緑の調律日誌

緑の調律日誌

外国の高山植物

2010/06/04

白馬五竜高山植物園は北アルプスの高山植物がメインとなっていますが、日本の植物との比較や、より楽しんで頂くために外国の高山植物のエリアも昨年度までに整え、今年より本格的にオープンします。

鮮やかなピンクの花はヒマラヤ原産の「プリムラ・ロゼア」

紫色の花はヨーロッパアルプス原産の「ソルダネラ・アルピナ」

共にサクラソウ科の植物です。サクラソウの仲間は春先に咲くものが多いですが、ここまで早く咲くとは、やや誤算…。6月16日の開園時にまで花が持つようにと期待していますが。

外国の高山植物がみられるロックガーデンでは、四季を通して様々な花が咲くように準備をしています。

ぜひ一度訪れてみて下さい!

季節外れのカタクリ 標高1600m

2010/06/04

カタクリ?、カタクリ粉なら知っているけど…?

昔はカタクリの根っこのあたりからデンプンを取り、それがカタクリ粉と呼ばれていましたが、今ではほとんど全てがジャガイモからデンプンを取っています。

早春に咲く花として知られ、白馬村の村花ともなっているカタクリ。

開花の時期は桜の時期と大体同じで、長野県内の平地で4月に咲くのが普通です(白馬村では4月下旬?5月上旬)。

標高1600m前後のアルプス平自然遊歩道では今、この時期にカタクリの花が咲いています。

それも場所によっては芽が固い雪を突き破って生えてきます!これはすごいぜ。

登山道のど真ん中にも生えています!

夏には葉も完全に地上から消えてしまう植物ですが、夏の登山道の足元には色々な植物が実は眠っているのかもしれません。

ミズバショウ 地蔵の沼

2010/06/04

湿原に咲くミズバショウ、その姿を見たことはありますか?

白馬五竜高山植物園から五竜岳へと至る登山道。

その一部が「アルプス平自然遊歩道」として整備されていますが、湿原が点在する歩道沿いには「地蔵の沼」と呼ばれる沼があります。

沼の底は黒い泥であり、時期やタイミングによっては鏡のように映ることもあります。

実は地蔵の沼のミズバショウは比較的早く咲くため、園内の整備点検のこの時期しか見られない光景ですが、遊歩道沿いの雪解けの遅い場所ならば、6月末までミズバショウの姿を見られることがあります。

アルプス平自然遊歩道のこのあたりには、自生のニッコウキスゲなども多く、紅葉が鮮やかなツツジやカエデ類なども多いため、四季を通して散策が楽しめる場所でもあります。

ヒメイチゲ ゲレンデ内にて

2010/06/04

ヒメイチゲ…漢字で書くと「姫一華」です。

どちらかと言えば名は知られてない方の植物かもしれません。

トレッキングなどをする方は春先に「ニリンソウ」を良く見かけると思いますが、ニリンソウと同じ仲間で、かつ最も小さい花です。

高さは5cmくらい、花は5mmくらいしかありません。

実は撮影場所は先のザゼンソウが咲いていたゲレンデと同じ場所です。

植物園内の自然地域には色々な花があるものです。

ちなみに左の緑色の葉っぱはニッコウキスゲの新芽です。

夏にはこの場所はニッコウキスゲやシモツケソウが見られる場所へと姿が一変します。

ザゼンソウ ゲレンデ内にて

2010/06/04

アルプス平ゲレンデを滑走されたことのあるアナタ!実はゲレンデの真ん中ではザゼンソウの花が咲くのです!

「ザゼンソウ」、聞いたことがないですか?

白い姿が有名な「ミズバショウ」なら聞いたことがある方が多いかと思います。

ミズバショウに近い仲間で色が赤茶色のもの、と言えば想像がつくかもしれません。

しかも、自ら発熱し雪を溶かしたり、受粉に役立つ昆虫を呼び寄せるなど、すごい生態を持っている花でもあります。

花は今が見ごろを迎えていますが、6月16日の開園したての時期や、雪解けの遅い場所では6月後半でも花が見られるかと思います。

園内には雪が残っています!

2010/06/04

写真は今日の午後の植物園内の様子です。

白馬五竜高山植物園は、白馬五竜スキー場のアルプス平ゲレンデの夏の姿になります。

標高は8人乗りゴンドラ・テレキャビンの駅舎で1515mです。

今年は5月9日までスキー場を営業していましたが、今年は雪が多く、5月の半ばでまだ2m以上積雪がありました。

6月に入った現在も場所によっては数10cmの厚さの雪が残っています。

そんな環境だからこそ、高山植物を高山に近い環境で育てることが出来たり、雪解けに咲く植物を夏の頃に見られたりします。

今年度の開園は6月16日ですが、どんな花が咲いているか、こまめにチェックをどうぞ!

「緑の調律日誌」

2010/06/04

白馬五竜高山植物園の坪井です。

この度は、本ブログにアクセス頂きまして、誠にありがとうございます。

植物の種を蒔き、それらを適切に育て、その植物の魅力を引き立てるように植栽、展示を行う…。

その過程を描いていくのが本ブログであり、楽器演奏や楽器製作も好きであることもあり、

「緑の調律日誌」とタイトルを名づけたものです。

白馬五竜高山植物園の四季の変化、日々の出来事などを載せていきます。

園内へと訪れる時期の参考に、もしくは園内を訪れた気分を味わって頂けましたら幸いです。

2010年6月4日 坪井勇人