座日雪崩思案@黒メット2024.03.11
好きな鳥山作品は「COWA!」と「SAND LAND」の黒メットです、こんばんは。
本日の白馬五竜
天候:快晴
降雪:夜間0㎝ 日中0㎝
気温:8時-6℃ 15時±0℃
風:無風
リフト待ち:無し
白馬盆地の底では氷点下10度以下に冷え込んだものの、
当スキー場のゴンドラ山頂駅では-6℃。
無風の放射冷却時の逆転現象ってヤツですね。
(出勤時の田んぼに積もった雪が朝靄で幻想的でしたが、
ギリギリライダー癖が抜けない私は写真を撮るヒマ無く、残念。)
昨日まで降り続いた降雪も一旦落ち着いて、
パトロールは“いつもココから”でいざ出陣。
雪面コンディションは1月の様に柔らかい乾いた粉雪。
圧雪面の仕上げもビシッと決まっておりました。
コチラは圧雪隊の退勤風景。
ただ帰りに滑っているのではなく、高速で滑っても大丈夫かの安全確認もかねている…はず。
…ですよね?
「いいな、その仕事、俺もしたいなぁ」なんて心の声はグッと飲み込んで、
雪面仕上げに負けない様にロープなど設置物をビシッと立てるのです。
キレイにしておけば、
乱れていれば事故が起きてるかもしれない事が遠目から分かるし、
皆さんも視界的に気持ちイイだろうし、
乱れていると自然と治安が悪くなりがちなので、
私たちはコツコツと整えていくのです。
降りたての真っ白な雪と埃が洗い落とされた青空。
どこを撮っても画になりますなぁ。
しかしながら、もう3月。
陽射しは1月と比較するとサンサンと熱を感じます。
日射の当たる南斜面の雪はあっという間にしっとり湿り気を帯びておりました。
そうすると、自然と急斜面で落雪が発生します。
幸いにして雪崩れる事はありませんでしたが、こうゆう時の巡回時に気を付けるポイントの一つです。
場合によっては規制させてもらう事がありますが、その際にはご理解ご協力をお願いいたします。
さて、本日は3月11日。
「今日は何の日?」と言えば、13年前の出来事を忘れる事はないでしょう。
あの日、五竜は実害を伴う被害に遭う事は無かったのですが、
自然災害という括りで見れば、明日は我が身と思い、色々と考える日でもあります。
白馬五竜と自然災害、という事で考えると「雪崩」という言葉が第一に浮かびます。
50数年の当スキー場の歴史の中で数度の大雪崩による被害があったそうです。
その様子がゴンドラ山頂駅の掲示物の一枚に書かれております。
自分が生まれる前の出来事ですが、
当時を経験された方に聞くと相当大変だったそうです。
写真の中央の斜面が雪崩れて、ココまで到達したのでしょう。
恐ろしい話です。
さらに昔の話だと昭和の初めの頃に南小学校まで到達した大雪崩があったとか。
この見えている山域全部が大きく雪崩れると、そんな事もあり得るのでしょうか。
とても想像が出来ないですが、3年前の野谷庄司の雪崩の話を聞くとあり得る気もしてきます。
僕が経験した雪山はたかだが十数年。
スキー場が盛んになって約半世紀
スキーが伝来して、冬季に多くの人が雪山に入山するようになって約100年。
それ以前は、こんな豪雪地の高標高地に人が立ち入る事なんてほとんど無かったでしょうね。
そもそもが人がほとんど立ち入らなかった場所ですから、
稀な自然現象の遭遇&目撃情報はほぼ無いのでしょう。
情報が無ければ、分析する事も出来ず、予想する事も困難ですね。
分かった気になりがちですが、完全に予想するのは困難です。
現在、確実に分かっているのは
「雪が積もっている急斜面で雪崩は起きやすい(絶対ではない)」≒雪崩地形
という事。
…だけ、あとはほぼ未知なんじゃないか、というのが僕の認識です。
雪崩を避ける一番簡単な方法は、
「雪崩地形に入らない、雪崩地形の下部に居ない」
という事。
ですので、スキー場には閉鎖区域があります。
雪崩防止柵は全ての雪崩を防いでくれる訳ではないですし、
先行者の滑走痕は安全の印でもないです。
※
この雪崩防止柵は100年に一度の大雪崩の規模を小さくするモノで、
守る対象は麓の集落で、スキー場を守る事は想定していないそうな。
※
スキー場内の雪崩事故を防ぐのは我々パトロールの雪崩管理と
皆様のルール遵守の行動に拠るのです。
ですので、
滑走禁止エリアには入らない!
ロープをくぐらない!看板の指示に従う!
のです!!
お願いします!!!
さてさて、そんな事を考えて仕事をしていたら、
あっという間に日暮れのお時間に。
強い日差し向けに暗めのゴーグルレンズでしたが、
黄昏時対応モードに、
へーん・・・シン!
磁石の力は便利ざます。
営業終了時は薄曇りの空模様。
明日からはまた天気は下り坂だそうな。
今シーズンは2月と3月が入れ替わった様な雪の降り方ですね。
ラストパウダー、もうワンチャンあるか!?
と、雪山with雪崩跡を見渡す山好きの某隊員の図。
最終時、久しぶりにマリア様とその子分にも出会えたので、
明日からもきっとラッキー…な、はず。
では、シーズンアウトの計画も見えてきた今日この頃、
最後までご安全に。