皆さん今晩は、枯木です。ゴールデンウィーク中の平日（休みの方もいらっしゃると思いますが）、如何お過ごしですか。本日の五竜は天気に恵まれ、絶好の春スキー日和でした。

いよいよスキー場の営業も１週間を切り、明日からのゴールデンウィーク後半は最後の賑わいになるのではないでしょうか。今シーズンは雪の降り出しが遅く、年末年始にちゃんと下山コースが開けられず、１月４日からのオープンとなりました。昨シーズンの悪夢が蘇ってきそうな予感がし出した頃、１月中旬からの大量降雪があり雪不足が解消し、それどころか下山コースを営業終了までオープンできる可能性もでるくらい、豊富な積雪になりました。

グランプリのコブの底も土は見えていません。

そうは言っても、当ブログで最近繰り返し書かれているように、ダイナミック以下のゲレンデは各所地面の出ている所もありますし、とおみゲレンデは「明日にかける橋」のみです。豊富な残雪量のアルプス平で滑走を満喫いただき、ゴンドラで下山していただくのが賢明な選択と思われます。

さて今日は、枯木今シーズン最後のブログとなります。自分なりに今シーズンを振り返ってみたいとおもいます。

昨シーズンのていたらくで一時、パトロールを廃業（昔ある友人が、引退とは名を残した人間が使う言葉であって、そうでない人間は廃業というべきである。といわれたことからこの言葉を使います）しようと考えていたのです。が、やはりこの仕事が好きなのと、抹茶どん君から「このまま辞めて中途半端じゃないですか」などといわれ、若造にそんな事をいわれたらやるしかないぜ！と一念発起、今シーズンも引き続きパトロールをやることにいたしました。もとより体力的なものは問題は無いと感じていましたが、反応速度や瞬発力等に不安があった上、昨年の左肩脱臼も不安材料で、手探り状態でシーズンを迎えました。幸いここまで（あと数日は残っていますが）ケガも無く、大きなミスもなく過ごす事ができました。他の隊員にも大きな迷惑をかける事もなく（小さい事はあったかも）、ほっと胸を撫で下ろしているしだいです。

昨シーズンの最後の自分のブログに｢拝啓　五十六の君へ｣というタイトルの拙文を書きました。その内容は廃業を匂わすようなもので、今シーズンも続けると決まったとき他の隊員から、「枯木さん、皆の同情を引こうとして！！辞める、辞める詐欺じゃん！！！」と非難ゴウゴウでした。そんな訳で今年も一つ歳を増やして、同じ趣向でまた自分に手紙を書いてみます。

拝啓　五十七の君へ

君はパトロールという仕事が好きか？

 

君は五竜パトの中で一番重いザックを背負い巡回できるか？

 

君は五竜パトの中で一番ポップなギャグを言えるか？

 

君は若い同僚と食事をしたり、映画を見に行ったりできるか？

そして愕然とするのです。全部イエスなのです！！

さて、来シーズンはどうしましょう。

先日穂高に行ってきました。上の写真はその時の穂高岳山荘から撮った写真です。やはりアルパインエリアに居る時は、同じ雪の上でもスキー場内にいる時に比べ数倍気を遣います。それはひとえに管理された所かそうでないかの違いでしょう。（もちろん、気象条件の違いもありますが）パトロールはその管理の一翼を担っている仕事です。そして末席とはいえ、この年寄りが若いものに混じって同じ仕事ができるということは、本当に幸せなことです。

エスカルプラザ前の庭園では、多くの花が咲き出しています。

本日の最終では地蔵のケルンまで登りました。今シーズン最後のブログに合わせて、地蔵に上がったのです。そこからの山々の風景は、おそらく何千年も変わっていないのでしょう。そしてその雄大な景色を眺めていると、枯木の来シーズンのことなどほんの些細なことに思えてくるのでした。

皆さん今シーズンも、枯木の拙い文にお付き合いいただき、まことにありがとうございました。

有明の　つれなく見えし　別れより　暁ばかり　憂きものはなし