救助要請は突然に。@ネギトロ男爵2024.04.02
一月のある日、テレキャビンアルプス平駅の一階にあるパトロール本部で隊員達がストーブを囲みながら待機していると、リフトから無線が入りました。
「アル4改札です。お客様からの通報でグランプリでケガをされた方がいる様です。パトロール向かえますか。」
「了解。」
スペードのエースが素早く静かに出動して行きました。
「スカイ4終点です。ケガされた方のお連れ様が来られています‥」
ジョーカーが勇ましく出陣します。
他の隊員達も次々とバックアップに入り、気づけば本部にはネギトロ一人になっていました。
「アル3改札です。頭を打ったらしく倒れているお客様が近くにいらっしゃいます‥」
タイミング悪く救助要請が3件、重なってしまいました。
しかも難しそうな案件です。
場のカードが10や11と予想される場合、クラブの3くらいのネギトロが切られる事はありません。
それにアキヤボートを現場まで持って行く人員も必要です。
困ったな、と思いながら隊長に指示を仰ごうと無線に手を伸ばしたその時、バーン!とドアが開いてナイター番の2人が出勤して来ました。
「ほな、ワイは先発で現場に向かうDE!」
「じゃ僕はアキヤ待機しますね!ヤーマン!」
ほっ、と息をついてまた無線に向き直ります。
現場からの搬送が始まり、少しずつ本部に隊員達が戻ってきてそれぞれ安堵の表情を浮かべていると、とおみベースから応援に上がって来てくれたハートのエース隊員が一言。
「なんだ~、心配して来たのに人、たくさんいるじゃ~ん。」
「いやいや、さっきまで大変だったんですよ!!!」
全員の声が揃いました。
五竜パトロール隊はこれまでこんなの比じゃない幾多のピンチをくぐり抜けて来て、きっとこれからも乗り越えてゆくのでしょう。
黒メット隊長は人知れずポールを直し、枯れ木さんはジョークを言い続け、抹茶副隊長は眼光鋭くツッコミ続け、TKOさんは飄々と作業をこなし、しもやけさんは気配を殺し、ナナフシくんは爽やかオーラを身にまとい、新人たちは自らの不甲斐なさに目に涙をまといながら、少しずつメンバーを入れ替えたりしつつ連綿とパトロール隊は続いてゆくのでしょう。
白馬に雪がある限り。
ところでゲレンデの様子ですが、アルプス平の滑走性はシャバシャバとして非常に良い感じです。
とおみゲレンデは圧雪隊が頑張って減った分を回復させたりしています。まだ滑れます。
今日は風が強まり上部のリフトは最終まであと少しというタイミングで運休となってしまいました。
明日以降はしばらく暖かい日が続くようです。
ぜひ春スキーをお楽しみ下さい。
皆様のお越しをお待ちしております。
リフトが運休になったため、圧雪車でコース最終に向かう(通称ドナドナされる)ton-bei隊員