新鮮な経験がいっぱいです@ガンガンキャノン2023.02.21
はじめまして、今回ブログを担当する新人のガンガンキャノンです。なんだその名前って私が一番思ってます。
この前初めてのブログを書くキマグレン先輩を完全に他人事で気楽に後ろから眺めていたのですが、いよいよ自分の番がきてしまいました。今年の新人は私で最後なので、新人仲間のおふたりに続けるようにがんばります。
少し自分の話をすると、私は親の影響で小さいころから白馬五竜にはよく滑りに来ており、昔からここはとてもなじみの深いスキー場でした。なので大学生になって初めての冬、雪山でバイトするなら絶対にここ!と思っていました。念願かなって働かせてもらっています。毎日超楽しいです。上手な方々と好きなスキー場一日中滑ってお給料がいただける世界、最高ですね。やったあ。
毎年のように訪れていたのでもう五竜のことは知り尽くしたような気になっていたのですが、もちろん全くそんなことは無く……いざお仕事をする側に立ってみると、お客さんとして滑っていた時には想像した事も無かった舞台裏をこの一カ月でたくさん知りました。
例えば本日の朝。
昨日からの降雪が多かったので今朝はいつもより早く集まってのテストスキーでした。テストスキーとは危険な閉鎖区域の中に入り、雪崩の管理をする作業です。お客様が安全にコース内を滑れるように、朝早くからコースの外でまでこんな大変な作業が行われていたのかと入隊当初は驚くばかりでした。新人の私はこの作業はまだ行いませんが、自分の作業中に見かける先輩たちの姿はとっても格好いいです。
この作業、本当に命の危険を伴いますし、大変ですが、安全なゲレンデを営業時間までに作り上げるためには不可欠です。だからどうか、太陽が西から昇っても槍が降ってもなにがあってもみなさん閉鎖区域に侵入することは避けてくださいね……!パトロールはお客様の安全のために最善を尽くしますが、それでも最終的に安全に雪山の一日を終えるのはご自身の危機管理あってこそ実現できる事だと、「こちら側」を垣間見て改めて思いました。私も今一度、きちんとそのことを胸に抱いてスキーをするようにしたいです。
それから、スキー場内至る所で見かけるこんなネット。
お客さんとして来ていた時には気にも留めずスイスイ横を通り過ぎていたのですが、これらもみんな朝夕にパトロールが逐一出し入れの作業を行っているんです。今年に入ってからは、お休みの日に滑っていてもなんだか設置物に目が行くようになってしまいました。やっぱり、ゲレンデを見る目が変わるなあと実感しています。
貧弱な私は汗だくになりながら朝の作業をしているのですが、どんよりとした雪空の下ポールを立て、ふと上を向くと、
山の天気はころころ表情が変わるので、そこが大変でもありますがその気まぐれさがなんだか好きだなあとも思います。
それに、朝のお仕事の役得は何と言ってもこれ。
上を見ても、
下を見ても、
どこを見ても、
トラックの一本もついていない真っ白な雪絨毯の上に私一人だけ!滑った後を振り返ると私の作った軌跡だけが残っている爽快感はもうそれだけで毎日に5億点加点入ります。さいっこう。……と、楽しくなり過ぎてお仕事を忘れてはいけないので程々にですが。
お昼の巡回でも見る事はたくさんあります。怪我をなさっていたり困っていそうな方はいないかな、とか閉鎖区域に侵入しておられる方はいないかな、とかゲレンデに危険な雪塊や落とし物はないかな、とか。
初めての巡回で説明を受けた私は正直「パトロールってそんなことしてたの!?」なんて感想でした。滑っていてもパトロールの存在を特段意識した事なんてなかったのですが、想像以上に広い視点が必要でした(逆に言えばパトロールに声を掛けられるような事が無かったことは誇っていいのかもしれませんね)。先輩がたは私が見落としたお客様や設置物の不備などにもすぐに気付くので多分第三の目を持っています。私ももっと精進しなければなと思います。
学びがあるのはゲレンデでの作業だけではありません。新人は2月末に救急法やその他パトロールで必要な知識に関するテストがあるそうで、休憩時間に勉強をしたりもしています。
難しいなあ、こんなの覚えられるかなあ……と思いますがこれも先輩方やこれまでお世話になった色んなスキー場のパトロールの方は頭に入れて働いてくださってたんだなあと思うと頑張りたいなと思います。好きなスキー場をよくするお手伝いをさせてもらってるんだと考えると暗記キッツ……なんて思いつつ案外それも楽しかったりします。
そんなこんなで一日を過ごしていると営業終了後の撤収作業はあっという間にやって来るように感じます。
賑わっていたお客様がみんな下山し、止まったリフトがたたずむゲレンデは営業中とは打って変わって静かでなんだかちょっと寂しくて、これまたお客さんとして来ていたころには知らなかったスキー場の表情です。役得その2です。
きっと働こうと考えなかったら知らないままだった目線からこのスキー場を見られるのがすごく楽しくて、パトロールに来てよかったなあと四六時中思っている日々です。楽しいこと書いていったらノルマ文字数を大分超えてしまってウケます。とはいえぺーぺーではあるものの隊員の一人である以上、私が楽しむ以前にお客様が白馬五竜をああ楽しかったなあと後にできるような一日を作る一員でありたいなと思っています。
……と、つらつら舞台裏の経験を書いてきましたが、お客様にはむしろ、私と同じく、パトロールなんて気にもならなかった、なんて状態で滑り終えていただけたらそれがベストじゃないかなと思います。裏方の本懐はきっとそれだと思うので、そんな隊員を目指して頑張ります。まだまだ半人前どころかマイナスにならないように必死ですが。ひとまずあとひと月と少し、できることを増やしていきたいです。
こんなことを書いてる後ろで先輩方が到底詳しくは書けないようなくだらなすぎるお話をしてて笑いが止まらないので真面目に終われそうにありません。ほこほこしてて楽しい職場です。
それではまた明日に続きます、よろしくお願いします。