうものです。

3日前にはほとんど咲いていなかった植物が今日ではたくさん咲いていたもので、

更に言えば、半月後にはほとんど花は終わっていることでしょう。

その頃には違う花がまた咲いてきます。

つまり先の質問には、「そんなの答えられません!」が本音。

日々、月ごとに移り変わる植物を見るのに一回だけで楽しめるわけは無いわけです。

園内のコマクサも花が多くなってきました!

雪解けの早いロックガーデンでは見ごろを迎えてきています。

(雪解けの遅いゲレンデ斜面ではつぼみもまだまだ)

コマクサの花を綺麗に写真に撮るには早い方が良いものです。

コマクサの開花はおよそ7月いっぱいと長いものではありますが、後半になると咲き終わった花、種になってきたものが同時に写真に写るので、写真にこだわる方は6月中がおすすめです!

普段携帯しているコンパクトなデジカメですが、それなりに綺麗に撮れました。

知る人ぞ知る高山植物の名花、ウルップソウです。

このアングルで撮ると、どこかの高山で撮影したように見えますが・・・、

立ち位置で撮ると、やはりいつもの植物園内。

アングルに凝りつつ、山のてっぺんで撮ったような写真を演出するのも面白いものです。

一方、ブナ林の中では、ツバメオモトやシラネアオイなども咲いています!

これらの花も6月中に咲き終わるものがほとんどです。

 

この記事の写真は、全て今日撮ったものです。

来週のうちに来られた方は今日のような植物に出会えることでしょう!

まだまだ来園者も少ない6月の頃、今しかない植物に、会いにきてください!