緑の調律日誌

緑の調律日誌

カタクリ咲きました!

2011/05/01

カタクリの花をご存じでしょうか?

カタクリと聞いて思い浮かべるのは「カタクリ粉」

今ではジャガイモのデンプンをカタクリ粉と呼んでいますが、昔はこのカタクリからカタクリ粉を作ったそうです!

 

白馬五竜高山植物園の山麓、エスカルプラザから歩いて10分くらいのところに、カタクリの大群生地「五竜かたくり苑」があります。

写真は以前の満開の時の様子です。

白馬村の村花にもなっているカタクリを楽しみにぜひ来てください!

さて、今年の見ごろはいつか?

今年は例年より雪の多かった昨年よりも雪解けが遅く、カタクリの満開時期予測が難しいものです。

(2009年の見ごろは4月29日ごろ、2010年の見ごろは5月5日ごろ)

今年は連休の終わりごろ、5月5日ごろか、それを超えるくらいでしょう。

現在の開花は、一割程度です。

写真は2011年4月30日のもの。

カタクリも4月の終わりごろから咲き始めましたが、大半はつぼみです。

これからどんどん咲いてきて、連休の終わりごろに一番の見ごろを迎えるでしょう!

カタクリだけでなく、ニリンソウ、キクザキイチゲ、ハルリンドウなどのこの時期ならではの植物も周辺には多くみられるので、それもまたおすすめです。

 

5月3日にはカタクリ祭りも行われます。

詳細は以下のホームページをご覧下さい。

http://www.hakubagoryu.com/katakuri/index.html

 

ちなみにカタクリが満開のころは合わせて桜も満開になります。

一足遅い、五月の桜の花見と合わせて、白馬村まで春の花を楽しみに起こし下さい!

フクジュソウ 姫川源流、親海湿原

2011/04/22

フクジュソウという花をご存じでしょうか。

漢字では福寿草、名前も縁起が良く、春先に真っ先に咲く植物で、小鉢にしたものが冬の終わり頃にあちこちで売られているのを見かけます。

白馬五竜高山植物園から車で5分、フクジュソウを始め、多くの春植物がみられることで有名な『姫川源流自然探勝園』。

フクジュソウの花が見ごろを迎えています!?

昨日、2011年4月21日の夕方です。今年は残雪が多く (残雪が多かった昨年より多い!)、例年よりあらゆる植物の開花が遅れています。

しかし、フクジュソウは雪解け後の開花が非常に早く、雪解けと同じタイミングでつぼみが顔を出してきます!

雪国でない場所では、フクジュソウは一斉に咲きだすのですが、白馬のような雪国では雪が解けた場所から順に咲いていきます。

全てが一斉に咲く姿は見られなくとも、開花期の限られるフクジュソウが長い期間に渡って新鮮な姿が見られることになります!

先ほど見ごろを迎えた!?と表記したのも、そんな訳でして。

撮影:2011年4月21日

フクジュソウは日中に花を開くのですが、夕方には閉じてしまいます。

撮影:2010年4月30日

昨年の同じ場所の写真ですが、晴れた日中にはこんな感じにみられるわけですね!

2011年4月21日

2010年4月18日

2010年4月30日

写真3枚は同じ場所になります。

昨日の時点ではほとんど咲いていないような場所でも、瞬く間にフクジュソウいっぱいになることでしょう!

来週からの連休中を通して見ごろかと思います!ぜひお越しください!

それにしても、昨年と雪の溶け方が正反対、何故でしょうか・・・。

 

最後にひとつ、知られざる名所をひとつ。

違和感、わかりますか?

名物、浮いてる木です!

寄り添って育った木が上部で癒着して、歩道敷設の際に根本が邪魔だから切ったけど、本体はくっついたまま、というわけです。

右の切られた幹には栄養、水分が左の木からきているようで、葉っぱも生えてきます!

フクジュソウを見なれてしまった方、野の花に面白みを感じられない方々でも、こっちのは感動するはずです!(笑

NHKみんなの趣味の園芸

2011/04/19

NHKみんなの趣味の園芸、というサイトをご存知でしょうか?

園芸を生業とする人、植物園の人だけでなく、園芸好きの人は誰でも参加でき、開花や栽培などの情報交換をしているサイトです。

http://www.shuminoengei.jp/

今回から白馬五竜高山植物園も、植物園サイドとして参加させて頂くことになりました。

 

字数、写真制限の無いブログではあらゆるジャンルの記述をしていますが、

こちらの園芸サイトでは短い記述が向いているため、こまめに開花情報等を流す形になります。どうぞ合わせてご覧ください!

長野県シカ牧場?

2011/04/18

東京などでは桜の花も散った頃でしょうか。

白馬では桜の花はまだ咲かず、

桜とカタクリなどの春の植物を求めて南へ50km行った松本では、桜の花が満開でした。

春植物を探してバイクで山へ入り谷間の道を上がり、気がつけば美ヶ原まで着きました。

遠くにはテレビの電波塔が立ち並び、高原道路としてドライブも最適な美ヶ原。

夏にはこのあたりは高原の植物がたくさんみられるトレッキングを楽しめる場所になります。

ところで、左の茶色い山に動物がいるのが見えました。

ちょっと距離が遠いので、近くまで行ってみることに・・・。

赤い丸の中、バイクのロゴのカモシカが見つめる先に何かが群れています・・・。

そんな、馬鹿な!

いや、馬はいないか・・・。

野生のニホンジカの群れです。

牧場のように群れていますが、飼育でも放牧でもなく、野生のもの。

一体、何頭くらいいるのか・・・。

写真のものを数えてみました。

画像の上で確認できたもので、103頭!

あの地平線の向こうにいるのも入れると、どれだけになるのか。

 

近年、各地でシカが増え、高山植物が食べられるなどして問題になっています。

長野県でもあちこちで見かけ、夜に林道を走ると道路上でも出くわしますが、昼間にこれだけ見かけるとは・・・。

長野県の北部ではまだ少ないのですが、だんだん増えているらしく、去年の夏にはいよいよ白馬五竜スキー場のゲレンデ内でも見かけました!

植物園内の標高ではまだ見ていませんが、近いうちに園内の植物もシカに食べられてしまう日が来てしまうのかもしれません。何とかしなければ。

 

ちなみにシカの肉は、固めの牛肉のような・・・結構おぃしぃです。

日本一! 白馬のザゼンソウ

2011/04/16

春になり、白馬の山麓でも次々に色んな花が咲き始めました。

ザゼンソウという花をご存知でしょうか?

肉厚の茶色い姿。可愛らしいような、不気味なような・・・。

ミズバショウの仲間の茶色いやつ!そう言えばピンと来ますでしょうか!

ミズバショウは湿地に見られるのですが、ザゼンソウはミズバショウより乾燥した場所でも多く見られます。

 

ところで、この花の最大の特徴は・・・

何と、自分で熱を出していること!

写真のように雪も溶けてしまいます!!

岩手大学農学部の伊藤菊一教授と温度を測ったところ、写真のものでは27.8℃まで上がりました。

触っても暖かく感じるものではないですが、外気温よりもずっと高くなっていました。

花が早春の時期に暖かいと虫が多く訪れ、受粉には有利だと言われています。

 

ところで、白馬には、日本一と言われているザゼンソウの群生地があります。

写真は2009年4月19日のものです。

白馬の山麓にある「飯森ざぜんそう園」です。

スキーに来られている方なら、白馬五竜スキー場いいもりゲレンデの駐車場そば、と言えば大体の場所がわかるでしょうか。

写真は昨日、2011年4月15日のものです。

今年は全体的に雪が多く、まだザゼンソウの開花もポツポツ、といったところです。

しかし、連休に向けてどんどん増えると思いますので、今から来ても間に合います!

 

ところで、例年この時期の休日に、「白馬ザゼンソウ祭り」が行われていますが、

今年は地震の影響を考慮してイベントが中止になってしまいました…

白馬村観光局公式サイト http://www.vill.hakuba.nagano.jp/privilege/09springflower/index.html

昨年のイベント案内 http://www.hakubagoryu.com/zazensou/index.html

昨年以前の写真では、こんな感じでイベントが行われています。

活気あるイベントが行われないのは、やはり残念です。

けれど、野の植物は変わらず咲いていますので、この時期ならではの花に会いに来てください!

 

今年の春植物のポイントは、「去年より一週間は遅め!」

一週間というのは私のなんとなくの感覚ですが・・・、去年のもので写真の日付など確認できるものより遅めに来ると良い感じに咲いていると思います!

神奈川から見る植物1 海と街の山野草

2011/04/12

スキー場業務が一段落し、春の雪解けを待つこの頃、実家がある神奈川まで植物を見に行きました。

ところで、「山野草」とは何でしょうか。

明確な定義はないものの、「鑑賞価値の高い草花」といったところ。

さて、それらはどういった所に生えるのか…。

綺麗な花を咲かせる草本類は、背丈が低く、陽光を好むものが多いものです。

そのような草が生育出来る場所は限定されます。

樹木が生い茂れば光が遮られるためです。

その為、いわゆる「山野草」が咲く場所としては、

・過酷な環境により、樹木の生育が制限される「高山」

・強い潮風により樹木の生育が制限される「海岸」

・樹木がなかなか定着しない「崖や崩壊地」

・洪水等により樹木が定着しない「河川敷」

・人が樹木を刈り取ったりする「道の脇」

・カヤなどを入手するため人が維持管理する「半自然草地」

などが挙げられます。

つまり、自然にしろ、人為にしろ、

いかにして「樹木が生えないか」が重要になるようで。

(もちろん、森の中に咲いたり、樹と共生したり、日陰で育つものも多いですが)

山野草=高山の植物、というイメージも強いですが、

「高山」とは対極に位置するような「海岸」にも綺麗な花は多いわけです。

・・・ということで、神奈川の海や街の植物を見ていきます。

(前置きが長かった・・・・・・)

三浦半島の先端、城ヶ島。

強い潮風や、切り立った崖が多く、海岸らしい植物が多くみられる場所です。

海辺にあるお気に入りの草のひとつ、「ハマカンゾウ」

有名なユリ科の植物の「ニッコウキスゲ」をご存知でしょうか?

ニッコウキスゲの仲間で、海岸に自生するものです。

花が咲くのは、夏の終わり頃。

ニッコウキスゲと同じような花が咲きますが、あんまり知名度が無いように感じるのが残念なところ。

ニッコウキスゲは標高の高いところに行かないと見られませんが、身近なところに近縁種がある、それが面白いものです。

「ハマボウフウ」の枯れた花序です。

高原でお馴染みの、シシウドの仲間になります。

左はハマボウフウ、右はオオハナウド。

海岸に生育するハマボウフウは比べて葉が硬く、厚く、海辺に耐える構造になっているようです。

観音崎自然博物館の展示より。

海岸性のマツムシソウ、「ソナレマツムシソウ」も海辺の山野草といえるでしょう。

絶滅危惧種ともなり、自生の姿を目にする機会は少ないようですが、

観音崎の自然博物館では保護増殖をしているようで、博物館では育てている個体を目にすることが出来ました。

観音崎自然博物館ホームページ

 http://kannonzaki-nature-museum.org/index.php?ca=3&sca=1&ssca=76

こちらは個人的に大好きなサトイモ科テンナンショウの仲間、「ウラシマソウ」。

花の中から釣り糸のように垂れたあれは、何のためにあるのか・・・。

植物の不思議を感じさせてくれます。

長野県では絶滅危惧種になっている植物ですが、

写真のような森の中に行けば三浦半島?横浜市では簡単に見つけることが出来ます。

鎌倉の刀剣屋のショーウィンドウの中にも活けられていました。

この仲間は生け花の素材としても使われるそうです。

こちらは「トウオオバコ」。

葉と花の長さは、よく見るオオバコを数倍にもした大きさ。

海辺の植物とは何と不思議なものか。

スミレの仲間、「タチツボスミレ」。

このスミレは、都会の中でもよく見かける種類です。

田んぼからコンクリートの壁まで生育し、春の訪れを感じさせてくれます。

 

山野草、というと身近には無い高嶺の花、といったイメージもありますが、

私の知る三浦半島、横浜市?鎌倉市には、それに類する魅力的な植物を多く見ることが出来ます。

信州の植物を見に来る前に、見に来た後に、皆さんの地元の植物をもう一度見直してみると面白いかもしれません!

神奈川から見る植物2 残したいもの

2011/04/12

横浜市戸塚区の都市河川、柏尾川。

桜の名所としても親しまれていますが、バイクを停めた横には、こんな看板がついています。

ミズキンバイという植物がこの川では見られるのですが、稀少な植物として、絶滅危惧種にも指定されているものです。

開花期は真夏になります。

アカバナ科の植物で、マツヨイグサにも似た黄色い花を咲かせます。

撮影日:2005年9月14日

絶滅危惧種とは言っても、環境が合えば一面を覆うくらいの藪になったり、這った茎からどんどん根を出し増えていく生態からも、植物的には強い生命力を持つ植物です。

それが絶滅危惧種にも指定されるということは、

周囲の開発、河川改修といった、人為的な要因によるところが大きいわけです。

近年では、行政、大学等の連携により、積極的な保護活動が行われるようになっています。

気がつけば私の母校の小学校でも、教育の一環として保護活動が行われていました。

東戸塚小学校ホームページ http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/higashitotsuka/mizukinbai.html

守るべき象徴、具体的な事例をもとに、自然全般への興味を持つきっかけになるのではと思っています。

写真と地図は横浜市の舞岡公園、その付近になります。

農地、里山の景観が残る向こうには一面の住宅地が広がります。

横浜市内には、自然公園が点在しています。

エリアを決めて、ここから先は開発はしない、貴重なものとして残す、市民の憩いの場とする、そういった活動が官民共に活発に行われています。

ただ、最近気になるのが、指定エリアの核心部分はラインに沿って残すものの、指定外の部分の開発が盛んになっているように感じられること。

線を引かれた自然公園エリアと、本当に人が生活している部分、その境界にこそ見られるものも多いものなのですが・・・。カブトムシやクワガタムシはその境界に多かったりします。

公園側から外を見ると高い壁が見えますが寂しいものです。

 

都市近郊には多くの人が生活し、いわゆる「自然」が減少しています。

しかし一方で、自然保護のため、ここは絶対に残す、そういった場所も多くあるのも事実です。

また、人口の絶対数が多いため、山や自然に親しみたい、関わりたいという方も多く、

維持管理のためのボランティア活動に参加したり、自然観察会を行ったり、様々な活動や交流が活発に行われています。

 

私が大学で植物を学び、長野県に住み植物園管理をしているのも、そういったバックグラウンドに寄るものです。

守るべき自然とは何か、人はどう在るべきか、

そんなことを考えながら、多くの人が親しめる植物園を作っていければと考えている次第です。

冬と春を分けて

2011/04/04

4月になりました!

しかし、白馬五竜高山植物園の冬の姿、白馬五竜スキー場は営業中です。

ライブカメラ映像より http://livecam.vill.hakuba.nagano.jp/livecam/?id=4&Y=2011&M=4&D=4&H=10&I=45

4月4日現在、積雪255?。春の営業は5月8日までやっています!

 

冬が終わり、最初に咲く植物は何でしょうか?

都会ではサクラや菜の花など思いつくかもしれません。

ところで、長野県には春に咲き、夏には姿を消す、「春だけの植物」が多くみられます。

カタクリやフクジュソウなどが有名ですが、セツブンソウという花をご存知でしょうか?

漢字で書くと「節分草」。

節分のころに咲くという意味ですが、長野県では3月頃から見られます。

白馬に自生は無いようですが、県内のあちこちに有名な自生地が知られています。

春植物の中でも、最も早く咲き、まだまだ雪が降る時に咲くので、時には雪に埋もれてしまいます。

雪に埋もれても咲く姿。力強さを感じさせてくれます。

このように春に咲く植物の利点は、他の植物が育つ前に受粉を行ったり、光合成が出来るところにあります。

花の少ない春先には、昆虫にとって貴重な蜜源であるため、数多くの昆虫が飛んできたり、

周りの木々が葉を伸ばす前に、十分に光を浴びることができるわけです。

そして、5月頃になると花も葉も姿を消してしまいます。

あとは地下の球根で夏、秋、冬を過ごし、次の春を待つのみ。

春の短い期間に生存の全てをかけているわけですね。

節分草、

「季節を分ける草」と解釈すれば、実に素敵な名前だと思います。

冬の終わり、春の始まりの花というわけです。

♪ 冬と春を分けて セツブンソウ

 

白馬五竜高山植物園の営業は6月16日からになります。

開園はまだ先ですが、長野県内、白馬周辺での花のことなど、折を見て載せていこうと思います。

今年度もどうぞよろしくお願いいたします!

2011年度4月 坪井勇人

雪に終わり、雪に始まる

2010/11/29

本日、雪が降りました。

テレキャビン山頂ではなく、白馬山麓に初めて雪が積もる日となりました。

朝方には雪が舞っているだけだったものの、昼には完全に積もりました。

上の写真は11時、下の写真は12時、積もらないと思っていたのに一時間でこうも変わるとは・・・。

建物周りにおいたポット苗も雪に埋まっていきます。

冬期間、圧雪車が入らないウォータージャンプ施設に置いた育苗箱も雪が降り積もっていきます。

 

これにて、今年度の夏の植物園業務が終了を迎えました。

あとは春になり、植物が芽吹くまでは一休み、一面の雪景色が4ヵ月続きます。

そして、これからはスキーシーズン、白馬五竜が活気付く日々が始まります!

まだスキー場として機能するには雪が足りませんが、この束の間に休息をとりつつ、気分転換に暖地の植物を見たり、博物館巡りでもしたいものです。

 

これにて、ブログ「緑の調律日誌」の今年度の執筆は終了となります。

閲覧してくださった方々、どうもありがとうございました!

次回の更新は4月の雪解けの頃から始まる予定です。

冬期間は、インフォメーションの受付業務を行ったり、高山植物園の準備をしたり、エスカルプラザ内に夏の告知をしたり、室内で育てられる植物の管理をしたりと、相応に忙しい日々が続きそうです。また先の投稿記事のように季節を感じられる曲作りもしたいところです。

044 雪路  (以前に雪のイメージで作った曲の一つです)

植物園に訪れた方も、「冬の植物園=スキー場」がどのような形になっているのか、是非ともお越しください!足元に植物の気配を感じながら滑るスキーも良いものかもしれません。

 

では、植物園を訪れて下さった皆様、雪の下の植物たち、春までごきげんよう!

調律と音作り

2010/11/22

園内の植物が、それぞれ互いを引き立て、自然にかつ魅力的に育つように…、その為の手入れの過程ということで「緑の調律日誌」と名づけたブログですが、早いもので半年近くが経過し、もうすぐ今年度も終わろうとしています。

ところで「調律」という言葉は、学生時に木琴を自作したあたりから気に入っている言葉です。

上の写真は信大農学部の並木道のユリノキを枝の雰囲気を残して作ったもの、下の写真は堅いニセアカシアの木を音の良さにこだわり作ったものです。ユリノキの木琴は今も農学部の資料館に飾られています。

荒削りした木を叩き、チューナーは使わず叩きながら耳で音を確かめ、削り、調律するのですが、わずかな削りで音が変わってしまい、それがまた面白いものでした。

笛や民族楽器やバイオリンも作りましたが、木琴作りが一番面白かったのは、木の種類によってダイレクトに音が変わること、音盤一つ一つを丁寧に調律する過程で二つと同じものは出来ないこと、寸法通り作れば良いわけではないこと、そこに個性を感じることが出来たことによります。

この木琴用の曲を作り、ケーブルテレビにも出て…と色々ありましたが、今度は植物園の花などをイメージした曲などを作りたいところです!

現在、いくつかの曲を書いているところです。作曲は独学なので技術はまだまだ未熟なものですが。

今のところ、ピアノのみの試し弾き、絵に例えれば白黒のスケッチのようなものです。

試奏 緑の調律日誌「記述回想」

試奏 雨の花束

試奏 野の花、ここに咲きて

この後、曲のイメージに合わせてパソコンで他の楽器を加え、曲に色取りをつけたりします。オリジナル色の強い編曲では例えばこんな感じです。

027 冷光 -firefly-

蛍の光と消えゆく自然をテーマに16歳の夏に書いた曲ですが、イメージは伝わってきますでしょうか…。

音楽というものは形が無いだけに、イメージするものが上手く伝わるか、難しいものです。「青」をイメージしたつもりでも、人によっては緑や赤に聴こえてしまうかもしれません。また、そこが面白いのかもしれませんが。

 

スキーシーズンには、雪の向こうに春、夏、秋をイメージしながら曲を書く…そんな素敵なことが出来たらいいなあ、などと思っているところです。 

園内の植物をイメージした曲、ジャケットには植物の写真と解説をつけたCDアルバム「緑の調律日誌」の完成は、未定の未定となっております。期待せずにおまちください(笑