塞翁が白馬の雪@黒メット2025.03.10
果物を箱買いすると何故かウキウキする黒メットです、こんばんは。
本日の白馬五竜
天候:快晴
降雪:夜間0㎝ 日中0㎝
気温:8時-4℃ 15時+1℃
風:ほぼ無し、視界良好
ザ・快晴
ほぼカチカチ山が続いたここ数日、
今日は程良く緩んだ優しい雪面になるかなー、
と、まだ固い朝イチの雪面をザーザー言わせながら、
始業点検を進めていると、ワタシを呼ぶ無線が…、
ナナフシ「隊長へ、ウッディーコース近くの電気設備が…(以下略)」
黒メット「了解、良くなね。とりあえず写真送ってもらえますか?」
現代文明の利器は素晴らしいですね。
瞬時に映像で状況を共有できるのは判断にとても役立ちます。
そして、その画像を見たワタシは状況の悪さを察し、電気に詳しい上長に報告。
この辺りの連絡の段取りは普段の職場間のコミュニケーションの賜物でして、
それなりにスムーズにいったと自負はしていたり、いなかったり。
そしてそして、
このままではアルプス平エリアが停電になるリスクもある事から、
ゴンドラの運転開始を遅らせることが決定。
楽しみにしてお待ちいただいていた皆さまには大変申し訳ありませんでした。
索道施設は主に電気で動いているので、
お客様が乗車中に停電…なんて恐ろしい事態を避けるための処置でした。
どうかご理解いただけますと、幸いです。
そして、状況確認とこれ以上の悪化防止のための処置対応に
我々パトロールとリフトスタッフは忙殺されることに…(写真がない事はお察しください)。
あーだこーだしてるうちにあっという間にお昼前。
なんとかかんとかで作業と営業開始の目途がつきましたが、
状況的にダイナミックコースとウッディーコースはクローズとせざるをえませんでした。
とおみエリアとアルプス平エリアは分断された状況となってしまいました。
行き来するには、ゴンドラテレキャビンの上り&下り線をご利用していただくしかありませんでした。
急遽の対応で案内も行き届かないところがあり、
ご不便をかけてしまい申し訳ありません。
なお、明日の営業開始もこの体制になることになります。
明日からの対策作業の進捗次第で、日中のどこかで下山コースもオープン出来るかもしれませんが、
何日の何時からとお伝えできる状況ではない、
という事をご理解いただけます様、お願いいたします。
私たちも全力で対策に当たっていますが、
更なる悪化を防ぎながら慎重に作業をせざるをえませんので、
なにとぞご容赦ください。
さて、昨日までのブログでも触れられてきましたが、
エキスパートコースの状況もよろしくありません。
開きが止まらないクラック。
新たに割れる場所も。
割れ目の地面からはフキノトウが…
春ですねー…じゃないんだわ、今はそれどころじゃない。
問題は緊急度がどの程度か。
この全層雪崩の危険度の判断って難しいのです。
よくある話。
急斜面の積雪のとある日、
全層雪崩さん(以下、全さん)「うぅ、重い、耐えれない、ごめん、ちょっとズレるね」
→クラック発生→気温上昇
全さん「あったけー、ムリー、開いちゃう、開いちゃう」
→クラック拡大(数日続く)
そんなとある日、
全さん「あ~、疲れたわ、動くの止めるね」
→クラック停止
(数日後)
パターン①
全さん「少しずつ、軽くなったなあ、もう動かなくていいかもー」
パターン②(よくあるのは大雨orめっちゃ昇温続き)
全さん「やっぱもうムリ―!!!!!どざーーーーー・・・」
と、①か②になるかは科学が進んだと言われる現代でも、God knows.(神のみぞ知る)
実際、シーズンオフに雪崩の専門家やプロの人たちの集まる会合でも、
「前兆があれば警戒はできるが、いつ起こるかは分からない」という結論に至ってしまうのです。
毎年シーズン中の結果を情報交換するし、色々模索するも、確実な予報はまだ無理なのです。
と、いう訳で、
完全に動きが止まって、安定状態と判断できないと今季は再オープンが出来ない状態です。
なにとぞご理解いただきます様、お願いいたします。
まぁまぁ、雪や氷って奥深く、謎が多いのです。
美しく謎が多いモノって何故か魅力的ですよね。
惚れたもん負けなのです、とことん付き合いましょう。
さてさて、話題を変えて、
楽しい風景もお届けしましょう。
再び、ザ・快晴のこの景色、とおみはゆるんでザラメ雪。
いかにも3月、春スキー感がありました。
アルプス平エリアはゆるみ切らず、固めのバーンでしたが、
圧雪面は滑りにくくなく、カービング愛好家やレーサー気質の方々は喜ぶ感じ。
そうじゃない方々もこの景色は一見の価値ありの日でしたなぁ。
ハイシーズンはここまでハッキリ北アルプスが見渡せる日はほぼ無いので、
こう見えると、「春が来たなー」と感じますね。
頸城の山々も遠く志賀高原や菅平高原も八ヶ岳も。
おや、浅間山の噴煙も。
滑るだけじゃなく、普段は見れない景色を楽しめるのも、この遊びの良いところですね。
遠くだけじゃなく、足元では、今日なんかは雪面にクッキリ影が映る景色も乙なものです。
願わくば、素晴らしい景色や山の動物たちを眺めながら、
のほほんと仕事をしたいものですが、
そうはなかなかいかない今シーズン。
なんともはや・・・。
そういや、良いのか悪いのか、なかなか雪が減りません。
まだまだ雪面が高く、規制箇所が多くなっております。
まさか、万年雪で来季を迎えることはないはずなので、
そのうち規制解除できる日が来るとは思いますが、それまでお付き合いください。
そうこうバタバタとしてるうちに、あっという間に営業終了時間になりました。
ずいぶん日が長くなったものです。
明日もー がんばってぇー いきまっしょっい。