緑の調律日誌

緑の調律日誌

秋に見られる花々

2010/09/06

9月になっても各地では猛暑続きのようですが、標高1500mの植物園内は晴れても気温は22℃くらい、爽やかな気候を味わうことが出来ます。標高700?800mの白馬山麓でも夜中は19℃くらいと実に快適です。

さて、最近の園内の植物ですが・・・正直な話、今は園内に花が少ない時期ではあります!(このブログを見ている方は今のところ来園者数に比べ少ないだろうと信じて)

7月のように高山植物が多いわけではなく(コマクサはまだ何とか咲いていますが)、8月のようにシモツケソウが一面を覆うわけでもなく、そもそも各植物園に聞いてもこの時期は花が少なくなる時期のようで。

しかし、この時期に花がないというと、勿論そんな訳はなく、むしろこの時期だからこその花も多く咲いています。紅葉前の残暑を優雅に過ごすための園内の花を紹介いたします。

ということで、ユウガギクです。しかし漢字は柚香菊となります。

本当に柚の香りがするのか…?ぜひとも園内を訪れて確かめてみてください。

(多分しない…いや、ご自身で是非とも!)

こちらはノコンギクです。野紺菊、野の紺色のキクですが、まさにその通りです。

この時期はいわゆる「野菊(ノギク)」の仲間が咲く時期です。

さりげない美しさの野生のキクを味わうことが出来ます。

こちらの花は、ご存知ですか?名前は絶対聞いたことあるでしょう。

ミヤマトリカブト、いわゆるあの毒草のトリカブトです!

毒草のイメージのみが先行する花ですが、野草としては他に例を見ない形であり、紫の色が秋の中に馴染む独特の美しさを持った花でもあります。

今年の園内は青いケシが大人気でしたが、では「赤い花」には何があるのか?

この花はエンビセンノウです。花びらの先が二つにわかれた様子が燕の尾(燕尾=エンビ)に似ています。

赤っぽい花というと沢山ありますが、ここまで「赤、Red」という言葉が合う花も少ないのではないかと思います。

こちらはツリフネソウといいます。船が吊り下がっているように、見えますか?

山麓に自生していたものを持ってきたものですが、良く咲いてくれています。

山野草には珍しく一年草であり、1mにも達することがあるのに芽生えから数カ月で咲いて、種を飛ばして枯れます。

実を指で触ると勢いよく種がはじけます。ホウセンカの仲間と言えばピンと来るかもしれません。

ちなみにツリフネソウ属の学名Impatiensの意味は、「我慢できない」だそうです…笑

こちらは、オヤマリンドウ、コウメバチソウ、マツムシソウです。

いわゆる定番の秋の花、とも言えるかもしれません。それだけに見応えがあり、秋の風に合う花々でもあります。

特にこの3種類は花期も相応に長く、もっと増える時期ですので、これから園内に来られる方にはぴったりの花でもあります。

ところで、こっちは全くもって定番ではない花です。

オオイタドリですが、いわゆる雑草。しかも背丈は3m、葉っぱは30cm、白い小さい花の数だけ繁殖力の強い種がまき散らされる、駆除しようにもしきれない、ゲレンデから谷間から、あちこちを埋め尽くすある意味最強の植物のひとつです。

しかし、遠目にみてそのダイナミックさ、鮮やかさは、相応にきれいなものとも思いますが、いまだにこの花の美しさに共感する人には会ったことありません…。いかがなものでしょう。

秋晴れの下ではゲレンデからパラグライダーが次々に飛び立っています。

ライダーとパラグライダーは晴れになると良く見かけますが、今は良い時期です。

黙っていても晴れる確率が高そうなので、気まぐれの避暑にでも園内を訪れてみてください!

高知県での植物

2010/09/04

しばらく高知まで行きました。

園芸、植物園関係者の懇親会が大阪であったものの、若い会員数名が「高知へ植物を見に行こう!」という、という企画があり、真夜中に高知へ向けて出発したものです。

高知県立の牧野植物園の方が講師役としての植物観察会への参加としての植物観察。

市内近郊の山ですが、海に近い標高にも関わらず、大規模な草原の景観、草原性の植物が数多くみられ興味深い山でした。

馴れない四国だけに聞いたことのない植物も多く、メモやシャッターを押す手が止まりません。

県内では絶滅危惧種のものも高知では普通種であるものもあったりするようです。

そして、今回のメインとも言えるダイサギソウは見事なものでした。

午後は植物学者の牧野博士ゆかりの山まで数人で植物観察へ。

薄暗い林の下でコオロギランを見ることが出来ました。花は数ミリの大きさで、午前中のダイサギソウと比べると華やかさはやはり劣りますが、博士が新種として発見した植物を本場で見ることにはロマンがあるものです。

 

日本が世界に誇る植物学者の牧野博士の業績を顕彰する「牧野植物園」を尋ねました。

近代的なデザインの建物に一流の研究体制を整えた植物園は想像以上に「植物園としての理想」を具現化している植物園であるものと実感するものでした。

高知の植物を収集した生態園、高知の植物相の学術的調査や保全活動、薬学的視点での企業との連携、温度・湿度を正確に保つ標本庫、レベルの高い一貫した展示解説、何よりもそれらを管理する人たちの確かな技術と熱い思い。

 

自身のいる植物園、身近なフィールドを良く知ることは必要ですが、更に良く知るためにはやはり多くの他の場所を見ることも必要なります。

あの植物はここにしかないのか、他ではどうなのか、比べてどうなのか。

人と場所と植物が同じ植物園はどこにも無い、では自分と自分のいる場所は、どうあるべきか。

そんなことを考えながら、今日も園内の作業に励む日々です。

咲き続けるコマクサ

2010/08/26

白馬五竜高山植物園でも象徴的とも言えるコマクサの花。

高山植物の女王としても知られ、全社員の名刺にも描かれています。

このコマクサ、6月の終わりから咲き始め、7月には最盛期を迎えます。

…では、開花はいつ頃終わるのか…?

実は8月最終週の今でもこれだけの花が咲いています。

写真をよく見ると、花がついていない花茎がありますが、これは既に花が種となり落ちた跡です。

このコマクサ、存外に花期が長く、6?7月に咲き始めた最初の花が種となった後も新たにつぼみが出てきて花を咲かせます。

ドライに考えれば、植物園を経営する上では花期が長い、それだけで魅力的な商品であると言えるでしょう。

そう考える前に、何と強くたくましく、可憐な花なのだろうかと感じるものです。

高山の短い夏という限られた時間で最大限の繁殖を行い続け、子孫を残すという目的を達成している進化の一つの形なのかもしれません。

そして、その種子繁殖もなかなかのもののようです。

昨年パラパラと種を蒔いてみたところからは無数の芽生えが見られます。(画像をクリックしての拡大推奨です)

この種が花を咲かせるのはいつか?

試しに同環境で実験をし、経年変化を観察したところ、最短で2年で花が咲きました。3年経つと充分な大きさで花が咲きます。

コマクサが咲くには長い時間がかかる…とよく言われますが、山の厳しい環境では、おそらく岩も崩れやすく時には根や葉が寸断されたり、強風、凍結などの影響もあり、時間がかかるのでしょう。

しかし、生物的には存外に早く成長する能力を備えているようです。だからこそ他の植物が生存し得ない厳しい環境で生き延びているのでしょうが。

植物を見に来られる方の多くが憧れるコマクサの花ですが…、知れば知るほど、魅力的な高山植物に思えてくるようです。

秋の花は今の晩夏に

2010/08/22

ふとした空気の変化に季節を感じることがあります。

そして、そろそろ「ああ、秋の匂いがするな」と先日感じました。

アルプス平自然遊歩道では、タムラソウの花があちこちで数多く咲いています。

一見するとアザミのようですが、トゲが全然無いのが特徴です。

トゲの無いタムラさんは、ちょうちょにも好かれているようです(笑

もっとも名前の方は、田村さんではなく、紫が多い「多紫草」と来ているらしいですが。

アルプス平自然遊歩道では、コウメバチソウの花も多くなってきています。

9月になると、一面が白くなるくらいに群生しています。

私も一応、植物を見る視点であちこちの自然地域を見てはきたつもりですが、この場所ほどコウメバチソウが群生する場所は見たことが無いです。最も適した生育場所…、ということなのでしょうか。

園内ではヤナギランが最後の花を見せています。

実はこのヤナギラン、下から上へ咲くのです。

だから、茎のどこに花がついているかで、花期のいつ頃なのかが一目でわかります。

先端がわずかに残るこの花はもうすぐ花も終わり。そして綿毛が飛んでいきます。

 

タムラソウやコウメバチソウ、もう秋とも言える花が目立ってきています。

咲いている花からは秋の感覚が強く感じられますが、まだまだ秋には遠いようです。

なぜかって・・・・・・

キレイな秋の花には、飽きが来ないのですよ。

でっかいワレモコウ

2010/08/17

ワレモコウ、という花を御存じでしょうか?

すっ、と伸びた茎の先に、指先くらいの紅色の花を咲かせる草原の花で、主張しすぎない美しさがある花です。

そのワレモコウの仲間の「カライトソウ」が現在、園内で最盛期を迎えています。

とても鮮やかな赤色が目立ち、見応えのある姿を見せますが、私は心の中で「おばけワレモコウ」などと呼んでいます。

近縁種のワレモコウに美しさを感じたことのある人から見れば、「ワレモコウを見習って、もう少し控え目にしてみろよ」・・・とおそらく思ってしまうくらいに目立つ姿と迫力を持っています。

山で見かけるカライトソウは、それなりに繊細なものでもありますが…、園内のものは良く育っています。ワレモコウと比べて観察出来る時期、今のおすすめです。

ヒマラヤの青いケシ、今年はよく咲いてくれました。

一番の見ごろ(花が多く、または綺麗に見られた時期)は、7月上旬?中旬でしたが、まだ最後の花が咲いています。

花は植えから順に咲いていくのですが、もう本当に最後ですね。来年また綺麗に咲かせられるようにしたいものです。

アカバナシモツケソウ祭り

2010/08/08

アルプホルン、見たこと、聞いたことありますか?

8月7日のアカバナシモツケソウ祭りのイベントとして、アルプホルンの演奏が行われました。

バックに見える北アルプスは、山頂が見えませんでしたが、この楽器の音と姿は園内のロケーションに実に合う楽器だと思っています。

アルプホルンを木材の採集段階から自作する方と知り合いですが、「今度貸すからツボイ君も練習しなよ」と言って下さっています。

植物園業務の休憩中に園内で練習…。ああ、カッコ良すぎる。

この時期の植物園上部のゲレンデ斜面には、アカバナシモツケソウが一面に群生しています。

蛇紋岩という特異な地質の為か木が生えなかったり、ゲレンデ整備として草刈りを行う為に草原になっている場所で群生しています。自生のものでこの規模でみられる場所もなかなか無いはずです。

写真の道は、実は重機用の作業道です。

この時期だけロープを張り、散策出来るようにしてありますが、是非とも歩いてみてください!

園内のアカバナシモツケソウ

2010/08/02

園内では、アカバナシモツケソウの花が今、満開近くを迎えています。

この場所で「写真をお撮りしましょうか?」と声をかけたりもしますが、赤い花畑の中にいるような写真になり、大好評です。

ところで、植物園の上部のスキー場、アルプス平ゲレンデでは数多くの自生のアカバナシモツケソウが一面に咲きます。

ゲレンデの管理として草刈りを毎年行っているのが影響しているのでしょうか。他では見たことのないようなアカバナシモツケソウの群落が成立しています。

この場所の見ごろはあと一週間、といったところでしょうか。これからもっと赤色が濃くなっていきます。

紫色のクガイソウや、白色のヤマブキショウマなどとも合わせてみられ、イワショウブ、ワレモコウなども多く、草原の植物愛好家にも十分に楽しんで頂ける場所にもなっています。

 

8月7日、8日には、アカバナシモツケソウ祭りが行われます!

→ https://www.hakubaescal.com/green/event/hanahana.html

こちらも合わせてお楽しみください!

休日や就業後に

2010/08/02

休日や就業後には、バイクで出かけ植物を探したりすることがあります。

3メートルを超えるような「草」であるオオイタドリのトンネルをくぐりながらも見つけた植物が。

あ、やせいのシナノナデシコがあらわれた!

白馬岳登山にて、鑓温泉からの帰り道などで見かけたこともありますが、あまり野外では見かける機会は多くなかった植物です。

この日見つけたこの場所では、このシナノナデシコが今までに見たどの場所よりも多く咲いていました。

植物園内に生育するシナノナデシコをかき集めても、この場所の半径数メートルの方が断然数も密度も多いくらいに。

実は白馬駅から数キロと離れていない、なんてことのない河原です。

 

河原、というのは存外に珍しい植物がみられたりすることが多くあります。

高い木が生えていない、石がゴロゴロしている、などの環境は、ある意味で高山に似たところもあり、また上流から種が流れてくることもあることにもよります。

 

例えば白馬岳に登れば、例えば植物園を訪れれば、当たり前のように多くの植物を見ることが出来ます。

しかし、何かの植物はないかと、誰も知らないような場所を探し、探し当てた時は、楽しく、何事にも代えがたいものです。

こういった「ヒミツの場所」を、植物園を訪れた別の日に、探してみるのも面白いかもしれません。

緑のコントロール

2010/07/31

園内では、赤い花をたくさん咲かせるシモツケソウが、満開近くになってきました!

ところで・・・、奥にある花の方が色が濃く、花が多い気がしませんか?

「いや、それは角度による見え方や、写真の撮り方によるものでは?」と言うかもしれませんが・・・

ホラ、この通り!横からインチキ無しに撮っても、やはり違います。

実はこれは肥料によるものです。

昨年この場所のシモツケソウは、うどんこ病にかかり、ほとんど咲きませんでした。

間引きや堆積した落ち葉をどかすなどして、風通しを良くし、手入れをした結果、順調に育っているようでした。

そして、肥料をまいたらどれだけ成長に違いが出るか、を確かめるべく実行したところ、面白いほどに結果が現れました。肥料を与えると、見た目でわかるほど葉の色が濃く、花も良く咲いていました。

それらの違いを記録として残すのも面白いかもしれませんが…、

研究のための研究として、数値に残すには、いまいち頭と時間が追いつかないので、

用のための研究として、頭の中に蓄積していこうかと思っています。

そして様々な植物で試したその結果を今後は植物の種類と目的に合わせて肥料を使い分けるなどしていきます。大きく育てるべき植物、小さく魅せるべき植物、それらに合わせ。

上の写真は、道から見えない園内の真ん中ですが…、宝の山とも言えます。

イネのように見える細い葉っぱ、種から育ったニッコウキスゲですが、密になりすぎて花が咲くに至っていないようです。

ためしに掘り上げてみると、大きさは十分。日当たりよく、用土にも栄養のある場所に一本ずつ植え直し、肥料を適量置いてみました。もとあった場所ではニッコウキスゲがあまり咲いていないだけに、植え直した場所で来年に開花が多く見られれば、処置は適切であることになりますが…来年をお楽しみに。

種子による繁殖も昨年から試しています。霧ヶ峰のようなニッコウキスゲ群落を人為的に創り出すことを目標にしつつ。

園内では、近隣の関係ある企業様が、ボランティアとして作業に参加して下さっています。

今回の作業は、コマクサ群落の手入れです。

コマクサを植栽している箇所の用土の劣化によりコマクサの開花数が以前より減ってきていたため、全面改修を行っているところです。昨年の施工場所では、予想以上に新規の芽生えが多く、開花株もしっかり育っていました。

いくつかのトライを経て相応の結果を導き出し、必要とあらば大人数で目的の達成に向かう…。この流れを上手く作っていきたいところです。

今日園内に、このブログを見た!という方が園内に来られ、私を探していたとのことでした!

前回の「自然に見せるためには、100本のユリで埋め尽くすよりも、95本の雑草が5本のユリを引き立てる構成にすべく」というくだりに共感して下さったとのことで、ありがとうございます。

以前には「カブトムシは本能で、植物は理性で学び始めた」という内容に感心した、という方がいたとも聞いています。

最近のこのブログ…、開花情報よりも、植物に見る精神論的なものも多くなってしまっていますが、今後ともよろしくお願いいたします。今後も様々な情報、意見等を載せるようにしていこうと思っています。

白馬岳登山

2010/07/28

ハクバ村にあるシロウマ岳。

いわゆる登山を始めたのは信州大に入ってからですが、25歳の今、白馬岳は信州に来てから毎年登っていて今回で8年目10回目の登山になります。

今までは、植物調査目的で登っていたもので山小屋泊でしたが、今回は単独で日帰りをやってみようと思って登ったものです。

朝5時に猿倉に到着し登山開始。写真は大雪渓手前の白馬尻ですが、最高の天気です!

ところで、偶然にもここで、園内のイベント時には合唱をやって頂いているハーモニー白馬のメンバー方に出会いました!登山をして、山頂付近にてみなさんで歌うとのことで・・・。とても楽しそうでした。

大雪渓を登ります。どうやら、下は雲海につつまれており、頂上に着くまでに曇ってしまったらどうしようかと気になります。

大雪渓は落石が多い場所で多くの方が無くなっている場所でもあります。

ラクあれば苦あり・・・。ひたすら上を目指します。

雪が多かった影響か、以前にこの時期に登ったときよりも植物がやや早い気がしました。

それでもハクサンイチゲなどはみな新鮮な花で数多くあり、良いタイミングでした。

クルマユリやハクサンフウロなども多くみられます。

白馬五竜高山植物園には、「白馬連峰高山植物生態園」と名付けられたロックガーデンがあります。

白馬連峰の植物を自生に近い形、植物群落で観察出来るものを目指したものですが、再現すべき自然が目の前にあるわけで、それらを写真、数値、メモを交えながら、自身の経験として積み重ね、用いるべき資料としていきます。

辿り着く結論は、誰もが注目する華やかな花はもちろんのこと、誰もハナから注目しない花も入れなければならないこと。

クルマユリという主役を引き立たせ、健全に育てるには、ヨモギ、セリ科、タデ科、イネ科、スゲ類といった地味な植物も交える必要があります。自然に見せるためには、100本のユリで埋め尽くすよりも、95本の雑草が5本のユリを引き立てる構成にすべく。

登り進めていくと、ハクサンイチゲと並ぶこの時期の花、シナノキンバイも増えてきます。

この時期の「お花畑」はやはり良いものです。

変わったイワギキョウを見つけました。

左の方は、花が2つくっついてしまったのでしょうか?右の形が正常ですが、こういった奇形や色違いなどを見つけだすのも面白いものです。

信州大の頃は、植生復元活動、その調査にて白馬岳に登っていました。

踏みつけ等により植生が荒廃した場所にネットを張り、その効果を毎年記録するというもの。

今では、一連の活動は一通り終了していますが、果たして今はどうなっているのか。

毎年それを見に行くために登っています。ウルップソウの実生が多く育っていました。

大雨や強風であっても高山で調査をするという技術や心構え。それらは間違いなくこの場所で身に付けたもの。かつての仲間との苦楽を思い出しながら、私はこれからも毎年この場所を訪れます。

やっぱり山頂は良いものです。富山県側から周辺の山々のほとんどを見渡す晴天でした。

しかし、眼下にある大雪渓は雲に包まれており、今登っている人は何も見えていない状況でしょう。

ちなみに、この後下山中は太陽が隠れ、車に乗ると雨が降りました。運が良かった。

? 

人によって山に登る理由やスタイルは様々です。

ピークハンターや、タイム短縮を目指す人も多いですが、私の場合は植物や景色を眺め、写真に撮りながら気ままに登ります。

それでも一応区間時間を数えてみると、休憩や写真撮影、植物観察を含め、猿倉‐白馬岳山頂は、登り5時間15分、下り2時間45分でした。日帰りが十分出来ることがわかったので一日の休みでも気軽に来られそうです。

そして、まだまだ体力は向上中のようです。来年もこれからも、健康に登ることが続けられたらいいなあ。