五竜ロンド@抹茶抹茶どんどん2017.02.21
※今朝の出勤時の状況
小雪が舞っていた。
しかし時折日が差すという天候で、コンディションは上々だった。
おかげで目的の地点(パトロール本部)には、ほぼ予定通りの時刻に辿り着けた。(そりゃ出勤だからね)
これまでに何度か来ている場所だけに、迷うことはなかった。(そりゃ職場だからね)
上山してみるとアルプス平のNew Snowは50センチほど。
昨日の雨のような雪のようなコンディションから、一晩でここまで変わるのか。
久々のディープパウダーに舌なめずり、とはいかず、上部は30m/sの強風が吹き荒れている。
なかなかうまくいかないもんだと、ちょっとがっかりしながらアバランチコントロールに入った、三年目の若手隊員の抹茶抹茶どんどんです。
爆風が巻き上げるドライパウダーは我々の視界を容赦なく真っ白の空間にしてしまう。
作業をストップせざるをえない状態になることもしばしば。
場所によっては雪崩の破断面が50センチ以上に達し、幅やデブリの距離もそこそこ出るようなコンディション。
そうかと思えば、風の影響で雪が飛ばされ「ツルツルガリガリ何も無し」の斜面も。
24時間前と同じ場所で同じ作業をしているのに、全く異なる場所にいるようだ。
どんなに雪氷学や気象学を勉強しても、毎日毎日同じ場所で作業していても、結局はその足の下のコンディションを慎重に見極め、感じるしかないんだよな、と思ったりもする。
そうなんです。
毎年毎日、雪崩防止作業している我々パトロールでも、それくらい難しく、慎重な作業を強いられています。
セオリーはありません。経験則だけに頼るのも、かえって危険だと考えています。
どんなに「安定している」と言われても、基本的に雪崩管理区域(滑走禁止エリア)にて安全を担保できる状態は無いと考えています。
ぱっと見て「良さそうなパウダーだ」と簡単に滑走禁止エリアに入ってしまう気持ちは理解できません。
そして本日も残念な滑走痕。
ここはゲートではありません。
恒久的に立入を禁止している場所です。
ツリーランが可能なコースではありません。
ここも。
滑走禁止区域にはテディベアはありません。
生物化学兵器も埋まってません。
大島さんもいません。
あるのは、自分や他者、あるいはその両方を巻き込む雪崩が発生するだけです。
さてアバランチコントロールも無事終了し、風がおさまるのを待ってアルプス平がオープン。
残念ながらリフトは全て終日強風見合せとなりましたが、昨日の重パウとは異なり、柔らかな雪にゲストの皆さんが歓声を上げていました。
この先、春近づくにつれ、深い新雪を楽しめる日はどんどん減ってくるでしょう。
抹茶抹茶どんどんも一本一本の巡回を大事に滑りました。
風が強すぎて雲も飛んでしまう。
そこから出てくる太陽がより残念さを強調しながら、本日も営業終了。
最終で地蔵の頭に確認に上がる黒メット隊員。
彼は五竜の大倉くんと言われています。
さぁもうすぐ頂上。
這うようにしないと飛ばされてしまう強風の中、ケルンの彼方に消えていきました。
黒メットファンのみなさま、サービスカットを2枚も掲載しましたよ!
明日は綺麗に晴れそうです。
朝は風が残るかもしれませんが、なかなか良さそうなコンディションとなりそうです。
写真の様に上部はノートラックですよ!
ゲレンデでも充分楽しめるはずです。
風が右に左に、谷に沢にと様々に雪を動かしました。
どこで吹き溜まりや雪庇になっているか分かりません。
周囲の状況をよくご確認のうえ、安全にお楽しみください。
「野沢温泉はどっちの方かな」と遠くを眺めながら最終で下ってきました。
明日も皆様を安全第一でお迎えします。